2014年5月18日日曜日

吉田浩一郎「世界の働き方を考えよう」(総合法令出版)

インターネットを使った、アウトソーシングのマッチングサイトである「クラウドワークス」の創設者によるリモートワークの照会本。



筆者のいう「クラウドソーシング」とは「インターネット上で不特定多数の人々を募り、仕事を発注するサービス」のことで、基本的には今までフェイス トゥ フェイスで行われていたアウトソーシングを、インターネットを使って、委託元・先ともに広範囲でマッチングする仕掛け。


本書の構成は

第1章 最初の挫折 演劇の夢破れる
第2章 2度目の挫折 信頼していた役員の裏切り
第3章 再、そしてクラウドワークス始動へ
第4章 クラウドソーシングがもたらす、働き方革命
第5章 クラウドワークスが提唱する、これからの働き方
第6章 ベンチャー立ち上げを通じて学んだ仕事術

となっているのだが、最初の3章ぐらいは筆者の生い立ちやこの事業を始めるまでの立志伝で、リモートワークなどのヒントを期待するとちょっと当て外れ。
全体として、リモートワークの技術的なところとか、はたまたライフスタイル論的なものを求めると、"どうかな"といった印象なのだが、ただ、こうした業態の企業を運営者として、ノマドワーク、クラウドワークの実例と言ったものの情報が得られるのが、本書のメリットではある。

例えば、クラウドソーシングの現在の仕事の方式がプロジェクト方式、コンペ方式、タスク方式と分かれていて、クラウドワークといっても参加する人数や仕事の関与の仕方に違いがあること



フリーランスや個人ワーカーの働き方や受発注のやり方で、いわゆる士業のような「顧問契約」的な方法が模索できないか

とか

以外にシニアというか70歳から80歳といった高齢のワーカーもいることや、農家兼システムエンジニアとかバックパッカーのシステムエンジニアとか一風変わったワーキングスタイルの人も結構存在すること

といったネタがつまめるので、新しい働き方に興味にある人はざっと目を通しておいてもよいかも。

もう一つ、途中の対談で紹介されていた5万円以下の仕事には所得税や社会保障税を課税しないというドイツの「ミニジョブ」という制度はちょっと詳しく調べてみようかな、と思った次第である。

組織の将来像の一つは「タスク管理形式のクラウドワーク」にあるのかも

クラウドワークスの創設者である吉田浩一郎氏の「世界の働き方を変えよう
ークラウドソーシングが生み出す新しいワークスタイル」を読んでいたら、クラウドワークの3つの類型を示す記述があった(私のブックレビューはこちら)のだが、その一つのタスク管理方式のクラウドワークに興味を持った。
クラウドワークの3類型とは
・プロジェクト形式
  
仕事1案件に対し不特定多数の個人ワーカーの中から受注者一人を募集し、その一  人が最初から最後までその仕事を感家湯させる形式
・コンペ形式

企業がロゴマーク、ネーミングといった"作品"をサイトで募集。この仕事に参画し  たい登録者が自分尾作品を制作し、サイトにアップ。企業は集まった作品の中から  どれを採用するか決め、採用した作品の制作者だけに報酬を支払うもの
・タスク形式
1案件に対し、1人の個人ワーカーではなく複数の個人ワーカーが参画するもの。例 えば「リスト作成」といった仕事があるとAさんがまず50件をリストアップ、次にBさんが重複しない70件をリストアップ、といった風に複数の個人ワーカーが一つのタスクに関わり、タスクが完了したと企業が承認すれば、タスクに関わった個人ワーカーに報酬が支払われるもの
といったことのようだが、対面でのジョブマッチングやコンペをネットでやるようにした風のプロジェクト形式、コンペ形式(コンペ形式は報酬が採用者だけに支払われ、しかも少額のものでもできるという意味で画期的ではあるのだが)はこれからのリモートワーク。クラウド(ノマド)ワークとして新しみを感じないのだが、タスク形式は方法さえきっちりと構築していけば
というのも、例示されているのはリスト作成といった単純な例なのだが、例えば◎◎地区の販売網をつくるといったプロジェクトがあった際に、プロジェクトを細かなタスク(地区内の顧客情報の収集や販売店の募集といったあたり)に分解し、それを管理していくことによって一つのプロジェクトを仕上げていく、っていうのは通常の組織が、自分のところの社員や委託先を使って通常やることなのだが、タスクがきちんと仕上がるシステムができれば、今は一定の固い組織体がやるのが定番のことを個人ワーカーを臨時的に集団化することで成し遂げることができるのかも、と思った次第である。
このタスクがきちんと仕上がるシステムというのがなかなかの曲者かもしれないが、将来的な組織のあり方、仕事の仕方として方法論を詰めてみてもいいような気がする。

Mac book air の充電器を追加購入した

最近、出張にもMac book airを持ち出しては作業することが多くなり、さすがに泊りがけともなるとバッテリーがもたない。
当然、充電器も持って行くことになるのだか、純正の充電器をコンセントから外して持って行くの面倒になり、持ち出し用のものを追加で購入することにした。
かといって純正は高価でちょっと躊躇したので、代用機を購入。
3000円以下なのがお買い得と思いながらも一抹の不安を抱えつつ、買ったのは、海援隊というところのこんなの。


保証書もついているのが良心的ではある。


2014年5月17日土曜日

ノマド、そしてリモートワークということ

ちょっと時期外れになったのだが、安藤美冬氏の「冒険にでよう 未熟でも未完成でも今の自分で突き進む」とフリードの「強いチームはオフォスを捨てる」を続けて読んで、今更のようにノマド、リモートワークについて考えてみた。

「ノマド」はかなり手垢のついた状態になっていて、もはや揶揄と一緒に語られることが多いのだが、ノマドの持つリモートワークという技術的、あるいは純粋に働き方・仕事の仕方の側面が、フリーランスとか組織への帰属論とともに語られることによって、どこかにすっ飛んでしまったことが残念に思える。

基本的には、物理的、距離的に離れた状態でいかに効率よく仕事するか、ということは、組織への帰属といったメンタルな話とは別に、純粋にセキュリティの話や物理的・精神的なパフォーマンスの話として、いわゆる労働生産性の話として語られていい側面もあるのに、なまじライフスタイルの側面とともに語られるものだから、ウェットな議論になっている気がしている。

労働生産性の面から言えば、一頃揶揄の対象となったスタバでドヤ顔と言ったことは守秘の面からいえば当然慎むべきであって、むしろ議論の焦点を、パブリックな場所において守秘性を担保しながら働かせるにはどうしたらいいか、という技術的な部分で考えても良かったのでは、と思うのである。
とりわけ、冷静に考えれば、リモートワークによって、地方部においては才能ある人材の確保の可能性が広がるし、都市部においてはオフィス確保の費用面、労働者側に採っては通勤時間や居住環境の面など、メリットとして見いだせるものは数々あるのだから、もっと技術的・労働生産性の確保のやり方といった面から議論は再開してもいいのではないか、と思うのである。

幸いなことに一頃の雰囲気的な「ノマド」が語られることはなくなっている。ここらで労働生産性とオフォスなどの基礎投資費用の面などをあわせて、リモートで働く手段、手法の再考をはじめてもいいのではないだろうか。
 

2014年5月10日土曜日

Doit.imを使い始めてみた

連休になるとプロジェクト管理やらタスク管理の新しい方法論やアプリに浮気を始めるのが悪い癖なのだが、今年も暇にまかせて、今使っているToodledoの手入れをすることにした。

手入れをしているうちに、以前も感じていたプロジェクトとタスクの混在がどうにも始末がつかなくなってきた。特に、様々な部署を指揮するポジションになると高見から進捗を管理しておけばよいものと、進捗がはかばかしくないなどの理由でダイレクトに指揮しないといけないものが混在するので、Toodledoのタスクーサブタスクのタスク管理では対応が困難になってきた。

というわけで、佐々木正悟氏の「クラウド時代のタスク管理」などの参考本に従って、プロジェクト管理とタスク管理を分けることにしようと思った次第。

さてどのアプリを使うかな、となるのだが「クラウド時代のタスク管理」などのタスク管理本で推奨のOmniffocusやNozbeは、評価はいろいろあれど、ちと高価で、三日坊主がよくある我が身としては敷居が高い。何かないものか、検索していたところ、Doit.imというウェブ・アプリを見つけた。

仕立てとしては、GTDにかなり忠実なつくりになっていて、サブタスクに期限が振れない所がちょっと気になるが、このアプリとToodledoの二本立てでタスク管理をやってみようかな、と思っているところである。
 

2014年5月6日火曜日

家庭菜園の作業の効用は「頭の中を空白にできること」

5月のゴールデンウィークの頃はトマトとかキュウリの植え付けが最中になるので、仕事が入らない限りは極力、家庭菜園に出て、草取りやら植えた苗の手入れやらに時間を費やすことが多い。
 
こうした農作業の効用は、もちろん新鮮な野菜が手に入ることでもあるのだが、肥料から何から込めた費用から言うと大もうけできるわけでもなく、効用の一番は日頃のあくせくした仕事から離れて頭の中を空白にできることではないか、と最近は思っている。
 
作業を始めたときは、あれこれとうまくいっていないプロジェクトとか、これからかからないといけないのだが、どうも難物そうな仕事とかが頭に浮かんで、あれこれと考えることは多いのだが、菜園の草を取っていたり、野菜の棚をこしらえたりしているうちに、そうしたことはどこかにいってしまって、頭の中からそうした難しいことが出て行って、空っぽのままで作業に没頭している、といった状態が舞い降りてくるのがなんとも心地よい。
 
ま、こうした状態が舞い降りたといっても、難物であった仕事がうまくいくかどうかはわからないのだが、ひととき解放されるというのが効用なのでありましょうね。

2014年5月3日土曜日

CubePDF-Utilityを使ってみる

遅ればせながら、Windowsのバージョンアップをしたところ、だましだまし使っていたAcrobat6.0
がとうとう使えなくなってしまった。8の頃は、互換モードでなんとか起動していたのだが、8.1では無理。
 
そうはいってもPDFの結合、編集ソフトがないと書類の修正やら校正、注入れなど普段の仕事に差し支えるし、いつもいつもMac book airで処理するのも不便で、できれば大画面で操作したい。
 
ということであちこち探していたのだが、CubesoftからリリースされているCubePDF-Utulityをダウンロード。(HPはこちら。http://www.cube-soft.jp/cubepdfutility/
 
Acrobatとは使い勝手が違って、どちらかというとMacのFinderでの操作画面っぽい感じ。(ファイルの結合はドラッグ&ドロップだし)。ただ、さほど違和感なく直感的に操作できるし、動きもそう悪くない。
 
無料のPDF加工ソフトとしては十分使えるレベルと思うので、お勧めである。