2017年8月20日日曜日

東京駅の駅弁二種「牛たん弁当」と「深川めし」を食した

出張や旅行というと、辺境の地に住む身ゆえ、飛行機での移動が主となってしまうのだが、最近、北関東の栃木県という空港のない県への出張があり、ひさびさに新幹線利用で、東京駅で昼時を迎えた。

お盆ということもあって、かなりの混雑であったのだが、二日間の出張旅行で、昼飯に確保したのが、1日目が”伊達の牛たん”の「牛タン弁当」で、2日目が「深川めし」。

いずれも東京駅の中で売っていて、いつも大混雑で有名な「駅弁屋 祭」「駅弁屋 踊」以外で購入。

「牛たん弁当」はこんなので、1380円のものをチョイス。2000円のものとの違いは明確ではないが、車内のお昼ごはんとしては、値頃で、ボリュームも十分。

内容は、白ご飯に、牛たん、辛味噌の漬物、ミソの大葉巻、牛肉の佃煮と、牛たんをしっかり味わえる。

「深川めし」はパッケージも江戸前風。

内容は、炊き込み御飯、穴子の蒲焼き、小ハゼの佃煮、アサリの煮付けに漬物各種

炊き込みごはんはしっかり味が沁みているし、穴子蒲焼きも豪華感あり。これで800円はお値打ちであろう。

先だってブックレビューした鴻上尚史氏の「クール・ジャパン」でも

日本人が知っているタイプの「駅弁」は、世界で日本だけです。主要駅で売られておる、主要駅に関係するデザインで、主要駅や地域にちなんだ食材で知られた食材で作られた駅弁、という意味です

といった記述があるのだが、深川めしはご当地としても、宮城の牛たんをはじめ各地の「特産」が一同に集まってしまうというのは東京ならではの現象で、こうした中央へ集まる性向がある限り、地方回帰、地方創生っていうのは、限られた展開にならざるをえないよね、と思わないでもない。なんといっても、日本各地、世界各地のうまいものが一つところで食えるってのは、とんでもないアドバンテージであるな。

ならば、ムリに地方への移住定住に躍起になって、地方同士が争って疲弊するよりも、税金をどいうとるかといった問題はあれども、地方滞在あるいはノマドワークやテレワーク拠点といった、時限的な来訪対策をとったほうが全体調和するのでは、などと思うがいかがか。

まあ、安価で旨いものはすべて良し。ひとまずは、各地の駅弁各種をたくさん楽しめることを喜びましょうかね。

2017年8月16日水曜日

日野町"そば道場たたらや”で「たたらんち たたら鉄板焼き蕎麦御前」を食して、「食」による地域おこしを考えた

 先だって、鳥取県日野町に仕事で出向いた際に、訪問先の人から珍しいものがあるから、といって予約してもらったのが、”そば道場たたらや”の「たたら鉄板焼き蕎麦御前」



ここ日野郡はたたら製鉄が盛んだったということで、それにちなんだ「食」による地域興しに取り組んでいるとのことで、この店も、本来は蕎麦屋であるのだが、一肌脱いで独自メニューを提供している。メニューは、夏、冬とあるのだが、本日は夏メニューの「鉄冷やし水そば」、「せいろ蒸し大山おこわ」、「そば刺し」、「じゃぶ汁」、「カシスソルベ&ケラチョコ」を食すことに。



大山おこわ、じゃぶ汁も郷土色豊かな料理なのだが、本日、「ほう」と思ったのは「鉄冷やし水そば」と「そば刺し」。


「鉄冷やし水そば」はこんな風で、冷たいそばなんであるが、出し汁にオクラが入っている。オクラのネバネバ感とそばのつるつる感のマッチングが良。さらに、「たたら」といえば製鉄なので”熱する”イメージが強いのだが、今回は”鉄で冷やす”というのはこの店のオリジナル発想らしい。


秀逸は「そば刺し」。広めにカットしてある蕎麦に、薬味としてわさびと粗塩、蕎麦だしをつけて食す。特に粗塩は人工塩ではないらしく、味に深みがある。

これを少し蕎麦にまぶして食すと蕎麦の香りが感じられて風情がありますな。季節の野菜で日南町のトマトが添えてあって、蕎麦に巻いて食べても、ということであったが、当方的にはこれ単独で食した方が美味であった。


で、これを食しながら、最近、地元の食材や料理をテーマにした地域興しが数々あるが、さてどれだけ残っていくのかな、と思った次第。このたたらんちもお値段は1200円で、この店の他のメニューに比べて、馬鹿高価い、というわけではない(ちなみに、ざるそばは820円らしい)のだが、手間が尋常ではないようだ。


「食による地域興し」で、ネックになっていくと思われるのが、地元の「食習慣に根ざしているか」ということと、並んで「将来にわたって恒常的に提供できるか」ということがあるように思う。

旨いものをつくるのは、そこはプロの料理人がかかれば何とかなるものなのだが、それを「常態」として提供していけるか、となると、食材の値段や仕入れのしやすさ、普段食として提供できる手間の少なさがキーになるような気がするんである。


さて、日野のたたらんち、このハードルを超えて、繁盛してほしいものですね。