2013年1月20日日曜日

坂木 司「切れない糸」(創元推理文庫)

「和菓子のアン」とつながる連作ミステリー、と帯にはあったが、厳密な意味での
連作というわけではなくて、、「和菓子のアン」主人公のアンちゃんの住む街で起きるミステリー、といったところ(アンちゃんのお母さんがこのクリーニング店でパートをしている、というおまけはあるけどね)。
主人公は。「和菓子のアン」の冒頭のところで噂になっていた「就職の決まらないアライ・クリーニング店の一人息子」新井和也。彼が、父親の急死をきっかけにアライ・クリーニングをアルバイト気分が抜けきらないまま継ぐことになるのだが、たどたどしい営業活動の中で、いろんなトラブルやプチ事件に出くわし、それを大学の友人で同じ町内の喫茶店ロッキーでアルバイトする沢田の推理で解決をしていくという筋立て。

構成は

プロローグ
第一話 グッドバイから始めよう
第二話 東京、東京
第三話 秋祭りの夜
第四話 商店街の歳末
エピローグ

となっていて、乱暴に集約すると、成行きでアライ・クリーニング店を継いだ和也が、さまざまな事件を通じて成長していくという、ミステリー仕立てのビルドゥングス・ロマンっていうような風合いが強い。

解決していく事件の相手方も、第一話が、マンションの住人の河田さん、第二話が幼馴染の糸村麻由子、第三話がマジシャンの渡辺、第四話がアライ・クリーニングに長年勤務するシゲさん、とあちらこちらに飛び跳ねるような展開ではないようにみえて、実は、その謎とともに抱え込んでいる人間模様は、離婚から、都会人の抱える田舎性など、複雑と言っていい。

全体的な構造としては、ひきこもり探偵シリーズの鳥井と坂木に似てはいるのだが、新井と沢田の関係は似ているようで、もう少し軽妙である。それは、最後のところに表れていて、鳥井と坂木が別れと再開といった形をとるに対し、この「きれない糸」の場合は、沢田の旅に従い飯の友は届くにしろ、旅立ったままで終わっているところが、むしろ未来への道筋を感じさせるのだが、どうだろうか。

坂木 司 「和菓子のアン」(光文社文庫)

引きこもり探偵シリーズで妙手をみせた坂木 司のデパ地下ミステリー。舞台は都心に近いデパートの地下街。そこの和菓子屋の出店(ちょっと表現が古いか・・)で繰り広げられる、ちょうど管理人の最近のミステリーの嗜好にあっている、ちょっとほんわかんとしたミステリー。

収録は
「和菓子のアン」
「一年に一度のデート」
「萩と牡丹」
「甘露家」
「辻占の行方」
の5作

「和菓子のアン」は高校を卒業してニート状態になりかけていた杏子(通称 アンちゃん)がデパ地下の「和菓子舗・みつ屋」に勤める物語のスタート。
みつ屋の店長の椿さんとか職人まがいの知識をもつ同僚の立花など、この作品のキャストが揃うスタートアップ。店長と立花くんの秘密は、まあ本書の中で確認を。謎解きは、会社の役員会に出すらしい茶菓子を買いに来るOLさんの注文に関連したもの。「おとし文」や「水無月」といった菓子の名前にちなんだ謎解き。


「一年に一度のデート」は、七夕にちなんだ恋愛の話が二つ。七夕は地方や国によっては旧がひと暦で祝うところも多いのだが、そんな風習の違いを織り込んだ、若い女性の恋愛話が一つ。もう一つは、一年に一度というのは七夕ばかりではなくて、夏の列島大移動を巻き起こす、あの行事に絡んだ、年配のお客さんのセピア色の話。さらに、この作品で、同僚の一人、桜井さんの昔のやんちゃが最初のほうにでてきて、店長のなにか悲しそうな昔の出来事が最後の方に暗示され、登場人物のディテールがだんだん詳細になってくるのもシリーズものの楽しみ。

「萩と牡丹」ではアンちゃんに妙に絡んでくる、少し強面のおやじの登場。店でなにやら暗号か符牒のようなことをいってアンちゃんを混乱させる。和菓子にちなむことらしいのだが、なんのことか意味不明で・・・、といった感じで展開。この人の正体は、みつ屋に勤める人の関係者なのだが、詳しくは本書で。

「甘露家」では、今まで早番だったアンちゃんが遅番にも回ることに。和菓子屋の時間によっての客層と売れ筋の違いが興味をひく。話の主流は、こうした食べ物を扱う店の暗い部分。数年前の、賞味期限の偽造騒動を彷彿させる。そんな中で、売れ残りの弁当をごっそり買っていく、お酒売り場の生き字引の楠田の、温かい話が心を和ませる。

「辻占の行方」の時期は正月、そこで新年らしくお菓子に挟まれた辻占(おみくじ)が謎の題材。工場の手違いで辻占が印刷されていないものが販売されたのだが、一人の客が持ち込んだものは、どういうわけか絵が描いてある。こうしたデザインのものは工場でもいれた覚えがないというこrとなのだが・・・、というのが主筋の謎。で、これに平行させながら、椿店長の悲しい過去のお話が披瀝される。

よい出来のシリーズものというのは、続きそうでなかなか続編が出ず、終わったのかな、と思っていると思う出すように出て、といったことがあるのだが、この「和菓子のアン」もなんとなく、そんな感じ。まあ、社会を揺るがす巨悪とか、歴史的ななぞっていいようなところから無縁の、日常のちょっとした謎やいい話、というのがこのシリーズの持ち味だから、そんなところでいいのかも。

2013年1月19日土曜日

タブレットはPCより優位に立てるか

Asusがスマホをタブレットのように使える「Padfome2」とやらゆうものを発売するらしい。(ASUS、スマートフォンをタブレットとしても使える「Padfone 2」を披露)
 
それによると
 
Padfone 2はの米クアルコム製「Snapdragon S4 Pro」を搭載する4.7型Androidスマートフォン。スマートフォン単体として使うほか、10.1型タッチスクリーン液晶付きドッキングステーションの背面にはめ込めば、タブレットとして使える。動画や電子書籍などを、スマートフォンよりも見やすいタブレットの画面に切り替えて楽しめる。なお、ドッキングステーション単体での利用はできない。
 
ということで、タブレット需要は、ますます高まりそうで、少し古い記事ではあるのだが、タブレットの需要がPCを近いうちに上回るのではといった観測記事もある(「まもなくタブレットの出荷台数がノートPCを上回る」のだが、仕事を含めあらゆる場面でタブレットがPCを凌駕する場合のネックはやはり入力かな。
 
個人的な事情をいうと、最近、PCをできるだけ持ち歩かないようにして、家から一歩出たら、タブレット(iPad)で仕事をすますことができないかな、と試行中なのだが、やはり、がっつりとした仕事をしたいときはPCを持ち歩いてしまうこの頃(試してみようと思ったのは、少し古いが、大石哲之氏のこのブログエントリー「ガチノマド実験。南の島リゾートでノマドワーク を試してみた」
 
やはりタブレットで仕事をしようと思うとBlueToothのキーボードは必須なことはもちろんなのだが、もう一つは、Office系のソフト。
アップルには残念なのだが、ビジネスの現場は、やはりマイクロソフトの牙城であることには間違いないので、Office系のソフト、できればマイクロソフト純正が安価にでないかな、と思う次第。

2013年1月17日木曜日

Windows8でChromeの挙動がおかしい件

昨日、Windows8にノートPCをアップグレードしたのだが、どうもChromeの挙動がおかしい。かなり落ちるようになったし、なにより新しい認証ファイルをインポートしようとすると、青い画面になって動かなくなること多数の状態。
IEでやるとなんともないので、これはMSがGoogleに意地悪しているのかな、と思った次第。もう少しして、Chromeのアップグレードを待つしかないのか....
<追記 2013.1.12>
アップグレードしたんだが、画面の拡大・縮小や格納ボタンがでない。さらには、うちの環境ではIMEだけ使えて、ATOKはダメみたい。
このOS大丈夫なのか????。それともスペックの低い機種は切り捨てっていう訳かな??
MSさん真面目に考えたらどうなの・・・・

<追記 2013.1.13>
アップグレード後、設定画面からWindows8モードで云々を選択したら、なんとか回復

2013年1月14日月曜日

Windows8のストアでアプリがインストールできない現象が解決

しばらくの間、Windows8をインストールしたASUS1225Bで、ストアからアプリのインストールや更新ができない状態になっていたのだが、
 
Microsoft Communiyのこのページで紹介されている、かなり原始的な方法で解決した。
 
その方法とはなんと "アカウントを取り直す" というやり方
 
どうもWindows8にアップグレードする前のWindows7の段階で、Yahooメールでアカウントをとっていたのだが、どうもそれがよくなかったらしい(真偽のほどはよくわからないが、Windows7から引き継いだ際にファイルが云々とあるので、まんざら間違いではなさそう)。
 
ということで、インストールできないMicrosoftアカウントにすっぱり見切りをつけて、一旦、ローカルアカウントでログインし直しし、そこから@live.jpのメルアドを新規登録し、これをアカウントとして登録すると、どういうはずみかストアから無事インストールできるようになった。
 
ついでに、@live.jpのメルアドは、自分の姓名をローマ字表記したものhが、運よく使えた、というのも儲けものだったかも。
同じような現象に悩んでいる人で、現在使っているMicrosoftアカウントに未練のない人はお試しあれ。

2013年1月13日日曜日

Googleの再生可能エネルギー戦略は何だろう

Googleがアメリカ・テキサス州の風力発電プロジェクトに出資をすることにしたらしく、再生可能エネルギーに対する投資はますます増加していっている様子
 

 米Googleは現地時間2013年1月9日、テキサス州の再生可能エネルギープロジェクト「Spinning Spur Wind Project」に約2億ドルを株式投資したと正式発表した。出資の手続きは2012年12月に実施している。

 
 (中略)

 
Googleの再生可能エネルギーに対する投資は同社のエコプログラムに基づくもの、とされているのだが、さまざまなプロジェクトの裏には、計り知れない深謀遠慮があるのが同社の常なので、おそらくは単なるエコだけを考えているのではないだろうと思ってみたりする。
(最近のシュミットGoogle会長の訪朝はは、実はオバマ大統領の命を受けて、中国の影響を排除して、あの国とコミットしようとしているのだ、ってな与太ともなんとも言えない話だってあるんだから→「プリンストン発 新潮流アメリカ」のこのコラム
 
アメリカは資源大国でありながら、実は将来の資源枯渇を睨んで、自国の資源の乱開発を極力抑えているのでは、なんて謀略めいた話を以前何かで読んだ気がするのだが、Googleの再生可能エネルギー投資も、環境のことは当然だが、何か将来的な同社やアメリカのエネルギー戦略を含んでのことのような気がしてならない。同社の11件のエネルギー投資がすべてアメリカ国内向けのものなのかどうかは調べきれていないが、ネットで見る限り、多くはアメリカ国内のものように見受ける。
 
日本の商社をはじめとした再生可能エネルギーへの投資家たちは、日本国内だけではなく、海外も含め、貪欲に投資をまき散らしているように思うのだが、将来的なエネルギー安保やエネルギー自給のことを考えると、当座の採算性の課題はあろうが、国策的に国内向けの投資を最優先すべきだろうと思うのだが、いかがか。

105円のHDDケース

デスクトップを小型化したので裸のHDDが幾つか出現したので、安価なHDDケースを物色した。あちこちネットで調べてみるとどうやら百均のハガキケースがサイズが合うらしい。
ということで購入したのがこれ。100枚収納できるケース


HDDを入れてみると、こんな風。
使えそうであります。


2013年1月12日土曜日

Gメールを使った書類管理

niftyのBizmashの記事
Gmailだけで書類管理ツールに! 新規作成・下書きメールのラベル分け機能を活用
にメールを使ったファイル管理の方法が紹介されていて
パソコンからGmailにログインし、「作成」ボタンを押してメールの作成窓を開いた後、右下隅の「その他」のドロップダウンメニューを開くと「ラベル」という項目が見つかる。すでに使っているラベルを付けてもいいし、その場で新たなラベルを作成して付けることも可能だ。
作成中のメールに例えば「社内会議」「営業資料」などのラベルを付けた後、関連するPDF、Excel、Wordといった書類を添付ファイルとしてアップロードし、そのまま下書きとして保存してみよう。
後からラベルを検索し、任意の下書きを選択すれば再び最初の作成窓に戻ることができ、添付ファイルをダウンロードしたり、追加でアップロードしたりできる。
下書きをいわばフォルダー代わりにして、Gmailだけで簡単に書類を管理することができる。
とのこと
DropboxやSkydriveをはじめ、クラウドのストレージサービスがたくさんあるので、どこまで使うのかはわからないが、Gメールを普段使いのメールにしている人は、あれこれ切り替えをせずに利用できると思うし、社内のIT関係の制限で外部のクラウドサービスに接続が禁止されている人にも、簡易ファイル保管庫として便利かも。
残念ながら私の場合、職場のPCでは、外部のオンラインストレージはもとより、オンラインメールもアクセスできないないので、この恩恵にはあずかれないのですが・・

Kindleストアが日本でも利用トップになったらしい

niftyのBizmashによると、Kindleストアの利用が日本でもトップになったらしい。
 
 
これによると
 
Kindleストアの利用率は40%となり、他を圧倒した。2012年10月に日本でサービスを開始したばかりだが、短期間で多くの利用者を獲得した。
 
とのことだが、実はKindleに限らず紀伊国屋とかReaderも利用率を伸ばしたらしい。
 
唯一の例外がKoboらしく、記事によると
 
例外として4位の「楽天koboイーブックストア」は前回調査の8.5%から7.4%に減少した。インプレスR&Dは「息切れが感じられる」としている。電子ペーパー型の専用端末中心で、iPhone、iPad、Android端末向けのアプリ投入が遅れたことが影響したと分析している。
 
との分析でまったく同感。個人的にいえば、iPad、iPhone、Kobo touchを所有していて、残念ながらAmazonの端末は持っていないのだが、実は電子書籍を買うとなるとKindleを見ることが多くて、これは別にAmazonが大好きというわけではなく、いろいろなガジェット特に普段持ち歩いているiPhoneで読めるかどうかっていうのが大きい。
 
どことなく楽天さんの方向は、電子書籍を売るのが目的でガジェットは手段というAmazonの方向と違って、ガジェットを売ることが第一みたいな気がしているのだが、個人的にはそいつは方向違いでは、無料のKoboを配ってもYahooオークションが賑わうだけですぜ、と言いたい。
 
端末の性能を比るとKobo touchの場合はSDカードが使えるので、自炊した書籍を読むにはKindleより一利あると思っているので、ぜひKoboのiOS対応を急いで欲しいところではあるのだが・・。
 

2013年1月11日金曜日

Windows8でCanon MP500を使う

CanonのHPではWindows8のドライバは提供しないということで、最初、OSのアップグレードをした段階では、ドライバがないってな表示が出て動かなかったのだが、Windows7用のドライバを再インストールしたら、動きました。このあたりCanonのサポートに感謝。
 
しかし、WindowsはOSの切り替えの度に、各種のデバイスが使えるかどうかってなことがいつも問題になって、この辺が古くからWindowsを使っていると、OSアップグレードの障害になっているのは間違いない。
 
Appleの場合がどうかは寡聞にしてよくわからないが、いい加減、このデバイスの対応の問題は、サードパーティーの話だからと放っておかず、サードパーティーのメーカーに要請してほしいもの。
 
とりわけ、日本の場合、F社とかN社とかS社とか古いガジェットや周辺機器はドライバの提供をせずに切り捨てようという意気込みがありありというところばかりのような気がしているので、OSの普及を図る意味でも(昔のWindows独占の状態でもないように思うので・・・)古い機器でもドライバの提供はしっかりお願いしたいものなのだが・・。
 
Cliudがここまで普及してくるとOSに依存する部分っていうのはだんだん少なくなってくるのは間違いないので、この際indowsからAppleあるいはLinuxに全面切り替えしてやろうかしら、思ってさえいる、今日この頃なんである。

2013年1月10日木曜日

windows8ではScansnap fi-5110がつかえない

サービス保証期間が過ぎたとのことでドライバか提供されないみたい。PFUを始め国内メーカーは、この辺りはドライというか、なんか古いものの切捨てがひどい感じがする。メインマシンのOS切り替え は延期かな。

2013年1月6日日曜日

asus 1225BにWindows8をインストールした

電源ボタンが機能しなくなったり、とかなにかとトラブルの多いasus1225Bなのだが、フォルム的には気に入っているので、性懲りもなくWindows8のアップグレードをしてみた。
 
MicrosoftのWindows8のキャンペーンが1月末までなので、安いうちにね、というケチな根性もある。
 
インストール自体は、MSのページの指示に従って、アップグレードを検証するソフトを実行し、検査がすんだら、Pro版が3300円で
買えますよ、といったページが出るので、クレジットかPaypalで購入して、ダウンロード→インストールとほぼ自動的に進む。
 
インストールに要した時間は、現在のPCのアプリや設定を引き継ぐ形にして、2時間半から3時間ぐらいかな。
今のところ、使用できなくなったアプリもなく(もっとも、Acrobat6などVistaから使えなくなったアプリはXP互換モードで動かしているから、基本的にはデフォルトでは使えない状態を無理やり使っているところなのだが)
 
で、効果は、というとメモリの使用環境が改善されたという売り込みのせいなのか、起動とシャットダウンが早くなったような気がする。さらには、アプリの起動も若干早めになったような気もするような、しないような。
もともとネットブックに毛の生えたような非力なマシンなのであまり期待してはいけないのだが、まあまあ使える状態ではある。
 
ただ、難があって、タッチパネルに対応していないせいなのか設定がいけないのか、最初のスタート画面のタイルが地図以外は動かないんですよね~。基本的には従来ながらのデスクトップで使用しているので支障はないといえばないのだが、動かない機能があるというは、なんとも気にかかる状態ではある。
 
まあ、あちこち彷徨って原因を探すとしましょうか。
 
 

2013年1月5日土曜日

地域課題へのオープン・システム開発の応用はできないか

 
日本の開発会社はオープン化という発想に弱いから、だいたいがクローズ化して、独占化しようという意識に向かってしまう。結果的に正のスパイラルを起こせず、孤立していく。これはゲーム産業のみならず、いまの日本を象徴するような話だと思います。
 
と論じられているが、至言。
 
個人的には、かってPC○○シリーズで我が世の春を謳歌していたN社とか、液晶ディスプレイでブイブイいわせていたS社とかが思い浮かぶ。
 
まあ、企業体であれば、独占へ向かうのは企業の行動原理としてやむをえないのだろうが、行政体の場合の意志決定プロセスも、独占的にどこかの機関が意志決定をしてしまう構造になることが多い。一頃の「地域間競争」という名のもとに、狭い地域で資源を食いつぶすような競争を繰り広げるのも、そういったことか。
 
国家的な機密を取り扱う場合は、国家同士のぶつかり合いがあるからなんともいえないのだが、地域振興といった側面では、できるだけオープン構造にして、地域の関係者がよってたかって問題を解決していく、というようなシステムができないものかと思う。
 
たとえば、Linuxなどのオープンシステムで、コードをよってたかって仕上げていくように、地域の心ある人たちが互いにフラットな形で課題を語り、解決策を仕上げていくようなプラットフォームが出来れば、よほど効率よく進むのではないかと思うのである。
 
 
問題は、そうしたフラットなプラットフォームをどうつくるか、なのだが、この際、Linux開発よろしく、参加自由にして、こんな問題解決しろ、っと参加メンバーに期限を決めて投げ出してみて、良さげであればやってみる、バグでればそこで直す、といったゆる~いやり方でやってみる、というのもどうかしら。

2013年1月4日金曜日

Elecom TK-FBP013のiPadの漢字変換キー

毎日ノートPCを持ち歩くのも嵩張るので、少し身軽なモバイル環境を目指してみることにした。
 
長期の出張など手元に全くPC環境がない場合は、ノートPCを持ち歩くとして、短期の出張や業務用のPCがあるデスクワークの日は、iPadとiPhoneだけでやれないか試してみる。
ただ、iPadだけでは、やはり入力環境がネックになるので、しばらく使っていなかったElecomのTK-FBP013を引っ張り出してきて使っている。使い始めて、windowsの漢字と英数字の切り替えキー(半角/全角キー)がお決まりのように使えないので、早速ハマる。
 
なんのことはない「無変換」キーで英数字入力に、「変換」キーでひらがな入力になる。
 
その他、キーボードの表示と出てくる文字が違っているものについてはElecomのこちらのサイトで紹介されている。
 

2013年1月3日木曜日

日本、とりわけ地方の仕事の場はどうなるのか

J-castニュースの会社ウォッチの「月給1万人のカンボジア人が「日本語入力」 日本人に残された仕事はあるのか」という記事で

今回、カンボジアで衝撃的な光景を見ました。10年前に日本人のアルバイトがやっていた文字データ入力の仕事を、カンボジア人が行っていたのです。

日本語が分かる人は少ないのに、なぜそれが可能なのか。それは、マウスでできる画像データの修正と、アルファベットの入力作業のみ行っているからです。その作業が終わると、次工程の中国やタイにデータを飛ばしていました。

日本人がインターネットで送った元データを、カンボジア人が一次加工し、中国人やタイ人が完成データにして日本の顧客に戻してくる。データの移動コストは、金額・時間共にほぼゼロです。

を読んで、これから日本の若者の就職環境というか労働環境は、普通の子達にとってますます厳しくなり、、2極化を迎えるのか・・。

特に都会地で企画的な業務は多くあるだろうが、地方部ではなーとちょっと暗澹となっていたら、さらに追い打ちをかけてGigazineの「Amazonが買収した倉庫ロボットの自動システムが一体どれほどスゴイのかよくわかるムービー」という記事で

Amazonが買収したKiva Systems社の倉庫内を自動で動き回るネットワークロボットの動く様子がYouTubeにアップされています。ロボットにはカメラとリアルタイム画像処理システムが搭載してあり、物流センター内を自律的に動く様子は、まるでSF映画を見ているようです。このシステムの導入によって、近い将来、Amazonの倉庫における作業のほとんどがロボットに置き換わってしまうかも知れません。

のあたりを読んでさらに暗澹としてきた。これによるとロボットによる倉庫作業は空調や照明も不用なので、人間を使うよりかなりのコスト削減になるのだそう。

どうやら、今までの工場という労働集約的な労働の場が、海外へ移転するだけでなく、「日本語」といういわば閉鎖された言語環境に依存した仕事ですら海外にいってしまうのかー、と「仕事をするのにオフィスはいらない」で書かれていたアメリカの子供の家庭教師をインドの人がやるっていうような環境が、もう現実になってきてしまっているんだよね、と痛感した次第。以前、コールセンター機能を中国の大連あたりに移すのが流行ったことがあったが、どうやら、それ以上に仕事の中の総務的、あるいは日本語環境を使う仕事が海外流出しているのだろう。

となると、日本、とりわけ地方部の仕事の量が細っていく一方なのは避けようもなく、どうも、今までの仕事観というか、就労の場のあり方を根本から考え直さないと、地方部の労働環境の厳しさは解決しないのではないか、と思い始めている。つまり、企画立案的な仕事は、様々な環境から都会地において消費されるだろうから、地方部においては、もっと地面というか、その地ならではのもの、あるいは現地性の強いもので雇用を創っていかないといけないのでは、ということである。

ただ、それが観光とか農林漁業では今まで、うまい具合にいっているところは限られているのは間違いなくて・・・。
うーむ、というところなのである。誰か妙案はないものか。

2013年1月2日水曜日

井川香四郎「ホトガラ彦馬 写真探偵開花帳」(講談社文庫)

時は明治初期。警視庁に、写真家の上野彦馬と富重利平が川路大警視を訪ねてやってくるところから始まる歴史ミステリー。時代背景としては、西郷隆盛が征韓論争に破れ、下野したあたりから、江藤新平が佐賀の乱を起こし制圧されるあたりまでにところ。

構成は

第1話 証拠写真
第2話 西郷の顔
第3話 青い血痕
第4話 幻影都市

となっているが短編集ではなく、謎解きはそれぞれにあるものの連続した中編である。

ざっくりとした紹介をすると

第1話は、牛鍋屋の近くで女装した男が短銃で撃ち殺される事件。この男というのが、幕末の官軍の一派、赤報隊の生き残りとわかって・・・、といった話

第2話では福地桜痴こと福地源一郎登場。彦馬とこの小説の一連の事件の黒幕らしきものとの仲介役をつとめることになる。一連の事件とは、なぜか西郷隆盛の写った写真が狙われているというもの。

第3話は、彦馬と旧知の写真家内田九一の写真館に勤めている女が、海岸へりで死んでいる事件。自殺か他殺かでまず揉めて、明治の法医学をオランダおいねが披瀝する。このあたりでそろそろ一連の事件の黒幕の明治の元勲が姿を現す。

第4話で、彦馬が東京にやってきた理由が明らかになる。第1話では日本で鑑識捜査を確立するため川路から呼ばれたことになっていたのだが、実は西郷との・・・
といった感じ。

殺人事件の謎解きと平行して、西郷は病弱で、実は影武者がいて、なんと、幕末の時も・・・てなことが途中で明らかになってくるのだが、ここでは詳述しない。本書を読んでのお楽しみとしておこうか。

明治といっても、大久保利通や伊藤博文の専制がまだ始まらず、国としてまだ定まっていない頃のことで、そうした時代特有のわさわさした感じやどこか力が流れ込む先を探しているような脈動の時代感覚がいい味付けになっている。いったいに、日清・日露戦争に至るまでの明治というのは、歴史・時代小説にしろ時代ミステリーにしろ、もっと書かれていい面白い時代であるように思っているのだが、どうだろうか。

そういった意味で、このミステリー、筋立ての乱暴さはちょっと感じるのだが、明治初期の勢いが感じられて、それなりに愉しめた。これも、明治の頃は化学に精通した最先端科学者である"写真"の第一人者の"上野彦馬"というキャラクターを造形できた筆者の腕というものか。

大仰な本格・謎解きを期待してはいけないが、幕末好きは、幕末の後に続く"明治"ということで読んでみてはどうだろうか。

2013年1月1日火曜日

あけましておめでとうございます。

新年のちょっとした宴会も終わったので、ここらで今年の初エントリー。
 
昨年は、3月まで、業績が落ちてきていたところの再生プロジェクト的な仕事に携わっていて、なんとかメドが立ったと思ったところで、全くいままで未経験の分野の責任者としてマネジメントする仕事に放り込まれたせいか、正直のところ暗中模索状態で、ブログも更新はしているのだが、気の入りきった状態ではなかった。
 
 
今年も今携わっている仕事の量や忙しさは変わるどころか増える一方とは思うのだが、ここらで、「ブログによって表現活動をする」という行為の順位を上げたいと思っている。できれば、生計を立てている仕事の次ぐらいの順位まで。
 
さらに、ブログの内容は、書評を中心として、PC周辺の話やガジェットの話が多くはなるだろうが、今まで読んだり、仕事の上で学んできた、業務改革やマネジメント、あるいは仕事の能率を上げるちょっとした小技にも、守備範囲を広げていけたら、と思っている。
 
 
一応、定年のある、まあ安定したといえる仕事に就いているのだが、自らのこれまでを振り返って、年齢を重ね、もう少し「表現」というか自分なりの主張していく生活してもいいのではないかな、と、今年、仕事場が変わったり、家族が手術を受けたり、といった変則的な事態があったせいか、そういう思いが強くなってきているのである。
 
 
まあ、なにはともあれ、今年一年、引き続き、皆様、よろしくお願いします。