2011年7月31日日曜日

宮部みゆき 「孤宿の人」(新潮文庫)

江戸の萬屋という建具商の若旦那が女中に手をつけた娘として生まれた「ほう」は、四国の金比羅さんに萬屋の災厄を払うために代参にやられる。ところが、おつきの女中に金を持ち逃げされ、捨てられるように、四国の丸海藩の城下に放り出されるあたりから、この物語は始まる。

この「ほう」が、井上家という、丸海藩の藩医の家に拾われるが、その家の娘 琴江が、どういう理由か、物頭の娘、美祢に毒殺される。ところが、藩は、琴江の死を病として処理する。
そのうち、この丸海藩に、江戸で幕臣で、妻子を手にかけ、同僚を殺した悪鬼のような「加賀殿」がお預けになることがわかる。琴江の死は、彼が丸海に災厄をもたらす前兆なのか、といった感じで、展開していく。

構成は

文庫の上巻が

海うさぎ/波の下/鬼来る/闇は流れる/孤独の死/涸滝の影/遠い声/死の影

下巻が

闇に棲む者/黒い風/山鳴り/深流/騒乱/丸海の海

となっているのだが、こうした表題をみただけでは何のことやらわからないので、
その後を、粗く流すと、井上の家から、町の御用聞きの親分の厄介になった「ほう」は、井上家と藩の計らいで、流人の加賀殿の女中として仕えることになる。そして、彼女が、加賀殿に仕えると同時に、世話になっていた御用聞きの親分が子供の不始末で一家全員が処刑され、「ほう」が馴染んでいた、加賀殿の世話をしていた若い武士も詰め腹を切らされ、そして、城下全体に落雷や流行り病やらの災厄が降りかかる。
そして、その終結として・・・
ってな感じで進むのだが、詳細は本書でご堪能いただきたい。


かなり、というか筋立て自体は、暗い出来事というか、人が死んだり裏切りがあったりという話なのだが、なんとなく、陽の差すような感じがするのは、「ほう」の人を信じる「明るさ」ゆえなのだろうか。御用聞きの手下の「おあんさん」についていく姿、加賀殿に手習いや字を教わるひたむきな姿に、彼女が時流を素直に受け止めながら、流されるようで流されない、彼女の巣阿多が、この話を支えている。この丸海藩が、加賀殿という媒体を使いながら、自らを浄化していくために、彼女の「素直な目」が重要な要素となっているようにさえ思う。

では、この話の最後を臆面もなく引用して、このレビューを終わりにしよう。スコンとした明るさが感じられたなんとなくいいところだ。

では

 ほうは駆けていく。息をはずませ、白い菊を三本手にして、坂道を登っていくほどに、青空が近くなり、足元に町の眺めが開けていく。風がほうのほっぺたを撫でる。
 登りきると、空を押し上げ、いきなり海がいっぱいに開ける。
 おあんさんの海だ。
 ほうは足を止め、丸海の潮風を吸い込む。そしてくるりと踵を返し、背中を伸ばして、涸滝のお屋敷があったあの森の眺めへと顔を向ける。
「加賀様、おはようございます」
 ぺこりと頭を下げて、ご挨拶する。そしてまた走り出す。おあんさんのお墓は、いちばん海に近いところにあるのだ。うん、ほうもそう思う。おあんさんはきっと、この場所が気に入っているよ。
「おあんさん、おはようございます」
 走りながら呼びかける。ほうは元気で、今日も一日しっかり働きます。

斉藤 孝 「斉藤孝の速読術」(筑摩書房)

タイトルは「速読術」となっているが、テクニカルな速読の技について書かれた本ではなくて、1冊の本あるいは、一人の著者を、いかに手早く分解し、理解し、いかに手早く、自らが使える「概念」や「考え方」を引っ張りだすか、の心構えを中心に書かれた本と思って読んだ本がいいだろう。
「概念」や「考え方」をいかに見つけ、自分のものにするかという観点なので、本を"汚す"ことは当たり前で、おまけに、本を頭から最後まで精読することも必須ではない。そういった意味で、"書物"を崇高なものとして扱うのではなく、あくまで、情報、思想の塊として扱い、そのエッセンスの抽出をどうするか、について書かれているで、そこらの読書論と違い、一種小気味がいい。

構成は

第1講 何をどこまでめざせばいいのか

速読・多読できる技術を磨くと理解力が速くなる/本を読んだときの理解力は3段階に分かれる/「速読力」があれば、相手に対して優位に立てる/Aレベルの理解力に達するには"逆算式読書法"が一番/期間限定、場所限定で本を読む/最終的には使える概念をゲットすることが目標/本を読むことは「視点移動」である/気づきのあるコミュニケーションに到達するには/三色ボールペンは"視点移動ボールペン"だった




第2講 勇気をもって飛ばし読み

2割読んで8割理解する「二割読書法」/タイトル、帯からテーマを推測する/話が変化するところに注目する/違和感と共感の"身体感覚"を手がかりにする/著者に憑依して読むとポイントがかぎわけられる/"ルーペ感覚"を持って、読み解いていく/「引用ベスト3方式」が"ルーペ感覚"を鍛える

第3講 誰でも今すぐできる速読術

"a book"ではなく"books"という考え方/「~流」というスタイルで読め/本は汚しながら読むと「場所記憶」が活用できる/キーワードを飛び石にして理解する/ヘリコプターで荷物を拾っていく感覚で読む/いい引用文を見つけるという観点で読む/書店、図書館を代行のトレーニングジムに変える/基本書を決め、その目次をマップする/同時並行で読み、読めないリスクを分散させる/本を紹介してくれる頭のいい人を身近に配置する

第4講 速読上級者用プログラム

"左手めくり"と"目のたすきトレーニング"/単語の"樹系図"で「推測力」を鍛える/小説は「つっこみ」をいれながら読むことが大切/小説の醍醐味をB4版1枚の紙にまとめる/評論は"仮想敵国"は何かを考えながら読む/バーチャル著者対談のすすめ/外国語の本の「速読・多読」は音読から始める

第5講 速読を生活にうまく組み込んでいく方法

文章が頭に入らないときは「速音読」で脳の分割利用を促す/著者の講演会に行ったり、朗読を聞く/本を読む時間をつくり出す逆転の発想/TPOにわけて読むのが同時並行読みのコツ/初心者のうちは金に糸目をつけない/集中力を鍛えるための"1行読み"トレーニング/本を読むことと呼吸法をセットにする/読んでも疲れない「密息」と「アレクサンダー・テクニーク」/本を雑誌化して読んでしまう方法/難しい本を読むには抽象用語や概念に慣れる

いざ速読の実践に向かうみなさんへ

となっていて、この筆者の本らしく、丁寧な目次になっているので、これを見ただけでも、どんなことが主に主張されようとしているかは解るのだが、あえて、個人的に印象に残ったフレーズを列記すれば

・読む締め切りを設定するには「買った日その日に読み終えてしまう」か「読書会を設定する」こと
・本を読むことは視点移動だから、著者の側、登場人物に視点を移動して、新しい見方や概念を吸収したほうが得
・「速読・多読」するには、常に本に囲まれている環境をつくっておく
・自分のために、本1冊につき引用文を必ず一文選ぶクセをつける
・キーワードを飛び石にして読んでいく。場合によっては、キーワードに丸をつけていって、それで1回読んだことにする
・5冊、10冊と同じ著者のものを読んでいって、その人の切り口を自分のものにして応用する
・その著者の他の本、あるいはその著者がテーマにしている事柄に関する本を一緒に読む

といったあたり

一冊の本を精読することを主義としておられる人には、ちょっと受け入れがたいところもあるかもしれないが、けして、著者も「速読・多読」を薦めているが、「熟読」をしてはいけないとはいっていない。むしろ、より多くの本を「速読・多読」しておいて、お気に入りのものは腰をすえて「熟読」する、あるいは「何度も読む」というのが筆者の主眼ではなかろうか。

2011年7月30日土曜日

斉藤 孝 「15分あれば喫茶店(カフェ)に入りなさい」(幻冬舎)

2010年9月の発行なので、最近の朝活、ノマド、キャリアアップといったトレンドをほどよく消化させた1冊といっていい。

といっても、斉藤先生の著作であるから、あれこれのテクニカルな技術を紹介した本ではなく、こうしたトレンドを踏まえながら、アウトプットをいかに効率よく、隙間なくなっていくかをアジテートする本である。
当然、「喫茶店」という場所を使って、いかに効果的にアウトプットするか、アウトプットできない環境(タバコがすごい、とか、周りの話し声が煩い、とか)の場合に効率的にインプットに切り替えるにはどうするかといった手法が語られているのは間違いないのだが、基本は。「喫茶店」という仕事場と家との中間点をつかって、どうやってアウトプットの量と質を高めるかが語られている本といっていいだろう。

構成は



第1章 「喫茶店タクティクス」入門

喫茶店は「アイデア生産」の場/喫茶店で「垂直思考」のクセをつける/喫茶店でインターネット依存から脱却する/喫茶店で自分を鍛え上げる/「15分」は仕事をするのに十分/「喫茶店タクティクス」の7つ道具/ストップウォッチは現代人の必需品/ストップウオッチのスイッチを押すと仕事は終わる/ストップウオッチで時間感覚を研ぎ澄ます/30分単位でモードを変える/仕事の「引継ぎ」は喫茶手で/「アウトプット」をイメージして「インプット」する/小道具の持込は最低限に/喫茶店では「メンタル・コンディショニング」を/喫茶店では「感想ノート」をつけよう/喫茶店で「雑談」のネタを仕込む/雑用をためて「セット」をつくる

第2章 みんな喫茶店で勉強して賢くなった

掘り下げて語りやすい場/喫茶店のライブ感が頭を刺激する/喫茶店で生まれた「シェイクスピア全集」/ノーベル賞級の思考も喫茶店が生んだ/喫茶店で本を「冷凍処置」する/喫茶店を「教会化」する/心をニュートラルにして吸収する/喫茶店が「英会話教室」になる/喫茶店では「大人の勉強」を/喫茶店二人会議/大人こそ「教科書と参考書」を使って予習を/喫茶店で自己客観視する/「懸案事項」が多い人は仕事ができる/懸案事項リストをつくる/懸案フックを増やす/「悩み」を「懸案フック」に解体する/「相談事」をつねに用意する/相談事は喫茶店で/喫茶店は「中間的な場所」である

第3章 タイプ別「喫茶店」利用法

喫茶店の意味が変わった/喫茶店は文化のバロメーター/スターバックスは「大人の勉強」に向いている/始業前の1時間を有効活用/私の好きな喫茶店/コーナー席を狙え/喫茶店の椅子にどう座るか/時間帯によって店を変える/マスターとの距離感/「マンガ喫茶」にはご用心/「元をトラナキャ感」が集中力を高める/電車のなかも「喫茶店化」する/新幹線と空港の「喫茶店化」/トイレや風呂も「勉強空間」に/主婦は喫茶店で自分だけの時間を/喫茶店は素手で相手に立ち向かう場所/深夜ノファミレスで人生を学ぶ/もっと「カフェ・ライブラリー」を/「自由人の空気」のある場所へ

となっていて、あちこちに「喫茶店」でないところが登場することから考えてても、「喫茶店(カフェ)」というのは物理的な場所だけを意味しているのではなくて、アウトプットに最適な場所をどうつくり、確保していくかがこの本の焦点ではないかと思う(もっとも、物理的な「喫茶店」が、そうした理想的なアウトプットとして構成するのに一番楽であろうことに間違いないのだがね)。

そして、その要点は
・人目に適度にさらされていること
・時間が限られていること
・(その場所を使うのに)お金を払っていること
といったところにあると読んだ。

読みやすく、短時間で読める本であるので、通常の仕事のやり方に飽きたときに、さらさらと読んで、活気を取り戻すに良い本であろう。

最後に筆者の「喫茶店タクティクス」の7つ道具に挙げているのは

手帳、クリアファイル、三色ボールペン、A4用紙、ノート、電子辞書、ストップウォッチ

の7つ。スマホやノートPCが入っていないのは、こうしたデジモノ系があまりお好きでないと見受ける筆者ならではだが、クリアファイルとかストップウォッチは、デジモノ派もマネしてみてもいいかなと思ったアイテム。使い方は、本書の中で確認してほしい。

2011年7月27日水曜日

まずは応援 「小中学生、タブレット端末で"授業" 茨城で4年後から」

ASCII.jpの記事によると

 茨城県つくば市と筑波大学は、産学官連携プロジェクト「つくば2015:つくばが変わる、日本を変える」を開始した。
  (中略)
 具体的には、市内の小中学校全53校でインテルの授業プログラム「Intel Teach」を導入。授業にはタブレット端末を使用し、理科室や体育館など、校内で自由にネットワークに接続できる環境を構築していきたいという。

 ということで、お隣、韓国の「スマート教育推進戦略」の規模には敵わないにしても、デジタル化の流れが、小・中学校から始まることは喜ばしいことだと思う。

 教育のデジタル化については、経費の面もさることながら、私の感覚では、妙なアナログ志向が障害になっていることが多いと思っているので、子供の頃から、こうしたガジェットにまず慣れるところから始めるべきだと思うし、家庭の経済環境に関係ない、基礎的な教育環境として整備べきだと思う。

 なんにせよ、20年後、30年後、デジタルへの対応の面で、確実に国民的な素養、技量として、韓国と大きな差をつけられているであろうことが予測される中、こうした取り組みが
一地域だけではなく、全国的に広がって欲しいし、国も、こうしたあたりは仕分けだなんだといってないで投資をすべきではないだろうか。

2011年7月26日火曜日

速読術のコツ

原尻淳一氏の「READING HACKS」に出ていた速読術のコツ
速読術のポイントは、「高速で何度も眼を通すこと」
そのためには「キーワードの発掘」と「高速繰り返し読書」が必要で、そのテクニックとして紹介されているのが

①目次読書で本の構造と要点をつかんでおく

②ポストイットで本に杭をうつ
 齋藤孝さんの3色ボールペンよろしく、3色のポストイットを使う。色の使い分けは
  赤・・・著者が強調したい箇所。しっかも、それが教訓として位置づけられる部分
  青・・・自分の課題に対応しているところ、さらに自分のビジネスにも使えそうなヒントとなる部分
  黄色・・・文章表現として、大変参考になる箇所。自分自身が表現する上で土地入れたい文章のカマエとハコビ
 というのが筆者の場合。このあたりは、それぞれが応用する範囲かと。

③見出しで「気になるキーワード」の見当をつけておき、太字ゴシック部分を読む

④短時間で本のポイントをつかむため、スキャニング、スキミングなどの技術を積極的に活用
 ・スキャニング(検索読み)・・・目標とする情報に狙いを絞って本を検索していく方法
 ・スキミング(飛ばし読み)・・・本全体にざっと眼を通し、その本の内容を簡単に把握する
 ・インデックス・リーディング・・・本にある索引をじっくり読んで、必要な言葉、面白そうな箇所を選んで読んでいくやり方
                                                (ピンポイント・スキャニング)


「重要なのは目的意識。何を捨てるかが大事」だそうである。
読書好きなら、一度は夢見るのが「速読」だろう。
私も、いくつかの速読術の教習本やらを買ってチャレンジしてみるが、挫折してしまった経験が数多くある。

アクロバット的な速度術ではなく、こうした「速読」のテクニックの方がなんぼか役に立つと思うがいかがだろう。
 

2011年7月24日日曜日

朝活の目的 「仕事を効率化する」

PRESIDENT 2011.8.11号 「朝礼のヒント スペシャル」のカレーのココイチの創業者で、現在はクラシック音楽ホール「宗次ホール」の代表者 宗次徳二氏のインタビューから引用
 
仕事は効率だという人がいるが、仕事の内容を短時間で効率的にすることはできない。
時間をかけて、自分で考えながら、次第によくなっていくのが仕事。
 
つまり効率化するには時間がかかる。
そして朝早く起きるとは、自分で自分の時間を作り出すこと。
仕事を効率よくするには、朝早く起きて時間をつくならないといけない
 
 
朝活で何をやろうかというより、朝早く起きて、自分の時間をなんとかたくさんつくろう、という意思が大事、ということかな。 

「なぜ、なぜ」で正しい答えを導き出すコツ

ビジネス上やプライベート上の課題を解決するため、「なぜ、なぜ」を繰り返して、その根本的な原因を探る、というのは、「トヨタ式」をはじめ、様々な課題解決のメソッドで言われるところなのだが、いざ実際にやると、堂々巡りに陥って、うまくいかないことがあるもの。プレジデントロイターの社長の仕事術 雪国まいたけ社長 大平喜信氏の「一家心中を覚悟した途端、怖いものがなくなった」に出ていたコツ。
 
同社で、折角集めたのに、ちゃんと働いてくれないパートタイマーの人を働いてもらうよう考えたときや、パートの時給をあげたら、近隣の企業からネガティブ・キャンペーンを張られて村内のパートさんが全部辞めてしまったときの対処策が「相手の立場にたって、「なぜ、なぜ」と考えること」
 
「相手の立場に立って」というところがミソで、前者は、パートさんの「働いてやっている」という意識をなくすため時給をあげることであり、後者は、パートの村民が勤めていて誇りになる、あるいは自慢できる社員サービスをやることが解決手段であったとのこと。
 
「なぜ、なぜ」の問題解決をしていると、つい、こちら側から、なぜ出来ないんだろう、どうしたらやらせるんだろう、という視点になりがちなのだが、相手側にたって、なぜやりたくないんだろう、と考えることが、「なぜ、なぜ」の問題解決で大事なところかも。

2011年7月23日土曜日

村上もとか 「JIN-仁ー」(集英社文庫)全13巻 読了

テレビドラマでもおなじみの「JIN-仁ー」を読了した。
今更ながらの筋立ては、現代(2000年)の脳外科医が、身元不明の患者と病院内でもみ合っているうちに転落し、幕末の江戸時代へタイムスリップ。
そこで、旗本の橘家の厄介になりながら、医院を開き、そのうち、坂本龍馬や勝海舟、西郷隆盛、さらには和宮や徳川慶喜などなどの幕末を動かしていた人物たちと知り合いになり、そして・・・、てな感じの、乱暴な表現でいえば、幕末医療大アクションものといっていいのだが、その本質は、現代の遅すぎた青年(なにせ、南方仁先生は30代の後半、40歳になろうかという歳だ)の、江戸時代を舞台にした自らの居場所を見つけ出す成長物語といったところにあると思っている。
医師の腕は立つが、なんとなく心もとない感じのする彼が、橘咲に出会い、幕末の傑物たちと出会う中で、医術を通じて、彼も、時代に影響を及ぼし、時代を回転させていく姿は、一種の爽快感を与えるのである。
そして、こうしたタイムスリップものの最大の課題は、タイムスリップに伴う過去の変更といったことを、どう処理して物語を閉じるか、といったところなのだが、その点も、この「JIN-仁ー」は、余韻のある、巧い処理をしており、筆者の手腕はさすがというべき。
タイムスリップものといえば、SF小説では、かなり書かれているネタで、ハインラインの「夏の扉」や、日本では半村良の「戦国自衛隊」など秀作といっていいものが数多く書かれているのだが、この「JIN-仁ー」も、その一つにリストアップしてよいのではなかろうか。

2011年7月22日金曜日

職場内ぶらぶら散歩

シゴタノ!の「世代の壁を乗り越え、共に働くための技術」の第6回目のコラムに出ていた職場活性化のためのアイデア

どんなものかというと

隙間の時間を見つけてはフロア内をぶらぶらし、仕事が一段落する夜の時間には必ず自分の担当するフロアをぐるっと散歩してから帰ります。
ただ散歩するだけではなく、「どうだ?」「今日は何か面白いことはあったか?」といったように若手の顔を確認して、声をかけながら回っていきます。
余裕がありそうなメンバーを見つければ隣に腰をかけて雑談をします。忙しそうなら肩を叩いて「その調子でがんばれよ」と声をかけていきます。

というもので、かなりお手軽な内容ではある。

ただ、このコラムでも言われていたが、職場を活性化するためのアイデアでよく言われるのが、「トップのメッセージ」や「懇親会」「若手プロジェクト発足」といった(私のような古い世代には、これに運動会とかスポーツ大会とかが追加されてしまううんですがね)、目的は良いのだが、いざやってみると、結局は職場の人間関係をそのままオフに持ち込んでしまったり、仕事と同じような成果を求めてしまったりで、どうもしっくりいかないことが多い。

こうした、なんにせよ職場の上下関係が強く意識されるものが多い中で、「ぶらぶら散歩」はその気配が薄いところがなんとなくよさそう。

こうした肩肘張らないやり方ってのが、実は本筋なのかもしれないですね。

2011年7月21日木曜日

なんと、今の職場ではイーモバがつながらない・・・

先だって、光ポータブルのSIMをイーモバに変えたのだが、なんと、今の職場ではつながらないことが判明・・・。
 
以前の職場ではばりばりつながっていたし、イーモバのサイトを見ると、ぎりぎりエリア内だったので、安心していたのだが・・
どうやら、光ポータブルは完全に出張か外回り用になりそうである。
 
まあ、もともとその目的で導入したので、目的どおりでしょ、というわれればそれまでなのと、職場によっては個人PCやタブレットは持ち込み禁止のところもあるので、贅沢はいえないのだが・・・。

2011年7月16日土曜日

光ポータブルのSIMをイーモバに変えた

今までb-mobile U300のSIMを使っていたのだが、PCを接続したときなどの遅さに不満が出て、イーモバに切り替えた。

最近、職場での仕事の際もiPadを利用していて、簡単な資料は、iPadのGoodreaderで見たり、Evernoteでメモや記録を確認したり、DropBoxやSugersyncのファイルを確認したりといったことが日常化してしまったのと、Pogoplugの利用を始めたので、家のファイル閲覧もiPadを使ってちょくちょくやりようになったせいで、不満がだんだんと積もり積もったという按配だ。
 
プランは光LINKSなど向けに作られたと思われる昼割りプラン。(料金は定額で2500円足らず)

まあ、もともと光ポータブル自体が、NTTの光フレッツの加入者向けのレンタルのものなので、夜の利用は、出張中に限られるのだが、1日以上の出張の場合はPCを持ち歩くのが通例なので、たいがいホテルの有線LANで対応ができるんじゃないかな、と切り替えた次第。
 
使ってみるとさすがにb-mobile U300より早く快適である。もちろんWimaxには及びもつかないが、まあ日常利用には差し支えない。
 
しばらくは、iPhone+iPad+光ポータブルが、仕事の大事なサポーターになりそうである。

2011年7月11日月曜日

上田 渉「ノマド出張仕事術」(実業之日本社)

「ノマド」という働き方、暮らし方についてざっくりとした知識と実践法を知るためのまず、最初に手に取る本的な性格の本だ。

といっても紹介されているネタは、けして理論一辺倒のものではなく、筆者が実践している便利なTips的なものも随所にある。とりわけ、ノマドを実行する場合には、新幹線にどの型式がオススメで、しかも座席の位置は、といったあたりや、新幹線や飛行機の座席テーブル上PCや携帯などのセットアップの仕方とか、出張中の仕事のマネジメントの方法などなど、ノマド的な仕事をすでにやってい人にも参考になることは多いだろう。

巻末のノマドのためのガジェットは変化が著しい昨今なので、参考ぐらいに考えておいた方がいいだろう。

全体的に言えば、ノマドやクラウドにちょっと興味があって、そろそろやってみようかな、と思っている人にオススメの入門書であるが、ノマド実践者も復習の意味で一読しても損はない一冊である。

2011年7月8日金曜日

あらかわ菜美 「「ワタシ時間」をつくる時間簿のすすめ」(講談社)

もともとは主婦のための時間の有効活用の方策の提案本として書かれているものだが、サラリーマンにも応用できるものは多いと思う。
というのが、筆者が「主婦の時間は特殊」といっているのが

①主婦の1日は「ながら時間」で構成されている ②主婦は年中無休 ③時間に制限はないが、時間に拘束されることも多い ④やることが日替わりメニュー ⑤季節ごとの行事に左右される ⑥天候に左右される ⑦細切れ仕事が多く、すき間時間ができる ⑧途中割り込みに邪魔される ⑨家族構成・家族の性格・家庭環境に左右される

といったことなのだが、「クライアント」とか「上司」、「自分の会社」とかに言葉を置き換えれば、サラリーマンとの共通していることがいかに多いか。サラリーマンの方々にはわかるだろう。
しかも、この本の提案の主要は、いわゆるタイムテーブルを使って、自分の時間の使い方、自分の時間の泥棒のされ方、といったことを正確に把握すること、そして、それを形に落とし込んだ「時間簿」を使って、より自分の夢ややりたいことを押し込める時間を、どう作っていくかということにあることをみれば、いわゆる時間管理についての手法を唱えるビジネス本と同列に本書は読むべきなのだろう。

そうした目で見た場合、不定型な仕事が多くて、子供とかご近所とか、サラリーマンよりは時間を拘束してくるものが多い主婦の時間の作り方が提案されている本書は、時間の大切さを謳う時間管理の方というよりは、時間をいかに作っていくかというTipsをまとめた本といっていいかもしれない

構成は、次のとおり

1「時間簿」ってなあに?

お金は家計簿、時間は「時間簿」/主婦ってなんて大変なんだろう/主婦のためのタウン誌づくり/時間は公平に与えられていますか?/「主婦の時間」を目で見える形に/「時間簿」をつけるとわかること


2 時間使いの上手な人、下手な人

「主婦の時間」は特殊なものです/データから見た「世代別時間の悩み」/下手にもいろいろあります/時間使いの上手な人とは/チャートで診断、あなたの「時間の使い方」タイプは?

3「時間簿」活用のすすめ

時間は使わなくても減っていく/こんなにある「時間簿」のメリット/たった1日分でも「自分」がわかるー時間簿のつけ方/「時間簿」のチェックポイント/少し突っ込んでみましょう/「1週間の時間簿」を」つくる

4 実践!「時間簿」を使っていきいきらくらく

「ワタシ時間」の作り方1ー時間帯ごとに徹底解剖/「ワタシ時間」のつくり方2ー行動パターンを変える/他人の「時間簿」をのぞいてみましょう「タイプ別時間簿」とアドバイス/子育てや家事だけでは充実感がない/子育てをしながら勉強時間をつくる方法/子どものリズム、機嫌にあわせる/「時間簿」で理想的な生活パターンを発見/人生設計にもつながっていく/シニアと「時間簿」/介護に携わる方こそ「時間簿」を

5「ワタシ時間」をつくる50のヒント

1日をダラダラ流されないで過ごすヒント/時間を徹底的にムダにしないためのヒント/掃除・片付けの時間を短縮するヒント/「家族時間」を」つくるヒント/主婦が無理なく仕事をするためのヒント

急いで、ノウハウを、という人は、4章、5章あたりを重点的に読んでもいいかもしれない。

参謀になるための条件

新・企業参謀の条件  より

優秀な参謀になるための条件は

 ①歴史を知ること
 ②専門家であっても適度なアマチュア精神、柔らかい頭をもつこと
 ③既存のルールにとらわれない精神力を養うこと
 ④野心家ではないこと、地位にこだわらないこと。自分の知恵で大将と兵を動かし成果を上げることに喜びを感じること
 ⑤考え抜く力を磨くこと

さらに、参謀に必要な能力は

マーケティング能力、技術力、財務能力の3つの能力で、そのうち最低2つは兼ね備えていることが必要

とのこと。

 さらに、優秀な参謀をつくるには、リーダーの器次第リーダーの器が小さいと参謀の描くシナリオも小さくなってしまう。さらに変人の異才を"常識的な周囲の目"から庇護できるかどうか、参謀に任せる勇気が持てるかどうかにかかっている

とのこと。

 参謀になるのも精進が必要だが、使いこなすのも精進が必要なようである。

2011年7月6日水曜日

原尻淳一 「アイデアを形にして伝える技術」(講談社現在新書)

HACKシリーズで売り出しのマーケティング・プランナーの原尻氏による知的生産の技術を語る本。実践で数々のプロジェクトをこなしているプランナーの手によるものなので、インプット、アウトプット両面にわたって、より具体的な手法が提案されている。例えばインタビューの項目では、直接インタビューする必要性のみならず、フォーマルなインタビューとインフォーマルのインタビューの違いやコツとかメモやノートの取り方まで言及されているなど、理念だけなく、細かな実施上の留意点にまで及んでいるのが本書の特徴か。

個人的に、興味深かったのは、オウトプットにまだまだ不慣れなせいか、情報を集める技術論のあたり。読書の3段階ー「目次読書」「フラグを立てる」「熟読」といった読書法や、ウェブ上に本棚をつくるといった発想やブログを読書ノートにする提案など、おおこれは!と頷かされるものが多かった。

目次は次のとおりなので、興味ある方型は「目次読書」をしていただいてからご購入の検討を

はじめに

アイデアが溢れてくる仕組みをつくる/鶴見良行先生のデータベースに衝撃/中村尚司先生の「3つのヒント」/本書の構成

第1部 インプットの技術

第1章 「現場の情報」力

なぜ現場の情報が必要か/はじめに本をたくさん読んではいけない/「参与観察」で思い込みをなくす/直接ターゲット(当事者)に」話を聴く習慣/インタビューのコツ/メモとノートの取り方/「仮説を生み出す技術」/自ら情報触媒になる



第2章 情報を集める技術、読む技術

一次情報と二次情報/本を読むのは3段階で/連想検索で一気に情報収集/ウェブ上に書棚をつくる/世界中の講義やプレゼンをストックする/日本語検索+英語検索+画像検索/本の著書にアプローチする/統計データと論文情報/ツィッターで「アイデア・ブレーン」をフォロー

第3章 データベース構築とアイデア発想

「知的生産の技術」の基本思想/知的生産の基本概念/クラウドサービスを活用する/ブログは「読書カード」がわり/Evernoteにあらゆるデータを集約/DropBoxでチームの情報共有/Facebookをどう活用するか?/出会いとアイデア/アイデア発想の基礎概念/アウトプットへの準備がアイデア力を高める

第2部 アウトプットの技術

第4章 型の活用

ドラッカーの執筆術が教えてくれたこと/まず「型」の理解から/企画書の基本構造/レポートの基本構造/マンダラートを活用してツリー構造をつくる/3つの編集技術/データベースの活用とリライト

第5章 わかりやすく自分らしい文書術

書くための基本3原則/自分らしい表現のための「ルールづくり」

第6章 企画書を書く

「名作ファイル」をつくる/企画書の基礎項目/原尻版<企画書の基本項目>/ビジュアルを使えば効果は倍になる/カレーレシピで説得力トレーニング/自分らしさを演出する企画書を々つくるか

第7章 伝わるプレゼンテーション

プレゼンは「知的エンタテインメント」をめざすつもりで/事前準備でおさえる3要素(目的・ターゲット・制限時間)/スライドは「トップラインで紙芝居をつくる」/「緊張」を緩和する3つのテクニック/ビジュアル・コミュニケーションの威力/共感を呼ぶ「つかみ」とは/わたしのロールモデルの探し方/おわりに 個人がパワーを持つ時代

2011年7月4日月曜日

あらかわ菜美 「頭のいいポスト・イットの使い方 貼る技術」(祥伝社)

ポスト・イットを使って、収納・整理法から、ToDo、情報処理、果ては、生活改善や目標管理まで、かなり欲張った内容を提案している本。といっても内容的にはそんなに奇妙な提案がなされているわけではなくて、整理すべきものを分類したり、目指すモノを詳細に記録したり、目に付くところに貼って常に意識させたり、といった、いわゆる目標実現のため、あるいは効率的な業務処理のために、多くのビジネス本で述べられていることを、「非常に安価」なポスト・イットという文房具をアイテムに使うことを提案したところがミソだろう。
こうした手法は、ポスト・イットを使わなくても出来るのだろうが、やはり、安価なので躊躇なくメモできて、どこでも貼れ、貼り替えも簡単という、ポスト・イットならではの特徴が活かされているあたり、筆者の目のつけどころはさすが。

また、筆者の読者層が主婦が多いことを考えると、余計な機械などを使うことなく、手軽で安価というところも売りになっているのだろう。

目次は以下のとおり。


第1章 ポスト・イットで家の中をスッキリ

ポスト・イットで家の中の「モノ」と向き合う/ダイニングテーブルは片付けのスタート地点/ポスト・イットでモノを4つに分類する/ポスト・イットが貼られたモノを見る/着ない洋服をポスト・イットで整理する/押し入れの中をポスト・イットで整理する/ポスト・イットでなぜモノが減らせるのか

第2章 ポスト・イットで時間を上手に使う

ポスト・イットで時間簿をつくってみよう/ポスト・イットの時間簿を眺める/時間簿にポスト・イットが最適な理由/時間簿を見直すポイント/子育て中のママが「わたし時間」をつくる方法/ポスト・イットで、すき間時間を有効利用/ポスト・イットで、未来の時間簿を使う/ポスト・イットで、週刊簿をつくる/ポスト・イットで、家事カレンダーをつくる

第3章 ポスト・イットでお金が貯まる

ポスト・イットで買い物メモをつくる/ポスト・イットで洗剤類の量をチェック/ポスト・イットでお札を袋分け/ポスト・イットでお金の下ろしすぎを防ぐ/ポスト・イットで光熱費をカット/スーパーの情報は手帳に貼っておく/ポスト・イットでポイントカードの使い忘れを防ぐ

第4章 ポスト・イットでダイエット

見た目を大事にしな人は、人生を大事にしない人/ポスト・イットで、現実と向き合う/食べた時間を記録するだけで、太る現員がわかる/ポスト・イットだからやせられる/ダイエット時間簿のつけ方/ダイエット時間簿でわかった、行動パターンを修正する/ポスト・イットで、カロリーを把握する/運動のたけの運動は、続かない/「貼るだけダイエット」なら運動を続けられる/ポスト・イット1枚で意識改革をする

第5章 ポスト・イットで情報収集

ポスト・イットで手帳を使いやすく/ポスト・イットで毎日を楽しく/外出先でも便利なポスト・イット/ポスト・イットで雨の日リストをつくる/ポスト・イットで読書が深まる/ポスト・イットで外出をもっと楽しく/枕元にポスト・イットを/ぽすと・イットで忘れんぼ防止

第6章 ポスト・イットで夢をかなえる!

書くことで、夢に近づく/なぜ、書くと夢がかなうのか/ポスト・イットで、自分に自信をつける/ポスト・イットで、夢を見つける

2011年7月3日日曜日

あらかわ奈美 「出しっぱなし整理術」(PHP)

普通、整理術、収納術といえば、部屋に散乱しているモノをいかに分類し、しまい込むか、ついでに収納のためのグッズの紹介ってのが定番なのだが、本書は、「しまわない」「出しっぱなし」を謳う整理術の本だ。といっても乱雑なままで"出しっぱなし"を推奨しているわけではなく
・「よく使う物」と「使わない物」を分類すること
・「よく使う物」は目に入るところ、つかうのに便利な場所に居場所をつくること
・物の置き場所の固定観念を捨てること
といった風に、「モノを整理する」という概念を問い直す本といっていい。

2003年の出版なので、紙類の整理には、デジタル系の整理法が提案されていないあたりは、ガジェット好きの私としては少し不満の残るところだが、PCならまだしもスマートフォンやドキュメントスキャナーやNASを使った整理法は、取っつきにくいと感じている人も多いだろうから、こうした、アナログ的な整理法のほうが、むしろ一般にはなじみやすいかもしれない。本書の提案しているものの中には、若干「見た目」を犠牲にするものもあるので、そこらあたりを工夫すれば、さらに面白いかもしれない。

ただ、惜しむらくは、「捨てる」ということにはほとんど言及されていない。整理術の別の側面である「整理しなければならないモノをいかに減らすか」といった点は、別の本を読んで補強しておいた方がよいだろう。

目次は、以下のとおり。



序章

一生懸命片付けることは、実は大きなムダだった!/散らかり物が教えてくれた最良の整理法/公開!「出しっぱなし」の基本ルール

第1章 オフィスでの出しっぱなし

仕事のできる人のデスクはすっきりしている/大量の書類や思料は「大型の封筒」で仕事ごとに分類/「カラーファイル」で仕事の優先順位を明確にする/新聞、雑誌の切り抜きは「パンチレスファイル」にはさむ/なくしたくない小さなメモの整理は「壁」を活用/今日中に必ず!というメモは「鏡」に貼る/思いつきや電話のメモは「カレンダー」に記入/増え続ける名刺は日付を記入してランダム・ファイリング/ダイレクトメールは「一時預かり袋」に入れて移動中に目を通す/整理しきれない書類は「迷い袋」に/カバン、ポケット、財布の中身は定期的に総ざらえ/整理には「スキマ時間」を有効に使う

第2章 家の中での出しっぱなし

よく使う物は出しっぱなしが一番/家にもたくさんある紙類は「ミニハンガー」に吊す/毎食使う箸やカトラリーは食卓に出しっぱなし/ちょこちょこ使うコップは食器棚にしまうべからず/違うカテゴリーの物を同じ場所に出しっぱなし/どのカテゴリーにも属さないごちゃつく雑貨は「ウォールポケット」に/家族みんなで見る手紙、ハガキは「状差し」に入れてリビングに/下着や靴下は、畳まずにカゴに入れたままにする/ぬれた傘は「タオルハンガー」で玄関ドアに吊す

第3章 時間がないときこそ、出しっぱなし

5分でできる散らかしっぱなしの部屋の片付け

"居心地の良い部屋"ってどんな部屋?/出しっぱなしにすると、ほんの5分あれば片付く/ダイニングテーブルの上のごちゃごちゃ/イスやソファーの背に掛けられた衣類/リビングに散らかった家族みんなの物/あちこちに散らかった本や雑誌類

10分でできる収納場所のない部屋の片付け

使いやすさを優先するには、立体的に考える/「園芸用トレリス・ラティス」で空間を利用する/家具の側面を徹底的に利用する/イスがひとつあればごちゃつきスペースが一気に片付く/家具の脚の下、家具の上のデッドスペースが生きた場所に

15分でできる来客時のとっさの片付け

急な来客でも困らないために/まずは玄関を片付ける/リビングのテーブル、棚、カウンターのごちゃごちゃ/ハンガーに無造作に重ね掛けした衣類/取り込んだままの洗濯物の山/お客様の座る場所/汚れた座布団・ソファー/シンクに山積みになった汚れた食器/洗面所のボトル類のごちゃごちゃ

第4章 こんなメリットもある出しっぱなし

出しっぱなしでダイエット&美容効果

気になることは、しっかり見える場所に/ヘルスメーターの置き場所を変えるだけでやせられる/青竹踏みは電話代のそばに置く/大きな鏡を玄関に置くだけで3歳若返る/子どもと向き合い場所に鏡を置いたら

出しっぱなしでうまくいく子どものしつけ

散らかし放題の子どもに学ぶ"物"とのつきあい方/テーブルの上に図鑑、辞書、アルバムを出しっぱなし/子どもの才能を伸ばすには、好きな物を出しっぱなしに/歯ブラシを机に出しっぱなしにしたら虫歯ゼロ/最終的には整理・整頓が上手になる