2012年6月29日金曜日

電子書籍の未来を期待する

いささか旧聞に属してしまったのだがAmazon、楽天と相次いで電子書籍端末の発売を発表して、「自炊派」としてはうれしい限り。
 
 
 
 
 
 
Kindleの投入は若干、狼少年的なところがないとはいえないのだが、Web上にあそこまで大々的に出したからには、まあ間違いないだろうと思う。(発売時期を知らせてくれるメールサービスに思わず登録してしまったのは私だけではないだろう、と思いたい)
 
一頃に比べ増えてきてはいる電子書籍なのだが、新刊本の発行は遅れがちなのと、日経グループのように、どういうわけか紙のものより若干値段が高いものもあるという日本の電子書籍の世界がKindleとKoboの投入で、活性化するのを望みたい。
 
ただ、一番避けてほしいのが、端末の投入が先行してコンテンツの投入が遅れたり、少ないまま推移するという今までの日本の電子書籍界隈が陥った失敗。
 
まあ、万を辞して参入してくるAmazonや、これを迎え撃つ楽天がそんな愚は犯さないと思うが、念のため、ここで祈っておく。
iPhone、iPad持ちの当方としては、Kindle端末とかは家族用に購入するぐらいかもしれないのだが、書籍は確実に買うと思うので、ぜひとも早期の参入を望むのである。

2012年6月25日月曜日

電子書籍拡大に良い兆しー「まっぷる」「るるぶ」電子

朝日新聞Degitalによると、「まっぷる」や「るるぶ」が電子書籍化されるとのこと
 
昭文社は1年半前に観光ガイド本「ことりっぷ」、今春には「まっぷるマガジン」の電子化を始めた。同社の紙の出版事業の売上高は、6年で3分の2に減少。一方、電子版ガイドやカーナビ向け地図といった電子事業は伸び、出版事業の半分に迫る。黒田茂夫社長は「電子版の知名度はまだ低いが、本で蓄積した情報と『見せる』ノウハウを生かしやすい」と話す。
 
 JTBパブリッシングも昨年から「るるぶ」の電子版を始めた。現在は沖縄、韓国など6地域。
 
とのこと。
 
妙な心理的障壁や、著作権的障壁の高い文芸書よりも、こうしたムック系の方が電子化にはなじむし、利用する側にとっても有難い。
というのも、観光地や出張先で、こうしたガイド本を開くのはちょっと恥ずかしいし、なによりも嵩張るのが難点。それが、スマホやタブレットで見えるようになれば、かなり便利になること請け合い。
 
当方、実はこうしたガイド本、旅行や出張の時は、自炊してタブレットにいれて持ち歩いていたのだが、はじめから電子書籍として販売してくれれば、手間も省けて願ったりかなったりである。何冊かはビューンでも閲覧できることはできるのだが、ビューンの場合、Wifi状態でないと閲覧できないのが難。
 
「まっぷる」や「るるぶ」に限らず、「地球の歩き方」など旅本の多くが、デジタルで提供されると嬉しいんですがね・・・。

2012年6月24日日曜日

なんか禁制品扱いになってきたタバコをやめられないスモーカーたちを悼む

J-CASTニュースによると東京で有料の喫煙所ができるようす
 
 
  有料喫煙所は、その名も「いっぷく」。文字どおり、たばこを「ちょっと一服したい」人にとっては便利なスペースだ。
   ゼネラルファンデックスは7月に、「いっぷく」御茶ノ水店、淡路町店、神田今川橋店を同時にオープンする。オフィス街では、喫煙のため喫茶店に立ち寄るビジネスパーソンが少なくないことに着目、1回50円なら割安感を打ち出せると判断した。
   電子マネーの「PASMO」を入口のゲートにかざして入店。使用料も「PASMO」で支払う仕組みで、1回50円。またチケット制もあり、100円で1日分、500円で1週間分、1800円で1か月分のチケットを買うと、どこの店でもその期間は使い放題になる。
 
とのこと。
 
7年前に禁煙し、知人にもいまだスモーカーがいる当方としては、おそらく流行るだろうね、と思う。普段は地方住まいなので、東京に行くのは出張の折しかないのだが、スモーカー達と一緒に出張すると、タバコが吸える場所をあちこち探し回る姿をよく目にしているから、気兼ねなく、しかも、喫茶店のコーヒー代より安い料金で吸えるとなれば(おまけに最近はノースモーキングの喫茶店もあるから、喫茶店であればどこでも喫煙できるというわけではないしね)、スモーカーにとっては砂漠の中のオアシスみたいなものだろう。
 
ただ、空港や駅でよく見かける喫煙スペースと同じようなものであるなら、顰蹙を買いそうな表現に申し訳ないが、阿片窟が街角に出現したような印象を与えるから、ちょっとお洒落な感じのスペースにしてほしいもの。
そんなこんなしていると、携帯の灰皿ならぬ携帯の喫煙所が開発されたりなんかするかもしれないですね。
 

2012年6月23日土曜日

立花岳志「ノマドワーカーという生き方」(東洋経済新報社)

最近流行のノマド本なのだが、普通のノマド本と思って読むと少し期待外れだろう。
ノマド本といえば、おすすめのWifiカフェやコワーキングスポットがどう、とか、電源を確保するためにどう、とか、いつものカバンの中身は、とかそんな話題に終始するのだが、ちょっと本書は違う。

構成は

はじめに
Chapter1 これがフリーブロガーの一日だ
Chapter2 ソーシャルとブログによる個人メディアの威力!
Chapter3 社長の座を辞してなった僕の職業は「ブロガー」
Chapter4 フリーブロガーの「デジタル・セルフマネジメント」ノマド&クラウド徹底活用術
Chapter5 今日からできる「個人情報発信」のススメ


となっていて、この目次を見てわかるように、ノマドのワークスタイルのレクチャーというよりも、「ブロガー」としての生き方を吐露したのが本書といっていい。

で、本書で著者が語っている、「ブログ」への思いはかなり強いものがあって、「人生を劇的に変える」ためにブログをはじめ、結果、会社をを辞め、専業のブロガーとしてやっていく覚悟と日々の生活のブロガー・ノウハウが縷々記されている、ということだけで、ブログをちょっと本気を出してやってみようかな、という諸氏は、本書を読んでおいて損はない。
というか、へなちょこブロガーの当方としては、「ブログを書く」という選択をし、優先順位を決めたら一日24時間の中で何を止めてブログの執筆にまわすかですよ、とつきつけらるあたり、たははと笑って膝を折って反省しないといけないのである。

本書は、すべてのへなちょこブロガーは、反省しつつ読まなければいけない書物かもしれないですな。と、まあ、本書で紹介されているブログを書くコツ的なものは別途レビューするとして、ひとまず本書のレビューはこのあたりで。

コンビニだけある住宅街を、宅配便のみが疾走する街を思い浮かべてしまった

bizmashの「佐川急便、宅配便の集荷を24時間電話で受け付け」という記事をみて、街からコンビニ以外の個人小売店が一掃され、宅配便でほとんどのものが届けられる街を思い浮かべてしまった。
 
記事の内容は
 
SGホールディングスグループの佐川急便は、宅配便の集荷依頼を24時間電話受付する新サービスを発表した。こうした試みは業界初という。まずは2012年6月21日より、東京都中央区と千代田区の2区で取り扱いを開始する。
従来、中央区と千代田区では、宅配便の集荷依頼を19時まで電話受付してきた。しかし以前より企業や個人事業主から19時以降、深夜帯の集荷要望があり、今回はこれに対応する。
朝8時から夜19時までは電話窓口で自動集荷受付し、夜19時から翌朝8時は夜間受付専用の電話番号でオペレーターが対応する。夜間は連絡を受け取ってから1時間以内に集荷する。
利用者から深夜3時までに集荷依頼があれば、航空機を利用する「飛脚航空便」で、全国の主要都市に当日中に荷物を届ける。
 
というもので、佐川急便がとりあえず首都圏の深夜帯への市場拡大を狙った取り組みといえばそれまでのことなのだが、これが全国に拡大し、各社に拡大していけば、おそらくは荷物だけでなく、生鮮などの家庭集荷と配送も24時間化していくだろうから、生活必需品のほとんどが宅配便で対応されるようになり、小売りは宅配を頼むほどではない、ちょっとした買い物はコンビニといった街が出現するというのも妄想ではないのではなかろうか。
 
現に管理人の住む街の近くには、スーパーが撤退してしまい、老人世帯はコンビニや官庁内にあるコンビニで生鮮品などを買っているといったところが出現している。このへんは、人口の多い首都圏や関西圏より、地方都市ののほうが早いかもしれないな、とリアルの書店は新刊などのチェックの利用が主で書籍はAmazonで買うことが多くなってしまった当方としては、おもわず妄想してしまったのである。

2012年6月17日日曜日

最近のノマド論争ってのに思うこと

ノマドになって収入がどうなったかとか、ノマドの宣教師である女性がネットワークビジネスにどうとか、最近、ノマドのワーキングスタイルとはちょっと違ったところで騒がしい「ノマド」なのだが、最近思っているのは、ノマド・ワーキングっていうのは、ひどく文系的で、極度に企画提案系かIT系のような気がするので、世にあるビジネスや生業すべてに共通しないし、全ての天辺ではないよね、というところ。
 
というのは、当然、飲食系のものはもちろんのこと、農畜産業やら、ひいていは実験とかが必要になる理系の世界では、カフェで電源を探してキーボードたたいて、なんとやらって形で仕事をするのは、およそ不可能に近い。理系で可能性があるのは、プログラミングの世界ぐらいだろう。さらに介護・医療はカフェを渡り歩いても仕事は片付かないのは明々白々で、まあ、有体にいうと、そういったレベルで捉えておいたほうがいいじゃないかな、ということ。
 
といって誤解しないでほしいのは、個人的にはノマド的なワークスタイルはいいね、と思っているし、デスクワークで陥りがちな不要物(それは凝り固まったビジネススタイルもあれば、机の中のごちゃごちゃになった文具や私物もあるだろう)を排除するには、身軽でそぎ落としたノマドのワークスタイルが効果的だよねと思っている。
でありながら、さりはさりとて、である。
まあ、今のところは、通常のビジネス・スタイルを基本におきながら、ノマド的なワーキング手法をゆるやかに取り入れていくいいていうのが、一般のビジネスマンにはいいところなのかもしれないですね。
 
最近、仕事が立て込んでいて、缶詰的になって仕事しているので、ノマド型のワークスタイルに辛くなっているかもしれない、ご容赦を。
 

2012年6月14日木曜日

まつもとあつし 「スマート読書入門」(技術評論社)

hontoやBookWalker、パブリ、日経BPなどなど電子書籍の数は一頃よりは増えてきているのだが、いまだ巨人Amazon Kindleの参入はなく、なんとなく生煮えの状態が続く電子書籍、あるいは電子媒体による読書について、気鋭のITライターであるまつもときよし氏の手による、電子書籍入門本。

入門本と言っても、「自炊「のあたりはきちんとふれてあるし、さらには、電子媒体による読書(この本で「スマート読書」といっているので、以下同じ表現にするが)の場合の読書メモの作り方、さらには 現代IT版輪読会、読書会ともいえるソーシャルリーディングまで、かなり欲張った内容になっている。

構成は

第1章 読書だってデジタルでいこう
第2章 「閉じた」読書で終わっていてはもったいない
第3章 快適なデジタル読書のために環境を整えよう
第4章 フロー情報をさばいてストック情報につなげよう
第5章 読書メモをマスターして「読んで終わり」から卒業しよう
第6章 新しい読書のカタチ「ソーシャルリーディング」に乗り出そう
終 章 進化する本との出会いを楽しもう

となっていて、まずは読書端末の紹介から読書におけるデジタルサービスの利用方法、、Scansnapを使った自炊の仕方といったところを第1章~第3章あたりでさっくりとふれて、第3章からはいわばデジタル版読書術といった風合い。

すでに「自炊」の世界に踏み込んでいる人にとっては、ちょっと食い足りないかもしればいが、「はてなブックマーク」の使い方やブクログ、Twitterいよる読書情報の共有なども広範にふれてあるので、おさらいのつもりで読んでもいいだろう。

しかし、爆発的に普及するといわれて久しいが、本当にゆっくりとしか進まない日本の電子書籍の世界。アメリカなぞでは、すでに紙の本より電子書籍のほうが購入数も上回ったというのにねーと思うのは私だけか(なんて書くと、識者からアメリカの本というものは高級なものかペーパーバックしかなくて、そもそも出版事情が云々の講釈されるんだよな、毎度毎度)。言霊の世界では、電子の文字に霊性が降臨しないのだろうか・・・

2012年6月3日日曜日

岡本綺堂 「三浦老人昔話」(青空文庫版)

江戸期、とりわけ安政から幕府崩壊までの「江戸」の話は、徳川幕府が実現した三百年の太平が瓦解する時だけあって、なにやらセピア色に染まりながら、我々が先祖から受け継い民族の記憶とでもいうべきあたりをひどく刺激して、デジタルの生活やビジネスに疲れてきた時に無性に読みたくなるもの。

しかし、三田村鳶魚あたりの著述は精緻であるものの、私のように手軽に、瓦解寸前の「江戸」の風情を味わいたい向きには少し重過ぎる。その点、岡本綺堂の、「半七捕物帳」や、「綺堂むかし語り」そして本書などは気張らずに「江戸」の昔を楽しむことができていい。ただ、光文社文庫あたりでは結構出版されているようだが、私の住む地方都市ではなかなか現物にあたることが少なく、Amazonあたりに頼るしかないのが残念なところ。

その点、青空文庫は、関係者の方々の力で、絶版状態のまま放置されている名著、良著に光をあて、我々一般人に解放してくれる取り組みで感謝してし尽くせない。
このあたり、出版界は、こうした著作権が切れたものだけでも、有料でいいから電子書籍として出すといった取り組みを加速させてもいいと思うのだが、まあ、ここでは詳しく論述するのはやめよう。

さて青空文庫版の「三浦老人昔話」に収録されているのは

桐畑の太夫
鎧櫃の血
人参
置いてけ堀
落城の譜
権十郎の芝居
春色梅ごよみ
旗本の師匠
刺青の話
雷見舞
下屋敷
矢がすり

の12編。

話は、半七老人のもとへ昔語りを聞きにきた「わたし」が大久保に住む三浦老人を紹介され、彼から幕末の昔話を聞いて紹介する、という、半七捕物帳と同じような設定。ほとんどが、お武家、時に旗本の御大身がかかわる話もあって、町方の捕物話と違い、しきたりや世間体を重視した武士の悲哀といったものが感じられる話も多く、そこがまた江戸好きの心を刺激するのである。

例えば、「桐畑の太夫」は芸事(清元の浄瑠璃)に入れ込んでしまった旗本の主人が、のめりこんだあげくの魔事といったものや、「鎧櫃の血」は、食道楽の小身の旗本が、御用で大阪にゆく際、経費節約のため醤油樽を鎧櫃に詰めて運ぼうとするのだが道中、雲助とトラブルを起こし・・・、ってな話であるし「下屋敷」は芝居に入れ込んだ旗本の奥方が、贔屓の役者を下屋敷に呼び、まあしっぽりとむにゃむにゃといったことを企むのだが、家中の者にばれ、あわれ役者は・・・という武家屋敷の怪談に結びつきそうな話で、読み進むと、自分も頽廃した徳川幕府末期の江戸に暮らしているような感覚になってくる、とは言い過ぎか。

まあ、こうした江戸の風情あるいは江戸風味といったもの、実際にこうした物語やとはずがたりを、だらだらと読むことでしか味わえないと思っている。読めば、かなりの人が病み付きになるのは間違いないと思う。青空文庫は無料で提供されていることでもあるし、試してみても損はなし。


追記>

どうやら中央公論社文庫で、この「三浦老人物語」が出版されるらしい。収録は青空文庫版と同じかどうかはわからないが、電子デバイスを持っていない人や、PCやiPadなんかではどうにも本をよんだ気がしねぇ、と言う人は、そちらで江戸風味を味わってみてはどうだろう。

BOOK☆WALKERで1100円の本が100円になるキャンペーンを期間限定で実施中

電子書籍関係はアフィリエイトしてようがしてまいが応援することを心がけているので、勝手に応援。
BOOK☆WALKERで、通常なら1,100円の「100円のコーラを1000円で売る方法」(中経出版)を期間限定で100円で売っている。
 
詳しくはBOOK☆WALKERの「定価1100円の『100円のコーラを1000円で売る方法』を100円で売ってみた」のページを見てほしいのだが、期間内にエントリーするとBOOK☆WALKER限定で使えるWebmoneyが1000円分キャッシュバックされる仕組み。
 
BOOK☆WALKERはiPhone/iPadかAndroid端末専用でPCでの閲覧はできないので、デバイスがない人はちょっと・・・、というところで、デバイスの購入に結びつくかどうかはわからないが、近のスマホやタブレットブームを考えると、結構な数の人が、どちらかのデバイスを持っているだろうから、まあ電子書籍普及派の私としては、まあよしとするか。
 
角川書店は、このほかにも期間限定で新書の一部を無料公開したり、とかかなりアグレッシブな販売をすることがあるのだが、こうしたことが他の出版社でも広く行われるようになると、電子書籍も、もっと普及していくのかもしれないですね。
 
それにしても、Amazonは上陸するのか、しないのか、いい加減はっきりしろい!!
 

柳 広司 「百万のマルコ」(創元推理文庫)

場所はジェノバの牢獄。戦争捕虜として捕まり、暇を持て余していた囚人たちに、「ここから連れ出してやる」となんとも不可能な約束をする、「ヴェネチアの爺さん」こと「マルコ」。牢から出るには、莫大な身代金が必要になるのだが、それをどうやって工面するのか、さて・・・と言う感じで始まる歴史ミステリーっぽいのが本書。「マルコ」とは皆さんご存知のマルコ・ポーロのことなので歴史に材をとった、といえなくもないのだが、マルコ・ポーロが「ほらふきマルコ」と言われたように、一種の歴史風、ミステリー風のの掌編として気軽に読めばいい短編集。

収録は

百万のマルコ」
「賭博に負けなし」
「色は匂えど」
「能弁な猿」
「山の老人」
「半分の半分」
「掟」
「真を告げるものは」
「輝く月の王女」
「雲の南」
「ナヤンの乱」
「一番遠くの景色」
「騙りは牢を破る」

 の13編

で、語られるのは、大ハーンの宮殿や、ハーンの使者として赴いた近隣の国々で出くわす難題の数々を如何にして解決したか、といった話なのだが、「さて、この謎が解けますか」風の大げさなものではなく、小話の連続のような風合いで、軽やかに読めるのが本書の特徴。

東方見聞録でおなじみの「ジパング」は、第1話の「百万のマルコ」で出てくるので、東方見聞録やら、中国の元やら、このあたりの歴史に縁遠い人は、このあたりから勢いをつけて、たまにウィキィペディアあたりで調べながら読むと一層楽しめるかも。

さて、マルコが最初に言う「ここ(牢)から連れ出してやる」というのは、第1話で、マルコの話で、牢にいることの退屈から忘れさせ、さらには牢にいることさせ話をきいている間は忘れただろう、ってなことで、一応の答えとなっているのだが、どうしてどうして、本当の意味は、最後の話まで読むと違った答えになる。この謎解きは本書を読んで、ご自身でどうぞ。

2012年6月2日土曜日

「当初仮説」による問題解決手法(「マッキンゼー式世界最強の仕事術」より)

「マッキンゼー式世界最強の仕事術」においてマッキンゼーの問題解決の特徴の一つとして提示されているのが「当初仮説」(P32)
 
本書によれば、「当初仮説」とは「行動する前に問題の解決策を考えること」で「スケッチ描きとはいえ、問題から解決へと導いてくれるルート図」で「この仮説が正確なら、問題解決とは、事実の分析によって地図の細部を埋めていく作業になるというもの。
 
そして当初仮説の立て方は
①問題を、その構成要素、キー・ドライバーに分解する
②それぞれの構成要素、キー・ドライバーについて、実施可能な提案を考える
③次のステップで大項目に挙げた提案の一つ一つを、もっと細かな問題点に分ける
ということ
 
そして、この「仮説」を考えるにあたっては、事実、しかも膨大な事実(山のような新聞記事、雑誌。内部のリサーチ文書など)の分析や「すべてを網羅」した上での「仮説」ということになるらしい。
 
こうしたやり方は一見すると、かなり頭でっかちの手法のように思え、現場から離れた「現場主義」の対極にあるように見える。
ただ、ここで我が身に振り返って考えたいのが、よく言われる「現場主義」による手法が本当に現場の条件や課題を網羅しており、色眼鏡なしに立てられた解決手法になっているかどうか、というところだろう。えてして、「現場」という美名のもとに、現地の一部分を、自分のフィルターで捉えた解決手法になってしまうことはよくあるし、ひどいときには、現場に行きながら、現場の状況ではなく、自分の思いに都合のよいものだけをすくいあげた「現場の分析」が横行することさえある。
 
理屈倒れと、独りよがりの現場主義の間の、現場の事実を捉えた解決手法の提示のためには、より多くの現場の事実の収集と精密な分析っていうのが必須なのかもしれない。
 
仮説の模索は、かなり地味で辛気臭いものだから、ともすると感覚的な仮説提示を行って、それを現地で実践だ、と持ち出していきがちなのだが、ここは自戒すべきことなのかもしれない。
 

スマレコペンを買ってみた

ペンで囲ったところを切り取って読みとれる、というスマレコペンを買ってみた。
 
お値段は文房具店の値引き後で467円。
 
外観はこんな様子。
 


ペン先が2つに割れている。

利用するためには専用の無料アプリをダウンロードするとのこと。

読み取りたい新聞記事をこのペンで=線がきちんとでるように囲って撮影。うまく読み取れると、
台形補正やら
 

トリミング補正やら

なにやらやって、こんな感じで読み取り完了。書き込みもアプリ内でできるようだ。端っこに少し落書きしてみた。
 

Evernote連携もOK
 

といった感じなのだが、ペンで囲い込むように線を引くのと撮影が結構難物。
 
=線がうまく均等に書けないのと切れ目ができると読み取りがうまくいかないので、結構丁寧に補正作業が必要。総じて大きな記事は失敗する確率が高いみたい。
ちょっとした記事をささっとスキャンするってな時にマッチする文具という印象。
 
JotNot Proとかのスキャナアプリを入れている人は、是が非でも必要となるかは微妙なところ。ただまあ、500円足らずの製品だから、あまり難しいことは考えず購入して、適時に使い分けをすればいいかもしれないですね。

2012年6月1日金曜日

Fu-shine iPad2キーボードカバー使用感

購入してから、1週間ほどになるので、使用感をレポート。
 
使っているのは、会社か近場の出張中がほとんどで、長距離の出張になるとノートPCを持っていくし、家の中では、デスクトップPCかノートPCを使うので、このカバーをはずして完全にタブレット状態で使っている、という状況。
 
ざっくりとした感じをいえば、キーボード状態にするのにちょっと面倒なところもあるが、そう負担ではない。
Bluetoothの接続も、一度イニシャライズしてしまえば、キーボードのスイッチをいれると待たずにつながる。もともと、そんなにヘビーな使い方をするわけではなく、Evernoteやメールの入力ぐらいという程度であるのだが、ソフトウェア・キーボードでぽちぽち入力している環境に比べると、かなりスムーズな作業環境である。
 
ひとつ難点をいえば、かなり深めにキータッチしないといけないところ。柔らかいタッチのキーボードなので、個人的な印象では、かなり押し下げるような入力が必要なところが、まあ不満と言えば不満というところ。
 
ただまあ、全体的には使用感も悪くなく、2000円程度という値段のことを考えれば、お買い得品といっていいのではなかろうか。