2006年5月30日火曜日

企業は田舎に貢献できるか?

IT による経済発展を目指す米国内の経済後進地域大学を IBM が支援という記事を見つけた。
概略は

IBM (NYSE:IBM) は先ごろ、米国のアパラチア山脈中部周辺5州 (ケンタッキー、ノースカロライナ、テネシー、バージニア、ウェストバージニア) の私立教養大学および私立総合大学35校が所属する Appalachian College Association (ACA) との共同取り組みを発表した。同協会所属校の学生が財政的に豊かな大学の学生に遅れを取らないよう、IBM のソフトウェアやサービスを無料で提供するというものだ。
「テクノロジには、競争条件の不平等や地域格差を是正する力があると思える。われわれがやろうとしているのは、アパラチア地方の学生たちに世界という舞台で競争する機会と、それを可能にする技術を与えることだ。そして IBM は、次代を担う従業員およびその従業員を輩出するであろう地域のことに関心を抱いている」

ということで、狙いは企業の優秀な従業員の囲い込みの一環なのだろうが、こうした、いわゆる過疎地域に企業が投資をしていくのは賛成である。
IT技術の進化っていうのは、人口の集積地と非集積地の差を縮める、あるいは地方の格差を埋める、っていった謡い文句もあったような気がするが、現実のところは、人口集積地にますますITやネットワークの様々なサービスや技術が集積していくという、製造業などの第2次産業の集積と同じ構造を辿っているように思う。
考えてみれば、IT産業であっても、収益をとる構造は、他の産業と同じだから、人口が集積している地域で、その集積をさせるのは自明の理であるし、人口が多ければ、その分優秀な技術者が確保できる確率も高くなるから、拠点を人口集積地に求めるのも当然のことなのだが、、なにか「IT」あるいは「ネットワーク」という語感に騙されて、人口の非集積地においても集積地と同じサービスや技術集積ができるよう思いこんだこちらが悪いのかもしれない。
ではありながら、である。IBMのこういった取組は評価したい。IBMがんばれって応援したいのである。テクノロジの条件不平等や格差是正をする力っていうのは、確かにあると思うので、人口非集積地(まあ、田舎のことだよね)が元気がでそうなことは、日本の企業にもマネをしてほしい、と田舎住まいの私としては素直に思ってしまうのである。

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