2009年7月27日月曜日

バックアップのHDDがふっとんでいた・・・

玄箱のファイルサーバのファイルを rsync でバックアップしていたHDDが今朝、起きるとウィンウィンと異音がする。
で、おそるおそるネットワークにアクセスすると・・・・壊れていました・・・・
とりあえず、本体サーバーのデータを別のPCにバックアップをしているところであります。
今年の夏は、梅雨が明けない割に、気温は高くて、心配はしていたのですが、案の定でありました。
まあ、またコツコツとサーバーいじりをするのも、楽しいものではありますが・・・

2009年7月26日日曜日

丸福のアイスコーヒー

本店は大阪なのだが、地方の支店の方で、ブレンドコーヒーとホットケーキを食したことがある。ホットケーキは、ふかふかで非常においしいのだが、驚くのは、ブレンドコーヒーのほう。
すごく濃いのだ。
最近のスターバックスだろうがドトールだろうが、軟弱だぜ、といわんばかりの「濃ゆさ」である。
といって「だだ苦い」のではなく、とろみがあるような苦さで、フレッシュをいれるとなんともいえないコクのある味のコーヒーである。一度目はうーむ、となるかもしれないが、しばらく経つとまた飲みたくなる、いわゆるクセになる味ってやつ。
で、うちの奥さんが偶然にもネット通販しているのを見つけて早速注文した、という次第。
現物は、こんな瓶に入っていて、8本入りで3300円


グラスにいれるとこんな感じ


甘みは最初からかなり、ついているのだが、ほろ苦さはきっちり残っていて、かなりの出来物。ちょっとお値段ははりますが、珈琲好きは一度試しても損はないと思いますよ。

2009年7月23日木曜日

「はじっこ」って意外に人気あったんだ

アイシェアの市場調査「はじっこ席に『座りたい』7割 ~はじっこがおいしいのは「パン」「ベーコン」「太巻き」!」
によると

パンやケーキ、ベーコンの切れ端などの食べ物のはじっこは好きかを聞いたところ、「大好き」が11.9%、「どちらかというと好き」が49.2%で、合わせると『好き』派が61.0%。女性は66.1%と男性よりも9ポイント高く、また40代では20代より10ポイント高い65.6%と、はじっこは女性や上の世代からの支持が高い傾向が見られた。
続いて、乗り物や飲食店などで、はじっこの席に座りたいかを問うと「かなり座りたい」が28.0%、「できれば座りたい」が45.3%と『好き派』が73.2%。全体の3人に2人がはじっこ好きであることがわかった。性別年代を問わず『好き派』は7割を超えている

ということで、以外に「端っこ」が人気あるので驚いた。
まあ、電車などの乗り物のはじっこの席は、右か左のどちらかしか人は座ってこないので、間に挟まれて、しかも両方とも汗っかきのオヤジってなケースの巻き込まれるよりは良いよな、と私の場合もできれば、はじっこの席を選択するのだが、食べ物の「はじっこ」が好きな人が多いのは、ちょっとおもしろい。
実は、うちの奥さんと息子もはじっこ好きである。いつぞや、何の気なしに「太巻き」のはじっこに箸を伸ばしかけて、すごい目つきで奥さんに睨まれて、おもわず取り落としたことがあるし、息子は息子で、パンの耳は自分が食べるので誰も手を出すな、と高らかに宣言する(誰も手を出さないのに、本人は至ってまじめに言うのが可笑しい)。
で、なんで好きかと聞くと、奥さん曰く、具と味が凝縮されていてお得な感じがするのだそうだ。ま、たしかに太巻きの真ん中の素っ気ない感じよりも、はしっこの具がはみ出したところの方が具が多くて味が濃い感じがしないでもないのだが、それしても睨むほどのことでもなかろうに、と思わないでもない。
まあ、端っこってのは、真ん中のところよりも数が少ない、希少性があるのは確かだから、そんなあたりがそそるのかもしれませんね。

2009年7月22日水曜日

紙Copi Lite が復活

無償版の紙Copi Liteが復活したということで、早速ダウンロードした。
簡単な操作で、Webページを取り込める、いわば、Webページの定番アプリであったのだが、有償版のみの提供となっていたもので、うーむ、これも時代の流れか・・・と思って久しかったのだが、まずは開発者のご好意と英断を讃えたい。
紙Copi Liteと紙Copiとの機能差はあるが、通常であればLiteで足りることも多いので、まずはLiteで使い始めて、慣れてから紙Copiへバージョンアップするのがいいと思う。
操作画面はこんな感じ


Webページの取り込みは簡単。

取り込みたいページの上で右クリックすると「紙にページを取り込む」という項目が出るので、その中から「紙にページ全体を取り込む」「紙に選択箇所を取り込む」「紙に選択箇所の文字だけを取り込む」を選んでクリックすると、紙Copiの中に取り込むことがでいるという、お手軽な操作である。
気になるWebページは「あとで読む」なんかでとりあえず自分のメールボックスに送っておくという手もあるのだが、一括管理と編集なんかのときは面倒なことも多いから、このソフトで、とりあえず取り込んでおいて、あとからじっくり編集したり、興味ある情報の保存に使ってもいい。
優れものの定番ソフトである。
ダウンロードはこちらでどうぞ

2009年7月20日月曜日

皆既日蝕は明後日ということで

日本国内で46年ぶりに見られる皆既日蝕が明後日に迫った、ということで、NHKをはじめ、マスコミも囂しい。
行こうと思っても、金と時間の余裕のない当方としては、日本で最長の時間が見られるというトカラ列島の悪石島に到着した観察チームやら、観察ツアー客のインタビューやら、特集番組やら、以前にも、たしか日蝕ツアーってあったよなー、とか、オリンピックツアーと同じノリだよなー、とか、ちょっと斜め目線で見てしまうのが、我ながら、ちょっとひがみっぽくて悲しい。
NHKは「皆既日食映像を特設サイトでライブストリーミング配信」ということで、特設のページにも掲載するらしいので、まあ、現地にいなくても日蝕の様子はネットでわかるだろうし、きっとYouTubeあたりにも、たくさんのアップがされるだろう。
面倒臭がりの辺境駐在員としては、リアルよりも後からネットで、ときめこむつもりである。
しかし、黒い下敷きやサングラスなどで日蝕は見ちゃだめよ、と今回あちこちのTVで言っているんだが、私の子供のころなんか、それが太陽観察の定番ではなかったか・・・、と時代の変遷には、ちょっとびっくり。
あ、ちなみに、近くにスーパーでは、「ニッショク・セール」と銘打って、日本食研(ニッショク)の焼肉のタレのセールやってました。

2009年7月19日日曜日

いやーきましたね Chrome OS

ブラウザベースの画像処理ソフトとか、オフィスソフトとか、日頃から、なんとなくMSへの対抗心は感じられたのだが、とうとうGoogleが大本命を出してきましたねー、という感じのChrome OS。

Windos 7のリリースにあわせたようなプレスリリースってのも、喧嘩腰だよねって感じはする。

Linuxといったオープンソースの活動がもっと軌道にのっていれば、今のようなMS帝国はなかったわけで、そのかわり、今のように子供でもPCを操る世界もなかったかもしれなくて(正直、オープンソースのOSは敷居が高いぞ。Windowsのように買ったらすぐOKみたいなノリはないのか確かだと思う)、それなりにMSの功績は認めるのだが、オープンソース系のOSの充実は嬉しい。

詳細は、「Chrome OS」でマイクロソフトに真っ向対決を挑むグーグルを参照してほしいのだが、どうやらブラウザベースのOSらしくて、ノリとしてはGoogleの提供していたオフィスソフトと同じようで、こういうところはクラウド・コンピューティングの主張にも合致している。

ブラウザベースだからモバイルの時の回線環境やらいろんな課題はあるんだろうが、AppleもLinuxも挑戦しながら成し得なかった、MSの代替の選択肢の一つが出現するかもしれないという、試みに拍手を贈りたい(もっとも、いまだにFireFoxをメインのブラウザで使いながらIE8はもちろん、Sleipnierもデスクトップに置いている管理人としては、"代替の選択肢"なんて偉そうなことはいえないんですけどね。結局はデュアルで使ってたりして)。
まあ、なにはともあれ、Googleの頑張りを期待しましょう。ということで、Ubuntuの最新バージョンへの切り替えはちょっと待つかなー、と思い始めている辺境駐在員でありました。

息子の水泳大会です

息子の水泳大会の応援です。曇り空で蒸し暑いですが、まずまずの日和であります。成績のほうは、まあ、問わないことにしましょう。


会場は田舎のこととて、こんな山の近くであります。一応、各種目上位3位までは県大会に出られるんだけどね


2009年7月17日金曜日

北村 薫さんの直木賞受賞を祝す!!

ミステリ作家の北村薫さんが直木賞を受賞されましたねー。おめでとうございます。
地元でも、お祝い一色らしく、いやー、こうしたミステリ作家が賞されるっていうのは、本当にいいことですよね。
北村薫さんといえば、なんといっても少女探偵たちの活躍ぶりを書くいくつかのシリーズが、なんとも辺境駐在員には好ましくて、大好きであります。
これからもご活躍をお祈りいたしますです。

2009年7月16日木曜日

日本人の夏は「ソーメン」?

アイシェアの市場調査によると、夏に食べたい麺の一番人気はソーメンなのだそうだ。
調査結果をみると514人の20代から40代の男女に聞いて、そのうち27.6%が夏のもっとも食べたい麺はソーメンを選んだとのこと。(ちなみに2位は「そば」、3位は中華麺(ラーメン)

好きな麺は、という問いには、ラーメンが一位だったようだから、やはり、夏とくれば、ソーメンの涼しげなところと腹にたまらなそうなところが支持されたのかもしれない。
ソーメンといって連想するのは、私のガラス鉢に氷水をはって、そこに盛られている姿と、これまたガラス製の器にごまとネギを散らしてってな感じで、熱い「にゅうめん」はほとんど連想しないから、「海の家」ないしは「お化け屋敷」と同じく、夏の季節限定的な商品といえなくもない。

なんとなくあの白くて細い姿が、頼りなくて、私の場合、「そば」の方が好みなのだが、夏の暑いときは、べたべたしてなくて、不実っぽい方がいいんだよ、ってな感じでソーメンを支持する気持ちもわからないではない。

で、「おや、お元気でしたか」とおもわず声をかけたくなるのが6位の「ひやむぎ」。
そうめんの頼りなくて不実なところと、うどん(ちなみに5位)のがっつりしていて堅実なところに挟まれて、どうにも持ち味が出し切れない「ひやむぎ」なのだが、「スパゲッティ」を押さえたところは誉めてあげるべきなんだろう。

でも、がんばれ、っていってもこれ以上順位はあがらないだろうな~と思わせるのが、やはり「ひやむぎ」の中途半端なところなのである。

でも、以前はガラス製の器に入って、錦糸卵を少しとさくらんぼを置いた姿を拝見していた「ソーメン」。最近は、お店で姿を見かけなくなったと思いませんか。すっかり「家庭の味」になってしまったということなのかなー。

2009年7月10日金曜日

甘長唐辛子の素焼き

手が込んではいなくても、旬の野菜は焼くか煮るかするだけで旨い、といったものの典型が、この甘長唐辛子の素焼きだろう。
焦げ目がつく程度に焼いて、醤油ないしは出汁醤油で食す。好みによって鰹節をかけてもよい、ってな簡単な料理なのだが、焦げないように、焼くあたりがポイントかな。
きちんとしたレシピはこのあたりのHP


勝間和代「読書進化論」(小学館新書)

カツマーと呼ばれる熱狂的ファンのいる勝間和代さんの、いわゆる「読書」についての本.

構成は

序章 成功や自由は、読書で手に入れる
第1章 人を進化させる読書がある
第2章 進化している「読む」技術
第3章 「書く」人も進化する
第4章 「売る」仕組みを進化させる
終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ

となっていて、前半がフォトリーデングなども含めた、いかに、より多く、より速く、そしてエッセンスをいかに掴んで「読むか」が取り上げられていて、後半は、いかに書くか、いかに本を売るためのマーケティングするかが書かれている。

で、よくある「読書論」あるいは「読書の有益さを説く本」だと思って読むと、途中からどんでん返しを食う。いや、悪い意味ではなくて、えっ、こんなことまで披瀝しちゃうの、という感じのどんでん返しである。
というのも、読む技術から、書く技術、果ては売る技術まで、あれやこれやとてんこ盛りになっているのである。


といったくだりから、あれれ、これはありきたりの本の礼賛か~と思っていると


よくない本の読み方の典型例の一つは、自分にとって良書ではない本をうっかり買ってしまい、さらにせっかく買ったからと、2週間くらいかけて無理矢理、全部読むこと



本は最初から最後まで全部は読まなくて良い。さっと確認して興味のあるところだけ拾い読みしていい



基本的に本というのは、学術書以外は、ある意味、著者の「与太話」、もう少しいいことばで言うと、著者たちの経験談だと思っています。
読書だけでなく、テレビやウェブも、情報のスキャニングを速くできる方法を知っていれば、どんどん活用すればいい
本が少なかった、あるいはとても貴重品だった昔ながらの、丸ごと頭からおしりまで何度も読むような読書術は、時代感覚に合わないのです。読書も、いまやウェブと同じ感覚で、リラックスしながら、必要なところだけを抽出して読んでいい

といったことが飛び出してきて、うれしい不意打ちをくらわしてくれるのである。
ただ、まあ全面的に本書の言うことに賛成かといえば、管理人の個人的な事情もあるのだが、
アマゾンなどのネットショップが一般化する中、管理人のように辺境(地方)在住の場合、書籍を買うにしても、書店はいわゆる売れ筋本しか置いてないことが多くて、正直なところ、リアルの書店は、現物をザッピングする意味合いが強くなっていたり、
さらには、信憑性や正確性の面では、書籍に劣るとしても、その情報の豊富さや、ちょっとマイナーな情報となるとネットの方が詳しい分野もある(特にLinux系の情報なんてのは、辺境の書店にはないぞ)、
といったことを感じていて、東京などの大都会在住なら別として辺境在住であればあるほど、本書のいうように「書籍の優位性」といったあたりには、若干の疑問を抱かざるをえない。

 ただ、それにしても、アマゾンのKindleを取り上げたり、ここまでネットとリアルの「本」の関係をきちんと書いている読書論はないだろうと思う。(たいがい、ネット批判で終わっているものね)

 このほか

(本を出版するときの)好循環を生む基本的な仕組みは「まじめに作って。まじめに売る」

とか


わかりやすく書く基本的な共通技術


 ①「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して親しみを持たせる
 ②「役に立つフレーズ」を必ず入れ、読書だけに体験を閉じない
 ③「共通体験」や「流通している言葉」を使って行動を促す
 ④「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく

といった有益なアドバイスも満載なので、本好きの人や、本もネットも両方好きな人は、一読してもよいと思う一冊である。

2009年7月9日木曜日

堀内都喜子「フィンランド 豊かさのメソッド」(集英社新書)

OECDの学力調査で、毎年良い成績をあげたり、世界経済フォーラムの国際競争力ランキングで、何度も一位になるなど、ちょっと閉塞していた日本と引き比べて、羨望といりまじたた注目を浴びている(いた?)フィンランドの体験記。

著者は、現地のユヴァスキュラ大学院大学に留学して、そこの修士号を取得しているほか、フィンランド系企業でも勤務している経歴の持ち主である。

章立ては

第1章 不思議でとても豊かな国~失業率二〇パーセントから国際競争力一位へ
第2章 学力一位のフィンランド方式~できない子は作らない
第3章 税金で支えられた手厚い社会~独立心が旺盛でたくましい女性
第4章 日本と似ている?フィンランド文化~異文化コミュニケーション

となっていて、教育から社会福祉などなどフィンランドの特徴のエッセンスみたいな構成。

管理人のごく狭い見識だとフィンランドで思い浮かぶのは「ノキア」と「親日家が多い」や「サウナ」といったようなことしかなくて、正直のところ、印象は薄い。


失業率は2006年の統計では7.7%となっているので、本書で掲げられている数字よりは低いが、日本に比べて高い(日本は今のどん底状態でも完全失業率は5.5%だ)し、新卒の採用といった形式はない、同じ業務でいる限りはベースアップはない、社会保障は手厚いが税金はとても高い、など日本とは環境的に異なっている国であることは間違いない。

で、最近「フィンランドでは」とか「フィンランドに見習って」といった話をよく聞くのだが、こうした国勢や国柄の違いといったものを、きちんと底に置いた上で議論すべきだろうな、と思う。

例えば、フィンランドの教員の質のレベルの高さが賞賛されるが、現在の日本の教員のレベルの責任は国家だけでなく、保護者と教員自身も負うべきであるし、育児面での支援の厚さは、いわゆる婚外子の養育の問題と、離婚の問題、そして支援を維持する税金負担の問題を同時に議論すべきだと思う。


と、フィンランド全てよしみたいな風潮に、ささやかな竿をさしてみたわけだが、社会に出ても大学の課程に学んでスキルアップに勉める勤勉性とか、自宅もDIYやリフォームが大好きとか、見習うべき、あるいは楽しそうなこともたくさんあるので、そのあたりはモノによってこちら側で選択すればよいことなのではあるが・・・。


まあ、こうした海外留学モノとか外国紹介モノは、ともすれば、そこの国にべったりしてしまって、その国の価値観が世の中で一番優れているみたいなノリになってしまうものが多いのだが、幸いなことに本書は、そうした弊に陥っていないので、あまりアレルギーなしに読むことが出来る一冊ではある。「フィンランド」が気になったら手にとっても良い本である。

2009年7月7日火曜日

きゅうりのごまポン酢和え

今の所、家庭菜園で延々と生産されるきゅうりの消費に追われている。
本日は「ごまポン酢和え」。といっても、この命名は勝手に我が家でつけたもので全国版ではない。
調理は、きゅうりをざくざくと切って、ごまをドバッとかけて、ポン酢をドバッとかける。これで、結構いけるのだから不思議。


2009年7月6日月曜日

芦原すなお「雪のマズルカ」(創元推理文庫)

銀座NO.1のクラブのホステスと車で事故死した夫の跡を継いで私立探偵になった笹野里子がでくわす事件の数々。

ハードに、タフに事件を解決していく里子が最後にたどり着いた夫の事故死の真相は・・・・

といったのが、おおよその本書の構成。

収録は

「雪のマズルカ」
「氷の炎」
「アウト・オブ・ノーウェア」
「ショウダウン」

の4編。

では、ネタばれすれすれでレビューをするとしよう。

まず。表題作「雪のマズルカ」は不良の金持ち娘を家に連れ戻すようその娘の祖父に依頼されるところから始まる。まあ、当然、この娘の付き合っている男や組織はロクでもないが、依頼者自身もロクでもなくて、その二つをどうにかしようと思うと、まあ、ゴルディアスの結び目をアレキサンダー大王が解決した手法よろしく少々乱暴なやり方もやむを得ないかもね、といったところ。イヤなやつが、イヤな奴なりに描かれているのが新鮮といえば新鮮。

「氷の炎」は里子がずっと昔に助けたことのある、今は女優となったいる娘の素行調べから始まる、奇妙な結末を迎える事件。因果応報といった言葉が、なんとなく思いおこされる物語。あるいは、形を変えたエディプス・コンプレックスの解消といったところか、はたまた親の敵討ちととらえるべきか?

「ショウダウン」は、さる代議士のやばい姿を映したフィルムの捜索を里子が頼まれるのだが、どうやら、そのフィルムには亡き夫が絡んでいたらしい。そして、一見関係なさそうな、猟奇殺人(首を針金で締めてレイプするってな事件だ)の犠牲者に、そのフィルムの撮影を依頼した人物(こいつもいかがわしい生業なのだが)がなって・・・、といった形で、紐がねじれるように事件の真相は・・・、ってな筋立て。
結末は結末として、この事件の重要なキーであるフィルムの在り処を捜す過程で、里子の夫の死の真相が明らかになる。なに、すは、大陰謀の犠牲者かってな感じで力んじゃいけない。ネタばれで怒られるのを承知で言うと、破滅型の人間ってのはしょうがねえな、といったもの。ただ、結末にいく展開がちょっと、とんとんと行き過ぎる感が強いので、この夫の死の真相あたりで、うーむと唸っておいたほうがいい。

で、4つの短編を通して言えることは、ハードボイルドな女性主人公の誕生を祝福!といったところか。今まで、日本ミステリーの女性主人公というと、理性的でちょっと控え目か、鼻っ柱の強くて色っぽいの、といったのがよく見るタイプなのだが、こうした過去の影を引きずってはいるが、やるときはきっちりやらせてもらうわよ、と乱暴な振る舞い(なにせ、この4編の中で3編とも、かかる火の粉を相手の命で払っているのだから)も辞さないタイプは珍しいのではなかろうか。
これ以上の乱暴はちょっと、ということなのか、この4編以外の活躍を知らないが、たまには、夫の死の真相を乗り越えた、里子探偵の、ハードな活躍を読んでみたいものである。

2009年7月5日日曜日

鳥取県鳥取市 「らっぱや」のタイヤキ

図書館に行く予定があって、外出したら、その近辺でちょうど、らっぱやのタイヤキが移動販売をしていたので、おもわず買った。

鳥取市内の川端というところにある古くからの店で、店ではタイヤキのほかに夏になるとカキ氷も食すことができる店だ。

昔ながらの商店街は休日は人通りが少ないせいか、移動販売をしているらしく、イベントの時とか人の集まる郊外店で、よく見かけるのだが、管理人の方が、最近、巣ごもりが多い状態で、出くわす機会が少なかったところであったが、本日は幸運であった。
タイヤキの皮は薄手で、尻尾の方まで餡子が入っているが、甘味がくどくないので、辛党の管理人でも美味しく食せる。1個100円なので、値段については賛否両論あろうが、まあたまにはよいではないですか。


芦原すなお 「わが身世にふる、じじわかし」(創元推理文庫)

八王子に住んでいる小説家の「ぼく」と「妻」のところへ、警視庁の敏腕(?)で、奇妙な事件が起こる署をたらいまわしにされている河田警部がやって来て、というシチュエーションで始まるおなじみのシリーズ。「ミミズクとオリーブ」「嫁洗い池」に続く第3弾である。

前作でニューヨークに研修派遣されていた河田警部だが、今作では日本に帰ってきていて、ニューヨーク時代の事件についての話もある(もちろん、ぼくの「妻」の推理あっての解決なのだが)。

収録は

「ト・アペイロン」
「NY・アップル」
「わが身よにふる、じじわかし」
「いないいないばあ」
「薄明の王子」
「さみだれ」

の6篇。

このシリーズの楽しみは、なんといっても、そのほんわかとした語り口と「ぼく」と「河田」の掛け合い、割烹着(どんなものかわからない人は、ググってね)と和服がぴったりくる「僕の妻」の妙な冷静な推理だろう。

それぞれの話で起きる事件は、殺人事件にしろ誘拐事件にしろ、どちらかといえば血ご大量に流れている「ほんわか」としていないものが多いし、犯人にしても近親者であったりして、動機もどろどろとしたものが多いのだが、「ぼくの妻」が残酷そうな場面は顔をしかめたり、顔を白くしたり、といった仕草に救われるのである。とはいっても、事件のシチュエーションや殺人のトリックなどは、かなり本格モノなので謎解きミステリーとしても楽しめること間違いない。


さらに、もう一つの楽しみは、随所にでてくる食べ物の話題。
それは、デベラであったり、ソラマメやお好み焼きのソースであったり、けして高級品ではないが、心のどこかにひっかかって、食欲を刺激しながら、物語を読み進める絶好の香辛料にもなっている。

例えば

この具の鍋、ちょっと蓋をとってもいいですか。うわー、いいにおいだ。おお、タケノコ、フキも入ってる!カマボコに揚げ、ゴボウ、レンコン、それからちゃんちコンニャクも入ってる。満点です。奥さん、これでお寿司を作って、それを皿に盛った上に、茹でたキヌサヤエンドウの薄切りと、塩梅よく焼いた錦糸卵と、紅ショウガを、載せるんですよね

といったあたりや

(イリコの)中羽の頭をとり、二つに裂いて皿に盛り、アサツキ、一味唐辛子をかけ、スダチの絞り汁を垂らし、醤油をかければ、もう最高のツマミでございます

といったところに出くわすと、思わず冷蔵庫の扉を開けたくなりませんか。


さて、レビューの最後にネタばれを少々。表題の「じじわかし」ってのは「じじいのかどわかし」のことらしい。なぜ、そうなんだってのは、本書を読んで、自己責任で解明してください。

2009年7月4日土曜日

「NHK朝ドラの主人公に松下奈緒さん」って、嬉しいじゃないですか

どこにでもあって、どこにでもない辺境からレポートしているつもりなので、居住地限定の御当地っぽいことは、あまりエントリーしないのだが、全国的に印象の薄い鳥取に、ひさびさに美人系の華やぎのあるニュースで、ちょっと嬉しくなってしまった。

ゲゲゲの女房役に松下奈緒さん NHKテレビ小説ヒロイン


NHKは3日、来年3月末から放送の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のヒロインに女優の松下奈緒さんが決まったと発表した。漫画家水木しげるさんの妻、武良布枝さんをモデルにした物語。
 原作は武良さんの同名の自伝。29歳で漫画家と結婚し、原稿が売れずに貧しいなか、日々を明るく生き抜く姿を描く。

ということで、久々に朝ドラに正統派美人が出てきますなー、
しかも、舞台には、鳥取・島根も入ってますか、うむ、うむ、(ドラマの中心は水木しげるの漫画家活動の中心地の調布らしいけど、大学時代の一時期、府中に住んでいた管理人には、調布は友人が多く住まっていて、深夜まで飲んだくれていた懐かしい所なんだよね)
ということで、鳥取・島根の方々は、このドラマと松下奈緒さんを大事にしなきゃなりませんな。

松下奈緒さんといえば、コーセーのCMにも出ているし、確か音大出でピアノも弾けて、CDも出している才媛。ほかにも、草薙 剛の演っていた「恋におちたら」とか、田中麗奈の「猟奇的な彼女」とか。主演っぽいイメージが残念といえば残念だけど、こういう、ちょっとマイナーなところが、管理人としては好みなんでありますなー。
で Yahooニュースでは
好きな妖怪については「一反もめん」と告白。「(自分の身長が)174cmあってヒョロっとしているので『アンタ一反もめんみたいだね』と昔言われ、それから気になる存在で何か好きです」

とのことなので、お二人(?)をセットで売り出してみてはどうですか?関係機関の皆さん。
あ、ついでに、松下奈緒さんのPR
こちらがオフィシャルサイト。いまなら「ゲゲゲの女房」の抱負も出てます。

2009年7月3日金曜日

中国家電販売大手の日本進出

いささか旧聞に属すのだが
秋葉原の老舗ラオックスを手に入れた中国・蘇寧電器の前途

中国家電量販大手の蘇寧電器集団(南京市)が経営再建中のラオックスを傘下に収める。出資額はそれほど大きくないが、中国企業が日本の上場流通企業の経営権を握るのは初めてで中国でも注目を浴びている。

ということで、中国の家電量販大手の蘇寧電器集団がラオックスを傘下におさめる。

ラオックスは、最近は業績の悪化で店舗を閉鎖してきているので、まあ、どこかの傘下に入るのも時間の問題かな、と思ってはいたのだが、十数年前の秋葉原の象徴のような「LAOX」のネオンの輝きを覚えている身としては、若干の寂しさを覚えないではない。
今回の出資の件については、中国側にも経営戦略的な面で賛否両論あるようだし、蘇寧電器集団側も、中国最大手の国美電器への対抗的な策でもあるようで、単純な日本進出という話でもなさそうなのだが、冷たく考えれば、東アジアの大マーケットである日本に、中国側が橋頭堡を設けたがるということは素直に納得できるような気がする。

少し国粋的で、手前味噌的な話になるかもしれないが、日本側の技術というか販売ノウハウというか、そういったノウハウ的なものが手中にできるといった思惑も働いているのだろう。

日本側にとって、良いか悪いかとなると、かっての製造業の技術やノウハウが海外移転してしまった例を思うと、良いことばかりではないだろうが、まあ、時代の趨勢なのかなといった感じである。

今回のような出資というと「えっ」とちょっと驚くが、これがPCのハードやパーツの話になるとAsusやAcer、恵安からエバーグリーンまで、台湾メーカーのオンパレードなのだから、昨今の中国企業の力からいえばありうる話とすべきなのだろう。

きっと2例目は、こんなには報道されないだろう。こんな感じで、だらだらと大アジア化は進んでいくんでしょうね。

2009年7月2日木曜日

キュウリの浅漬けの豆腐サラダ

庭に植えているキュウリが、たくさんなり始めていて、日に3つから4つは実がなる。漬け物にするものはあるのだが、そう全部をするわけにはいかないので、ネットで見つけた食べ方を試してみた。
キュウリは切って市販の浅漬けの素につけておく。これを冷や奴と一緒にして、ポン酢で食す。
あっさりとしていて、暑いときには、ちょっと嬉しい。


塩野七生 「ローマ人の物語 ⅩⅡ 迷走する帝国」(新潮社)

いつもは安価な文庫本で済ますのだが、今回はちょっと奮発して単行本で読むことにした「ローマ人の物語」である。

時代背景としては、セプティミウス・セヴェルスがイングランドで客死した後、後を継いだカラカラから始まり、ローマ帝国の危機ともいわれ、軍人皇帝が乱立した時代、ディオクラティヌスの即位直前までの3世紀のローマ帝国が描かれている。

紀元211年から284年の、百年間にも満たない期間なのだが、あれあれ、という声が出てしまうほどに様々な出来事、国難満載の世紀である。

例えば、カラカラ帝がローマ帝国の市民権を、帝国住民全員に広げ、ローマ軍の弱体化を招き、オリエント出身のあやしげな(失礼!)宗教の祭司も務める皇帝ヘラガバルスが登場したりして、なんか雲行きが怪しくなったぞ、と思ったら、案の定、新興国ササン朝ペルシアが登場して、皇帝が捕囚の身になるという前代未聞の失態はおきるは、ゲルマンの蛮族がやたら暴れ出して、あろうことか、ガリアが独立したり、シリアのあたりがパルミラとして割拠したり、といったいったことが、次々とおこるのである。

そして、また、この当時の皇帝というのも、最初は正統な、というか伝統どおりの選ばれ方をしていたものが、だんだん元老院の擁立や軍隊の擁立が中心になってきたせいか、召使いを折檻したら腹いせに暗殺されたり、擁立した部下たちに殺されたり、落雷にあったり、なにかしら謀殺や不慮の事故による死亡が多い。いくら、ローマ帝国の皇帝が終身制で、皇帝を変えようと思ったら、皇帝が死ぬか殺すかしかなかったとはいえ、「やりすぎでしょ」と呟かざるをえないような事態である。
その証拠に、この12巻で書かれる73年間で、皇帝は22人も登場している始末で、一番在位の長いアレクサンデル・セヴェルスは13年間在位しているが、そのほかは2年から5年と言った在位期間が多いような状況になっている。

まあ、これは、当時即位していた皇帝の質云々というより、時代の趨勢といった事情の方が強いと思われて(事実、暗帝ばかりでなく、賢帝と呼んでもいい人物もでてきている。アウレリアヌスや、クラウディウス・ゴティクスあたりはそうだろう。)、例えば、ペルシア帝国の再興を目指すササン朝ペルシャや、ゴート族、ヴァンダル族といったゲルマンの蛮族の隆盛も、長い期間のローマ帝国の存在というものを踏み台にして、周辺の国が潤ってきた、あるいは、繁栄のおこぼれが芽を出し始めた結果だといえなくもない。

そういえば、この時代、初代のロムルスから数えてローマ建国1000年を迎えたということで式典が開かれたようで、1000年というのはどうかと思うが、それでも、アウグストゥス即位から数えても300年ぐらいにはなり、そろそろ、いろんなところにガタがきて、ガタの補修をしたところが、またほころび始める、といった状態になってもおかしくはない年数である。
この時期の皇帝で、惜しむらくはアウレリアヌスで、皇帝捕囚後、三分していた帝国を、わずか5年のうちに再統一してしまった手腕は並ではない。ただ、そうした手腕と高い能力を持ちながら、秘書を厳しく叱責したがために、その秘書エロスの手によって暗殺されてしまうのが、この時代らしい病んだところではあるのは間違いないところだ。


こんな感じで、こうした時代の歴史がつまらないか、といえば、そうもいえなくて、例えば五賢帝やカエサルの時のような、大俳優が演ずる大スペクタルや立志伝のような感動巨編はないものの、ちょっと癖のある性格俳優が主演を演じる小劇場の演劇か、あるいは異色作家の短編集を読むような感じで、単に太平楽な時代に比べて、小味であはあるけれど、それなりの楽しみが味わえる時代である(当時、暮らしていた人はたまったもんじゃないだろうけどね)。

そうして、こうした時代ほど、なんとか頑張ろうとして途半ばにして倒れる悲劇の人あれば、脳天気に暮らして後で手ひどいしっぺ返しを食う人もあり、詩の一編も口にしたことのない武骨者から、とんでもない軟弱者まで、多士済々で、まあ、人間絵巻としては「スゴイ」時代といっていい。

一気に読み通すのは、いろんな人物が出てきて、その毒に充てられそうになるので、よしといた方がいいが、ポツポツと読むには、適度な毒を薬にできて、長く楽しめること間違いなしの一冊である。

「機内ビデオに客室乗務員が裸で登場」って何の目的なんだ?

ロイターのサイトの「世界のこぼれ話」のコーナーには、時折、トンデモ記事がでていることがあるんだが

本日は

ニュージーランド航空は、機内で流す「安全ガイド」を乗客に確実に見てもらうための新たな試みを始めている。
 国内線のボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)737型機で流されるビデオには、操縦士と客室乗務員が裸にボディーペイントという姿で登場する。

という記事(「NZ航空、機内ビデオに客室乗務員が「裸」で登場」)

記事の中にはYouTubeへのリンクも記載されていて、物見高い管理人は早速アクセスして、鑑賞したのだが、まあ上品な仕上がりで、猥雑な感じはほとんどない。ボディーペインティングといっても、客室乗務員やパイロットの制服風のペイントで、上手く仕上がっているので、一度目に見たときは、ボディペントではなく、薄手のボディースーツかと思ったぐらいである。

たしかに「客室乗務員」「裸」といったら、そこらの安物のビデオにありがちの設定であるし、客室乗務員というのは、なにかしら憧れを誘う雰囲気がある。
とはいっても、いくら「乗客に確実に見て」もらうためとはいっても、ちょっと際物がすぎやしませんかねー。

2009年7月1日水曜日

朝日新聞がCNETを買う意図は・・・

朝日新聞、CNET Japanを事業継承 9月1日から運営へ
という記事を見て、ちょっと驚くとともに、ちょっと危惧。
記事としては

朝日新聞社と米CBSのWeb部門でIT情報サイト「CNET」などを運営するCBS Interactiveは7月1日、「CNET Japan」などの事業を朝日新聞社が継承することで合意したと発表した。同サイトなどは9月1日以降、朝日新聞社が運営する。

といったような内容で

CNET Japanなどのサイトは「9月1日以降も今と同じ形で続ける」(和気氏)予定。朝日新聞社が運営するニュースサイト「asahi.com」や、団塊世代向け情報サイト「どらく」などとの連携も図っていく。

ということらしいから、すぐには大きな変化はないのかもしれないが、果たして管理と統制の象徴の「朝日新聞」が,Webの牙城ともいえるCNETを買収する意図は、いったいなんだろうか。
まさか、CNETのいろいろのマスコミ批判が気になって、えい、それなら、と丸ごと買っちゃいました、てな子供じみた行動でもないんだろうが、「ネット君臨」での毎日新聞の動きや、その後におきた英字サイトでの事件などをみると、ひょっとしたらね、と疑ってみたりする。
悪意をもって考えなければ、CNETというWeb世界に適合したサイトを持つということは、ashi.comのようなニュースサイトを持っている朝日新聞にとっても、Webの世界に確実な橋頭堡を確保できることともいえ、将来的なマスコミというか報道の世界における影響力の確保の面でも、有効な選択であったといえるのだろう。
ただ、まあ、願わくば、一種の無統制さの匂いを持ちながらも運営されていたように思えるCNETやそのブログが、何らかの統制臭をもたないよう祈るばかりである。
なんやかやの批判はあれど、ネットは無政府的な匂いのする自由さというか一定程度の統制の欠如あってのものだろうと思うからだ。
9月から朝日新聞運用ということらしいから、その後CNETがどうなるか、ネットの住民は静かに、かつきちんと見守ろうではありませんか。