2005年10月31日月曜日

「アジアの真心」(小学館文庫)

2001年8月1日初版。定価476+税を、リサイクルショップで210円で購入。

同時に姉妹編の「アジアの純愛」「アジアの地獄」を購入したが、その書評は、また後日。

すべて書き下ろしの短編ばかりだが、アジア各地でバックパッカーが出会う心温まる人情話。人と思えば泥棒どころか強盗と思え、ぐらいの貧乏旅行の面々なので、ちょっと感動しすぎじゃない、と思うところもあるのだが、結構、読ませる。

話としては、ドジを踏んだ旅行者が現地の人に暖かく支えられる話や同行の人と日本では築かれなかった信頼を得る話など。

例えば、
・シンガポールで旅費を盗まれたが、骨董屋の子供にもぐりの骨董屋の手伝いを頼まれ、バイト代までもらう話(ジョージという少年)
・世界三大地獄の交通機関のひとつクェッタ~ザーヘダン間の列車で、飢えと渇きを現地の人に救われる話(地獄でアッラー)
・格好よい友人と貧乏旅を始めたのは良いが、途中で大喧嘩。しかしそれがきっかけでさらに信頼を深める(仲直りのきっかけ)
・チベットの亡命僧との出会い(巡礼者キルティ)
・日本留学中に日本へのわだかまりをつくった男との遭遇、ケンカ、その後の今まで続 く友達づきあい(落陽)
・地雷で片足を失った少女とその家族との出会い(シェムリアップの少女)

などなど。

もともとお金もない旅行者だから人の好意が身に沁みるという側面もあるのだろうが、やはり旅人とアジアの人ととの出会いは暖かく、優しい。

うーん、まったりと旅をしたくなってきた。

2005年10月30日日曜日

椎名 誠「地球どこでも不思議旅」(集英社文庫)

1985年7月25日初版(初出は昭和57年とある)。定価は400円だが、リサイクルショップで105円で購入。

収録は「プロレス王国メキシコの謎と秘密と大コーフン」「日本列島みぎひだり水平直角大勝負」「いま中国・シルクロードはどうなっておるのか」そして「<巻末特別対談>椎名誠VS沢野ひろし 今わしらは正しいホテルについてこう考える」

メキシコ、日本列島の旅では京都から出雲、津軽、高松、そしてシルクロードにそってゴビ砂漠へ(本当はラーメンを訪ねる旅にしたかったらしいが)、日本がまだとっても元気だった頃の旅行記である。

メキシコでは、現地ではルチャ・リブレと呼ばれるプロレス三昧。二日酔いで動けなかった日を除いて、メキシコ各地のプロレスを巡る旅である。若い美人までがプロレスに熱狂する姿や、善玉と悪玉がはっきり別れているメキシコのプロレスの底流に征服者スペインへのインディオの復讐を見たり、当時から筆者の目は鋭い。とはいっても、最後はプロレス好きの血が大騒ぎしているのが楽しい。

うってかわって日本の旅は、結構愚痴っぽい。やたらとちやほやされる京都が嫌いなのは言うに及ばず、地方都市でも、必要のないサービスやありがたさを強要する観光地や観光ホテルには手厳しい。
ところが好きなものになると、でれでれ状態に近くなる。この篇では「うどん」。もともと麺類が好きらしいが、それでも香川の「うどん」については、べた惚れである。

知り合いの会社の若社長の家で、うどんをごちそうになるところを引用すると
「・・・今度は釜あげうどんがでてきた。これはうどんを茹でてお湯を切りそのままドンブリにのせたものだ。ここにかつおぶしを大量にふりかけ、こまかく切ったあさつきをパラパラとこれもかなり大量にふりかけ、そこに擦りおろした生姜を少々、最後に醤油と味の素をヒトフリかけてこれを手早くかき回すのだ。醤油はうどん全体がほんのりとキツネ色になるくらいがよろしいようで、全体がすっかり混ざったところで素早くフッハフッハずるずるフッハフッハずるずるフッハと食べていくのである」
といった具合だ。
これが、飾りの多いソーメンになると、とたんに冷たい表現になり、落差がはげしい。

中国の旅も、まだ開放経済など夢にも思わない頃の話。NHKのシルクロードの放映が終わったあたりらしい。そのシルクロードの現場を見るというのは名目で、実は本場のラーメン探訪をしたかったらしい。ところが、結局ありついたのは、へび肉ラーメンと発売したての中国製のインスタントラーメンだけ。内心、不満の残る旅といったところか。
不思議なことが一つ。この旅行記では、中国の服務員がかなり好意的に書かれているのだ。もちろん、昭和57年当時の旅行社のからんだ旅行だから、他の旅行記のような貧乏で怪しい青年の一人旅ではないのだから当然なのかもしれないが、仏頂面と「不没」の一点張りといわれることばかりの旅行記の中では珍しい部類。当時は、中国も、擦れていなかったということか・・・。

旅行当時から、かなり年数が経過していることもあり、古びた感じはいたしかたない。昔の日本と世界はこうでした、という感じで読めば、それなりに楽しめる。

2005年10月29日土曜日

横塚眞己人「西表島 ヤマネコ騒動記」(小学館文庫)

1998年5月1日初版。定価は457円+税だが、古本屋で105円税込みで購入。
脱サラ後のカメラマン生活の第一歩ながら、西表島のヤマネコを撮影するために、西表島に移り住み、ついには西表島を心の故郷にしてしまった横塚さんの数年間にわたる撮影日記。

とはいっても、最初から、ヤマネコをバンバン撮影できた訳ではないらしい。最初の移住の時は、生活資金が尽きて、奥さんにパートにでてもらい、撮影チャンスを狙う。ところが、周りの人からは写真家まがいのヒモに間違えられ、精神面でも疲れて、あえなく撤退。
2回目は、沖縄や西表島のガイドブックの写真撮影という収入源をみつけて資金面は、なんとかクリア。西表島に住居を構え、ヤマネコの撮影に専心するという運び。確かに、2回目の移住からは、筆者も西表島の住人っぽくなっている。
ヤマネコ撮影の努力についても、2回目の方が準備周到な上に念入りで、腰が入っている。1回目は餌付けやテレビクルーとのタイアップといった人頼みっぽいことが目立つのだが、2回目は、森の中に撮影用のテントと自動撮影装置を仕掛けて、森の中に泊り込む毎日である。当然、ムカデの大群に包囲されたり、やち沼のような底なし沼に落ちたり、生命の危険も増す。中でも不気味なのは、戦中に西表島の炭鉱に騙されて連れてこられ不慮の死を遂げた鉱夫たちの霊とも思われる青い玉に遭遇する話。
こうした危険と空振りを積み重ね、やっとのこと、ヤマネコの撮影に成功。どういうわけか1回成功すると、コツでもつかめるのか、撮影のご常連とでもいうべきヤマネコも出現する。
筆者は、この後、ネイチャーカメラマンとして、マレーシア、インドネシアなどのジャングルへ出かけることとなるようだが、きっと、このヤマネコ撮影で密林にとりつかれた、といったところか。
本の中心は、ヤマネコ撮影の様子やらヤマネコの様子の話が当然多いが、南の島の、なんとなくゆったりした暮らしぶりが、そこかしこに散りばめてあり、西表島の滞在記としても楽しい。

塩野七生 「ローマ人の物語 22 危機と克服〔中〕」(新潮文庫)

ネロの死後の3人の頼りにならない皇帝が即位している間、といっても、皇帝ガルバの即位が紀元68年6月で、三人目の皇帝ヴィテリウスの死が紀元69年12月だから、ほんの1年半ぐらいの間、ローマ人の同士討ちに触発されて、ゲルマン、ガリア、ユダヤで氾濫がおきる。

この巻の前半は、この反乱と鎮圧の話。ゲルマン・ガリアの内乱は、かなり大規模でローマもあわや、という側面もあったらしいが、なにやらガリヤ(今のフランス)とゲルマン(今のドイツ)の仲にスキマ風がふいたあたりから、急激に瓦解する。
フランスとドイツが仲が悪いのは近代に入ってからではないらしい。
現代でも、なにかといがみあうのはローマ以来の筋金入りというわけだ。

一方、ユダヤの内乱の方は、かなり長引く上に辛気臭いものがつきまとう。
宗教や、ユダヤ人同士の対立が見え隠れするせいだろうか、ゲルマンの反乱に比べ陰気な反乱。おまけに最後は篭城攻めをされて、あえなく敗北。非戦闘員もたくさん死ぬ、おまけに身内で殺しあう集団自殺のおまけつき。

巻の後半は、皇帝ヴェスパシアヌスの治世。反乱と内乱の後始末といった苦労なこともあったろうに、手堅い政治をしている。
ナンバー2のムキアヌスも有能だったようだが、この人も只者ではなかったようだ。容貌は、まるまっちい、風采のあがらない田舎の親父といったものだったらしいが、外面で人を判断してはならないというローマ帝国時代の見本のような人。

後継者問題、新しい税源問題といった難問を、着実にこなしながら、70歳で没。ローマ帝国時代の徳川家康といったところか。
(まてよ、時代はヴェスパシアヌスの方が古いから逆か・・・)

2005年10月27日木曜日

岸本葉子 「アジア発、東へ西へ」(講談社文庫)

北京への留学体験もある筆者の、台湾からインドネシア、中国、ヨーロッパにいたる旅行記。

インドネシアの工場へ働きに出る仲のよい兄妹。経済成長著しい中国(ハルピン)で勝ち組となっている外資系会社の秘書の女性と上司の中国系アメリカ人との、うら寂しい姿。
洗面器にもられたゆでた羊の肉を皆でほおばるモンゴルの話は印象的。この本の中で一番うまそうだった。引用すると・・・

「円テーブルにつくと、ほどなくして、大きな琺瑯引きの器が、湯気を上げて運ばれてきた。ゆでたばかりの羊の肉。・・・火がよく通った羊は、ゆで豚に近い白さだ。器からはみ出しそうな、切り口。黄色みを帯びた脂。皮は剥いであるが、ところどころ毛がついている。まぎれもない、羊の毛だ。
 (中略)
皿はない。めいめいが、手づかみでとっていく。
かぶりつくと、汁が腕を伝い肘までしたたり落ちた。テーブルの上がすぐに脂でぎとぎとになる。味付けはほとんどない。かすかな塩味のみ。香辛料も、ネギやニンニク、ショウガも入れていない。それでいて、どうしてこんなに臭みがないのか。
 テーブルに、話し声はない。肉と脂との間に吸い付く音。汁をすする音。歯のぶつかる音。噛む音。骨をしゃぶる、なめまわす音。・・・」

どうです。旨そうでしょ。

この後は、日本の戦争の傷跡も旅している。北方領土に残された日本人と朝鮮人の老夫婦。日本人の妻は一時帰国の道はあるが朝鮮人の夫の家族はすでになくなっており、帰るところもない。そして色丹の日本人とロシア人の間に生まれ、日本に墓参に訪れる男の子。日本では、返還が主張される北方領土だが、それぞれに様々な歴史と暮らしが積み重なって、どちらかの領土にするといった単純な図式が成り立つか疑問になってくる。

そして、共産主義崩壊後のロシア。暮らしつらくなる中で、共産主義を捨てない、あるいはなんとか暮らしのたっていた共産主義時代を懐かしむ老人の姿は寂しい。それと対比してアイルランド、オランダの話は、どことなく明るい。動乱の後の国とそうでない国の違いだろう。

最後は、インドの布の染色を家業にしている家を訪れる話とブータンの話。
1980年代から1990年代はじめにかけての旅行記なので、中国の加速化する一方で貧富の差を拡大する経済発展や、世界のプログラムセンターとなりつつあるインドなど、その後に様変わりをしているところもあるだろうが、アジアの一齣として楽しく読める一冊である。

岡崎大五 アジア飯店(青春文庫)

添乗員もやっている岡崎大五さんの若い頃のど貧乏アジア旅行記。
収録されている話のほとんどが食べ物にかかわるものなのが「アジア飯店」の名に恥じない。しかも、どれもが、安くてうまそうなのだ。
インドやパキスンタンのカレー、ベトナムのホビロン、トルコの臓物スープなどなど

特に、うまそうなのは、バンコクの油ギトギトのラーメン、バーミーヤワラーと南インドの富士山カレー。富士山カレーは、イラストもそえてあり基本はベジタブルカレーなのだが、なんとも魅力あるのだ。

能天気に食べ呆けている話ばかりではない。生活のために娘を売りに出さなければならないタイのアカ族の話もある。娘を売りに出す日、「明日は豚が食えるよ」と筆者に伝える父親の姿は悲しいし、おそらくはフセイン以前の時代であろうイランの親子に、ぼそぼそのチキンをごちそうになる話など。

基本として、筆者が20代から30代にかけて、金もなく(場合によっては、現地で旅行費用も怪しげな商売をして稼ぎながら)放浪している時で、年代的には1980年代後半の東アジア、南アジアの旅行記なので、筆者も、訪れる先の住民も貧しい。しかし、貧しいなりに、とんでもない活力にあふれていたアジアの姿が、ここにはある。

2005年10月24日月曜日

PCの電源交換しちゃいました。

CPUを換装(2.4GHz→3.2GHz)したら、電源がよく落ちるようになったので、ケース付属の350Wから460Wに交換。
(「玄人志向 KRPW-460W/12CM」をSofmap通販で買いました。20pinだけど、来年までは今のPCでがんばるつもりなので、安価を最優先。)
なんと、今までは最大パワーにしないと4つ同時には回転しなかったケースファンが楽々回転し始めました・・・・
心なしか、PCの稼動スピードも速くなったような気が・・・
古いPCでも、メンテナンスは大事ですねー

塩野七生 「ローマ人の物語 21 危機と克服〔上〕」(新潮文庫)

ネロが自殺した後のローマ帝国。
死後、ガルバ、オトー、ヴィテリウスと3人の公定が順番に即位するが、ガルバが6ヶ月、オトーが3ヶ月、ヴィテリウスが8ヶ月という短期間で入れ替わる。しかも、3人とも殺されるか、自殺。それでも、ローマ帝国は続いたのだから、屋台骨がしっかりしていて、民族が力を失っていない間は、少々、上がぼんくらでも大丈夫という実証。

ガルバは、血筋は良いが、人事にしろ財務にしろ、悪いほう悪いほうへ、わざわざ梶をきっていく方向音痴

オトーは、手堅い行政官だが、大事なところでひるんでしまい、結局、角を矯めて牛を殺してしまうドジ。

ヴィテリウスは、水に落ちた犬を叩きのめしたら、後で噛み付かれて重症を負ってしまう怠惰な大食らい。

といった感じなのだが、皇帝にならなかったら、それなりにまっとうな人生をおくれたんじゃないかと思う。どこでにでもいる人間が、これといった自覚もなしにエライ人になってしまい、とんでもない目にあうお話そのまま。

この間、ユダヤの反乱とかいろいろおきているのだが、とりあえず帝国は滅びない。
この巻では、水におちた犬(ドナウ軍団)が、落ちたのをいいことに笠に着ていじめた奴(ライン軍団)に仕返しをし、親玉のヴィテリウスを殺してしまうまで。本命(ヴェシパシアヌス)は次の巻から登場。

2005年10月19日水曜日

Vine Linuxのバージョンを3.2にUP

Movable Typeのバージョンをあげたついでに、自宅不定期サーバーのVine Linuxのバージョンもあげた。年内には4.0バージョンがでるよう。
バージョンアップは結構簡単。(PC JAPAN 11月号の記事を参考にした。)
やり方は
/etc/apt/sources.listを呼び出し、geditかviで「3.1」を「3.2」にすべて書き換え
その後
# apt-get update
# apt-get dist-upgrade
を実行
アップデートには1時間ほどかかる。アップデートが終われば終了。
再起動すると Vine3.2の画面になっている(はず)。

運転免許の更新に行ってきました。ついでに髪をカット。

運転免許の更新です。ほとんど休日しか運転しないドライバーですが、一応優良ドライバーです。
でも、最近の免許更新はスピードアップしましたよねー。1時15分ごろに免許センターに行って、2時30分には新しい免許証も受け取ってましたから。警察もサーびスあげてきているなーと実感。
時間の余裕ができたので、髪をカットすることに決定。車で5分ほどのところにある全国チェーン「理容プラージュ」へ。カット、顔そり、シャンプーでしめて1995円。普通の理髪店だと公定料金3700円はとられてしまうので、この値段はありがたい。1回の料金でほぼ2回いける感じですものね。2月に一回より1月半に1回の方が、印象よいものねー

2005年10月18日火曜日

MovableType3.2へ移行しました

Movable Type3.2の不具合も修正されたようなので、とうとう3.2へ更新しました。ついでに、といってはなんですがStyle Catcherも導入してテンプレートイメージ変えました。お仕着せのデザインではあるのですが、気楽に変えられて、私のようなきまぐれにテンプレートかえる人には良いですね。(自分でデザイン考えるの面倒くさいしね~)

2005年10月17日月曜日

ガンダムカメラ買っちゃいました

デジタルカメラが壊れたと思い買い替えるかなー、と思っていたら、設定を初期状態に戻したら、どういうわけか復活してしまいました。
ということで、デジタルカメラ用の資金で、息子のニンテンドーDSと、私と息子のおもちゃ用にガンダムカメラ買っちゃいました。デジカメの出物をネットで探していたら、偶然、価格.comで安売り情報をゲット。
ビッグカメラ.comで送料込み4,505円でゲットです。(在庫限りとなってました)
暗いところではさすがに、赤みがつよくてきれいな画像にはなりませんが、昼間ならかなりキレイに撮れます。おまけに動画もOKということで、しばらく遊べそうです。

2005年10月16日日曜日

毛ガニが届いた

弟のところから毛ガニが届いた。北海道旅行中のおすそ分けらしい。食べるのは明日あたりかな


2005年10月15日土曜日

椎名 誠「にっぽん・海風魚旅 怪し火さすらい編」(講談社文庫)

椎名誠さんの旅日記。土佐、能登、瀬戸内海の島・丸亀、五島、北陸、北海道の根室半島や野付半島、甑島など
当然、あちこちで旨い魚や珍味に舌鼓をうつことになる(著者の大好物、カツオも当然でてますよ)のだが、この本では、「うどん」が目立つ。
瀬戸内海の島、四国では当然のようにうどんなのだが、長崎の五島列島でもうどんである。
また、このうどんがどこも旨そう。日本人は麺類だなー、とあらためて実感。

それぞれの章で、著者が撮影した写真が掲載されているのだが、子どもたちの笑顔がどれも元気そうで良い。

収録は8編

○土佐の三角ミステリーゾーン

高知の室戸岬で、カツオとお遍路さんにまぎれこむ旅。
カツオのタタキが旨そう。

○海女ふんせん記

能登の旅。中心はの舳倉島。ここはバードウオッチャーのメッカらしい。舟しか本土との交通手段がないから、海が荒れて欠航すると宿にたれこめて延々と鳥の話をするしかないらしい。会社勤めの人は、当然、仮病でお休み状態。

○ヤマネコ島演歌旅

西表島の旅。何度目かの訪問らしい。昔、会ったちんちん少年や博多のみゆきと再会するための旅。ヤマネコには会わない(当然か・・・)

○瀬戸内海ジグザグ旅

瀬戸内海の橋げたになっている島や、なっていない離島への旅。出発地、丸亀では当然「うどん」。うどんの注文のシーンは、おもわず、こちらもうどんが食いたくなる。
島へ渡るには一旦丸亀に戻ってわたる以外ないらしく、丸亀のうどんは何度も登場。
あとは島の知人宅でのソーメン。

○五島列島かけのぼりはしご旅

福江島の空港から五島空港まで島巡り。うどんとカツオの話満載。五島のうどんも旨いようだ。出汁はアゴ(トビウオ)。<余談だが、うちのところでもトビウオをアゴという。出汁はとらないが、竹輪は旨い。子どもの頃は、おやつにもらっていた。)

○カニ這い前進日本海

富山である。越前である。当然、カニである。カニをくいまくる旅のお話。
(うちのところは松葉カニなのだが、食べるのが面倒臭くって、カニはそんなに  好みではない。好むのはカニの味噌汁までかな)でも、富山に限らず日本海の魚は旨いよね。

○まぼろし半島吹雪旅

北海道の根室半島の花咲、野付半島。やっぱり、カニ。日本人はカニ好きだなー。
ここはロシアとの貿易も多いから、ロシア人もたくさんいるらしい。
野付半島のあたりは、幕末に会津藩の北方警備のために藩士を派遣していたらしい。
今は見る影もないが、かなり人は多かったとのこと。会津藩って京都だけでなく、幕  末には、いろいろ頑張ってたんだ、と感心。

○甑島でたとこ行脚
鹿児島のはるか沖の島。北で冷えた体を暖めるためか。ここでは、マグロ。冷凍ものかと馬鹿にしていたが、どうしてどうして、近海もののマグロに普通の居酒屋で遭遇。
この島では、道に出会う人同士が、それぞれみんなが挨拶するとのこと、特に中学生。  確かに道で挨拶することなくなったよなー。知り合いに会っても、口の中でもごもご  だものなーと我が身を反省

宮部みゆき「幻色江戸ごよみ」(新潮文庫)

「本所深川ふしぎ草紙」「かまいたち」に続く江戸庶民のさまざまな暮らしを描いた江戸ものの短編集。下町の人情や怪異が語られるのだが、いずれの話も、なんか寂しさ、哀しさが漂うものばかり。それぞれに、いろんな境遇の中で、故郷から一人奉公にでているおかつ(鬼子母火)、不器量なのに、器量がよいと望まれて嫁にもらわれるお信(器量のぞみ)など、頑張って生きていこうとする話ばかりなのだが、突き放したような表現のせいか、一見、少しひんやりとした印象を受ける。しかし、最後は、そうした境遇にもかかわらず生きようとする姿、それを黙って支えあう周りの暖かい姿を感じ、救われる。

収録は「鬼子母火」「紅の玉」「春花秋燈」「器量のぞみ」「庄助の夜着」「まひごのしるべ」「だるま猫」「小袖の手」「首吊り御本尊」「神無月」「侘助の花」「紙吹雪」の12話

下手なネタ晴らしになるかもしれないが

第一話 「鬼子母火」

伊丹屋で神棚からでた小火にまつわる話。神棚から燃え残った注連縄に入れられたこよりに包んだ髪の毛を見つける女中頭のおとよと番頭の藤兵衛。
おかつという年のいかない女中の仕業なのだが、流行病で死に、ろくな供養もしてもらえなかった母親の形見の髪を注連縄に仕込んで、いつも拝んでもらおうという心根からの仕業だった。その髪を供養して燃やした後、おかつを心配して漂う母親の霊。
おとよがおかつの母親代わりになることを告げると、安心して消えていく気配。

田舎者っぽいおかつが母親を想う様子や、それを端から守ってやるおとよの姿に、ちょっと目頭が・・・。

第二話 「紅の玉」

老中水野様の奢侈取締りの中、病弱な妻をかかえ、生活に困っていく飾り職人の佐吉
に、見ず知らずの年老いた侍から、珊瑚の玉を使った銀のかんざしづくりの依頼が舞い込む。そのかんざしにこっそり自分の名前を掘り込む 佐吉だが、その侍が孫娘とともに、水野老中の腹心、鳥居の部下をかたきとして討ったことから、佐吉の運命も暗転していく。佐吉と女房のお美代の支えあう生活が哀しい。

第三話 「春花秋燈」

古道具屋へきた大店の奉公人らしき男に語る、二つの行灯の因縁話。
一つは、象牙の行灯。大店の主人の腹のぐりぐりを余命いくばくもない病と誤診し、 アヘン中毒にしてしまう医者の話。
もう一つは、若い夫婦が床入りしようとすると油もさしていないのにパッと明るく灯る
番いうちの一つの行灯の話。とある旗本の家で、妾が浮気が元で主人に相手の男に成敗されたことが因縁らしいが、男か女かどちらが無念に思っているのか・・・

第四話 「器量のぞみ」

美しい顔をもちながら、それが醜いと思い込んでしまう家の若主人から見初められて嫁に行く大女で不器量なお信の話。お信がその家にかかった呪いを解くが、のろいがとければ不器量なことがわかって追い出されるのではと悩むところや、娘ができて、その娘が旦那に似て器量が良いところから決心をつけるところが秀逸。

第五話 「庄助の夜着」

夜着とはパジャマでなく今の掛け布団のようなもの。
古道具屋で買った、朝顔の浴衣をほぐして襟あてにしてある夜着を被って寝ると、無念 の死を遂げた浴衣の持ち主の娘が枕元に立つ、と言う庄助。彼はその娘に惚れたという。
魅入られたかのように痩せていく庄助の一方で、庄助の勤める店の主人の娘の婚礼仕度は着々と進んでいく。そして、庄助はいずこともなく失踪してしまうのだが、その原因は、幽霊の娘を探すためか、主人の娘に惚れていて婚礼にいたたまれなくなったためなのか。

最後まで真相はわからないが、庄助のちょっと抜けてはいるが純朴な人柄が随所に出ていて、つい庄助に肩入れしてしまう一品。

第六話 「まひごのしるべ」

江戸でよくあったらしい迷子と火事の話。迷子札をたよりに親の家を訪ねると、父親がすでに亡く、母親とその子どもは行方知れず。しかも迷子は、その子どもとは風貌も年齢も違うらしい・・・。その子どもの身許を調べていくうちに、失踪した子どもの悲しい死と
、子どもの死にいたたまれずかどわかしを働く母親の姿が。

ほとんど子ども(ちょうぼう)を描いてあるところはないのだが、母親の様子や、迷子になった後、しばらく面倒をみる大工の女房の様子から可愛らしさが想像できる。それが想像できるだけに子どもを失った母親や、子どもをもっていない大工の女房の寂しさを感じさせる。

第七話 「だるま猫」

町火消しになりたくて入門したが、火事が怖くてドロップアウトしかけている青年、文次。
彼が火消しに再チャレンジするため、しばらく厄介になっている火消しあがりの居酒屋の親父から、被れば火事が怖くなくなるという頭巾を借りて火事場へ望む。
確かに火事は怖くなくなるが、その頭巾を被り続けると人に嫌われるようになるらしい。
嫌われようになるとは一体どういうことか・・・、という作品だが、ちょっと考え落ちが過ぎるかなーという印象。脈絡はないが、スティーブン・キングやブラックウッドの短編を思い出した。

第八話 「小袖の手」

古着屋で見つけてきた着物に因縁のあるそうなところをみつけ、母親が自分の昔出会った怪しげな事を娘に語る話。
出てくる怪異は、着物の袖から手が延びてくる「小袖の手」なのだが、そうと知っても、その小袖を着て、一緒に楽しそうに月見をする袋物商いの老人の寂しさが哀しい。

第九話 「首吊り御本尊」

奉公がつらくて店を飛び出すが、連れ戻された丁稚(捨松)に、店の大旦那が披露する、自分の奉公していたときに教えてもらった、奉公人の神様「首吊りご本尊」の話。
ご本尊と八兵衛(大旦那の話の主人公)の会話がしみじみとしている。
貧しくて奉公をしくじれば実家も飢えてしまう捨松が、奉公に慣れ、ひとり立ちしていく様子がよい。なんとなく元気づけられる話。

第十話 「神無月」

身体の弱い娘の治療費を稼ぐため、1年ごとに神無月(娘の生まれ月)に盗みに入る男と、それを捕らえようとする岡っ引の話。
病気がちで外で遊べない
娘に、小豆のお手玉をつくってやる男。
いずれ最後には、男の捕縛という場面が、予測されるようで、娘をできるだけ長く生きながらえさせるために悪いことではあるが、精一杯頑張る男に「つかまんなよ」と声をかけたくなる。

第十一話 「詫助の花」

看板屋の要助が、掛け行灯にいつも描く「侘助の花」の謂れを聞かれ、生き別れた娘を探すためだと喋った嘘。ところが、その娘だと、名乗る娘が現れた。どこかの大店の主人の妾らしいが、さして裕福でもない要助のむすめだと偽る理由は何だ、と要助の碁敵の質屋の吾兵衛が調べるが埒があかない。
そのうち、その娘は旦那に追い出されて行方知れずになってしまう。要助のところにもそれっきり。
天涯孤独そうな娘が、ふと家族を欲しくなっての仕業かな・・・・と思ったりして。

第十二話 「紙吹雪」

十数年かけて母親と兄の仇を討つ話。しかも、武家の話ではなく、借金のせいの一家心中から幼かったせいで残された娘が、母親に金を貸していた高利貸しの家に住み込み、仇を討つ。
屋根から、借金の証文を切り裂いて撒き散らすところが、西部劇っぽい。

2005年10月14日金曜日

最近、やたら眠いのです

「秋の夜長」であるはずなのに、最近、やたら眠いのです。小学2年生の息子と一緒に早いときは9時30分頃、遅くても11時あたりには眠ってしまいます・・・

2005年10月11日火曜日

ジェフリー・ディーヴァー 「生まれついての悪人」(ハヤカワミステリマガジン 2005.4月号)

最近、積読状態だったSFマガジンとミステリマガジンを集中的に読んでいるので、その中から。ミステリマガジンの2005.4月号は「悪女特集」
出だしは、年老いた母親が、出て行った娘と過ごした頃を思い起こすことから始まる。小さな頃は、無邪気だった娘が、だんだん親の言うことを聞かなくなっていくこと。悪い仲間と付き合い始め、外泊も多くなってきたこと、などが追想される。どうも、この娘、母親だけでなく父親にも反発していたらしい。
母親は、裁縫が得意で、父親は親譲りの倉庫業を営んでいるらしい。
娘はティーンエージャーの頃、万引きでつかまったことも。
その後、現在へと移り、娘が母親のところへ会いにくる場面へ。
母親は、宝石店での銃撃戦にまきこまれて腕に古傷を負っているらしい。
母親が今住んでいる小さな(しかし調度品は贅沢な)家へ娘が会いにくることに。
娘の不行跡の始末をつけようと、母親は護身用の銃を手にするが、撃てない。
そして二人が庭に出たとき、警察が到着するが・・・。
といったところで、娘が実は刑事になっていて、実は母親と父親は、強盗と盗品売買を手広くやっている、筋金入りの悪党であることが娘の口から喋られる。娘の手で母親は手錠をかけられるが、母親は、ろくでもない娘だと。
万引きは、親の盗んだものを返しにいってつかまったもの、悪い友達は、盗みに手を染めない優等生たち、といったことらしい。
最後まで読めば、なんとはない落ちなのかもしれないが、娘を持ってい父親としては、だまされてしまう短編。

NAS設置しました・・・

BUFFALOWとかI-O DATAでなく、V-GEARのLANDISKです。
(実は古いPCでLinuxサーバ立ててるんですが、流行に流されました。)
内臓させるHDDには、余っていた60GのHDD(当然、シリアルではありません。)を利用しました。
ケーブルの押し込みが足りなくてちょっと傷つけてしまった程度のミスはありましたが、
マニュアルに従って、かんたーんに組み立て完了。・・・・・と、思いきや、障害発生。
はまりかけたのはHDDのフォーマット。当初NTFSでフォーマットしていたため、
リンクステーション添付のソフトで再フォーマットしたところ、30数Gしか認識しない。
何故なのか、しばらくわからず途方にくれていましたが、マニュアルを読み返しているうちにしか対応していないことが判明。
30G×2のパーティションに切り直したところ、無事解決。
全体で60Gで認識しました。
SAMBAの設定も、マニュアルに沿ってやれば苦労もあまりなく、ファイルサーバができました。
マニュアルによればFTPもできるそうなのですが、なんとなくセキュリティの心配があって、これは自重。
使ってみると、USB端子がなくてプリンタサーバにならないのと、転送速度が、ちょっと遅いかなーと思いますが、¥9800+HDDパーツ代でNASが手に入ると思うと、結構、お得(・・・と思います。特に家族から、PCのHDD容量が少ないだのと言われているときは有力な選択肢かと・・。)


2005年10月9日日曜日

今日は本のスキャン三昧

今日は何も予定がないことをよいことに、溜まった雑誌のスキャンと読み飛ばしです。SFマガジンやらミステリマガジンもずいぶん読んだし、デジタル保存も結構できました。プライベートでPCの前に一日座っているのは久しぶりです。

山田 和 「インドの大道商人」(講談社文庫)

1988年というから、今からほぼ20年前に、インドを旅して、そこの大道商人からのインタビュウと写真をまとめたもの。数年間をかけてインドを旅して、都会ばかりでなく外国人が足を踏み入れることのない地方の村まで、床屋から野菜うり、土器売りなどありとあらゆるインドの大道商人のインタビュウを残した著者の熱意と酔狂さには脱帽。
しかし、いろんな職業があるものである。野菜売りなど日本でもありそうなものから耳掻き屋まで、さすがインドやー、という感じ。
しかも、挿入されている写真のいずれも良い顔をしているものばかり。みんな自分の商売を誇っているんだなーという感じが伝わってくる。紹介されている商売は、インドの街角というか道端でくりひろげられていた商売ばかりなので大儲けできるものではない。インドの人々の日常を支えている身近なものなんだが、みんな明るい、良い顔をしている。特に親父さんやお袋さんの近くにいる子どもたちが良い顔をしている。きっと、親の跡を継いで商売することに疑問はないのだろうなーと感ずる顔である。
本がまとまったのが、1988年で、あとがきにもあるように、インドは、その後、ひどく変貌しているはずである。とりわけ、世界のプログラム工場となって以来、こうした、ある種、平和な大道商人の世界が残っているかどうかはわからない。
しかし。しかしである。きっと広いインドのどこかで、こうした明るい顔をした大道商人が、元気よく商売している姿を望むのは私だけではないはずだ。効率だけを物差しにするのは欧米や日本、韓国(中国はその影響下に入ってしまいつつあるが)だけでよい。効率だけでない尺度の存在を、悠久の大国インドに望むのは我儘だろうか。


2005年10月8日土曜日

ゲッツ板谷 「タイ怪人紀行」(角川文庫)

ゲッツ板谷(金髪デブ)と鴨志田 譲(兵隊ヤクザ)、はせぴょん(やたらいいかげんらしい場へ編集者)の繰り広げる、乱暴な紀行記第1弾。舞台はタイ。
1枚目の写真の女の子は無邪気で可愛いが、あとは不思議なおっさんたちの写真多。
鴨志田さんは、たしかに漫画家の西原理恵子さんの旦那さんだったことがある人だけど、この本で読む限り、ぶち切れしやすい、危険な人らしい。それにも負けず、ゲッツさんも危険なにおうがするのは私の気のせいではないだろうし、その二人が東南アジア、「タイ」となる危険とトラブルは倍加していくのは間違いない。
それにしても、こうした危険な人たちには、どうして同じような危険な人や出来事が寄ってくるのだろう。日本で金持ちのボンボンとおもわれているトゥクトゥクのドライバー、
やたら吐きまくる麻薬治療の寺院。タイで最強であったバレーボールチームのオカマのキャプテン。うそくさい(本当らしいものもないのかもそれないが)心霊治療のおばさん、
ミイラや切断された腕などが陳列されていてタイ人に人気の外科博物館。
極めつけは、ゲッツさんのレモンちゃん(ちなみにオカマ)への悲恋物語かな。

タイ料理や下川裕治さん風のとろとろとしたタイ紀行を期待すると裏切られるが、タイの奇人や得体のしれない物事を、はたから見物しようという気持ちで読むとよい。

2005年10月6日木曜日

作業環境(3)

2001年9月購入のCompaqのデスクトップ(初めて買ったPCです。)
会社のPCは使ってましたが、私の実質的なPCライフはこれから始まりました。
スペックはCeleron 733MHzと今では物足りないレベル。
でも、Vine Linuxをいれてサーバ機として現役復活(結構、愛着強くて、捨てられないのです


作業環境(2)

自作2号機(1号機は娘専用になりました。)  今の私のメイン機です。
サーバ機の操作もこれでやってます。(スペックは、Pen4 3.2GHZ(socket478版)、メモリ 1G)
今の私の利用形態では、音がウルサイぐらいが(爆音っぽい)難点で、支障は感じていないのですが、最近のものに比べると古さは否めません。 (かといって3号機の資金は貯まっていないしな~)
サーバ機の操作もこれでやってます。


作業環境(1)

自宅の寝室とつながっている屋根裏部屋が、私の部屋兼PCルームとなっています。
夜遅くや朝早くに、PCを稼動させるので、時折、家族に驚かれています。
なお、屋根裏部屋にクーラーはなく、PCルームとしては最悪の環境。
夏は暑さとの闘いの日々です(冬は暖房いらずですが)。(今年も、何度かPCが落ちましたが、なんとか乗り切ってます)
ディスプレイは2台でデュアル稼動中。
スキャナは、古めのフラットヘッドとScanSnap
プリンタもかなり古め。でも年賀状とゲームの攻略情報のプリントアウトぐらいなので、十分現役。


2005年10月5日水曜日

宮田珠己「旅の理不尽」(ちくま文庫)

現地の人との暖かいふれあいとか、旅で出会う日本とアジアとの違いなど、賢くなることを期待して本書を読んではいけない。

著者の弁によれば、著者は一介のサラリーマンで、夏期休暇や会社員の当然の権利である有給休暇を取得したり、その他当然ではない権利もいろいろ取得したりして、成し遂げた旅の記録であるからだ。

当然、旅先ではいろいろな事件がある。

チップが少ないと、熊を観光客にけしかけるトルコの熊男にには勝っても、みやげ物売りには負けたり、食べかすをはき散らす中国人のまねはするが、ボールいっぱいのウーロン茶に閉口したり、ハノイで地元の美しい女性と交流を広げようと思うが同行者に邪魔されたり、マジックマッシュルームでバッドトリップしたり・・・。

一言でいえば、日本の若い「にーちゃん」のいーかげんな旅行の記録なのである。

しかし、はちゃはちゃ旅行記と割り切れば、結構、面白い。

なにせ、余計な現地の歴史への思いなどはないし、日本の現在へのじゃまくさい思い入れや反省もない。所詮、外国へ頻繁に旅行できるのは、やはり国力があることには間違いないし、豊かであることにはかわりない。
それは、こうして旅をする人々の罪でも功績でもないわけで、彼らは旅をしたいから、当然でない権利も行使して旅をするわけだ。でも最後の香港の女の子とのラブロマンスになりそうで、ならない話は、著者の後悔が随所に滲んでいるようで、悲しくも可笑しい。


ノー天気でも旅行記は旅行記の一冊である。

下川裕治「アジアの旅人」(講談社文庫)

下川裕治さんお得意の東南アジア諸国の旅行記、滞在記。この人が東南アジア、特にタイについて書いたものは、東南アジアの川のように、とろりとした雰囲気が漂ってくる。それは、この人が、しっかりとタイの人々や風物への愛情を持っていせいだろう。どこでも寝てしまうリキシャの親父や、混雑がひどいにもかかわらずマイカーを使い続けるタイの人たちへの目線が非常に暖かい。


また、第2章ではタイだけでなく周辺の地域(ラオス、バリなど)についても広げられていく。それぞれに事情は違っているが、やはりそこはアジア。たくましく、そしてどこかルーズなエピソードがあふれている。たくましいといえば、「明日(買う)ね」といった著者に「明日、買うといったじゃないか、さあ買え」とタバコを売りつけてしまうおばさんのたくましさには笑ってしまう。(アラビアでも「ボークラ」(明日)といえばしつこい商人も退散するというのに、ベトナムのおばさんは、それを上回るわけだ。もっとも著者は路上売りの掟破りといっているが)

続く第3章では、アジアにおける牛肉と豚肉と犬肉のうまさの比較、ヤシの木の汁を原材料にした幻の「ヤシ酒」、水害に悩まされながらも水と縁の深いタイの人々の暮らし、そして、日本の中の東南アジアといえる「沖縄」について語られる。

東南アジアの旅行記として、安心して楽しめる一冊。章間のコラムや写真も楽しい。特にチャーハンや麺類などの食べ物の写真は、どれも美味しそうで食べたくなるのは私だけだろうか。

下川裕治 「アジアの友人」(講談社文庫)

「アジアの誘惑」に続く第2編。

今回の著書は、アジア特にバンコクにおける、気楽そうな現地の人たちとのやりとりだけでなく、タイ人の日本での不法滞在という陰の部分についても及んでいる。

アジア、特にタイに関わってきた著者の昔から今めでの鳥瞰ができる一冊。
途中、旅で出会った特色ある人や物事を書いたコラムも、非常に面白く、お薦め。

第1章では
売り手と買い手の間の交渉価格が値段であって、定価というもののないアジアの物の値段、と金持ちはたくさん払うべきだというアジアの二重価格の根底にあるはなはだしい貧富の差。香港の重慶マンション(たくさんの旅行記でおなじみのバックパッカーのメッカ)の昔の思い出と香港返還の重慶マンションの様子。アジアでは、やたら眠りたくなるという著者のアジアでの昼寝へのこだわりの話しなど。
そして、この後の著者の沖縄への傾斜が垣間見えはじめている。

第2章では、一転して、日本におけるタイ人の話。
タイに深く関わり、そのため、日本へ不法滞在してしまうタイ人にも深く関わってしまった著者がと、賃金のピンはねや異国暮らしに疲れながらも、不法滞在し、強制送還され、
それでも金を稼ぐに日本にやってくるタイ人の姿が描かれる。(景気がよくて国際的な出稼ぎ場所だった頃の日本の姿として読んでもよいだろう)
タイ人の在日韓国人との結婚の話(「仁和とミカの結婚物語」)に、日本も複雑な国際社会であることに、ふと気づく。

第3章は、アジア、特にタイとの20年を振り返っての随想。外へ外へと向かっていた頃の日本を感じる。貧乏ではあったが、好奇心と元気にあふれていた時代。そして、ファッションや逃避のようにスーツケースを抱えてバンコクに沈没する今の時代の旅 など。

下川裕治 「アジアの誘惑」(講談社文庫)

忙しすぎる日本と、「飽きた」の一言で仕事をやめてしまう東南アジア国々の人々や蚊取り線香でも死にそうにないアジアの蚊と蚊がとまる瞬間に蚊をたたけるアジアの人、そして国境ともいううのもおこがましい田舎の国境地帯の話など、下川裕治さんお得意のアジアネタの数々。特に、最悪の乗り物の一つである「アジアのバス」の話も登場


第2章ではアジアの歩き方についての下川流のウンチクが傾けられる。例えばアジアを歩くには、三日以上フロに入らなくても平気とかゴキブリのいる店で平気で食事できるとか、ちょっと偏見なのかもしれないが、役に立つ(かもしれない)アドバイスが語られる。

私のような「アームチェア・トラベラー」はこうした小ネタに弱い。まるで旅をしてきたかのような錯覚さえ覚える。

第3章はアジアの旅やアジアの人への随想。著者がアジアの旅を始めた頃と比べ、アジアそのものが変わってしまっていく話や、フリーランスを目指しながら売れてくると、やはりサラリーマン社会に組み込まれていくといった話は切ない。

そして、アジアと日本に関しての最近の陰の部分、借金漬けと不法滞在の話が語られる。しょせん、日本人は「西洋人の顔をしたアジア人」でしかないのかもしれない。それは、異国情緒と貧乏旅行の話を好んで読んでいる私の姿ともオーバーラップするのだが。

塩野七生 「ローマ人の物語 20 悪名高き皇帝たち[四]」(新潮文庫)

今に至るまで、暴君、暗君として評価されるネロの登場である。

しかし、この本を読む限り、馬鹿でどうしようもない皇帝ではない。
特に統治の最初の頃は、セネカなどの補佐が良かったせいかもしれないが、ローマ市民や元老院の評判は悪くなかった。むしろ熱狂をもって迎えられていたとは意外。
もっとも、見栄えのしないクラウディウスの後なので、若くて見栄えがよければ、誰でもよかったのかもしれないが・・・・。


ただ、ネロの言行を見ても、そんなヘンな奴ではない。優柔不断だったり、ボンボンっぽいところで、なんか的外れだったりするところはあるが、自分を神だといって悦にいていたカリグラに比べれば、ずいぶんマシな皇帝である。いろんなことが気にかかって、結局何も、まともに仕上げられない気の優しい優等生の典型なのかも。

もっとも、やたら歌を評価されたがるところは、願い下げの感はある。こういった旦那芸の披露が不人気に結びついているんじゃないだろうか。最後は、元老院からも市民からも見放されて、自死させられるのだが、旦那芸の無理強いが遠因ではないかと思うことしきり。芸は身を助けなかったわけだ。

ネロの死によって、アウグストゥス以来の皇帝の血統は絶えることになる。ネロまでは、やたら血統にこだわっていたローマ市民も、これ以後はカエサルの血統にこだわらなくなるそうだ。一般の市民が飽きっぽいところは、どこでも同じようだ・・・

2005年10月3日月曜日

xoops導入失敗

Xoopsの公式サイトへアクセス
コアパッケージの安定版(2005.8.15リリース)tar.gz形式をダウンロード
(これはwindowsPCへ)
このファイルをFFFTPでサーバに転送
ファイルの所有者をROOTに変更
PHPは5
MySQL導入済み(Movable Typeの導入チャレンジの時に)
コアパッケージをサーバー上で解凍(home/httpd/xoops上に)
解凍してできたファイルのうちhtml内のファイルを/home/httpd/htmlへ転送
http://localhost/home/httpd/html/index.phpを実行
インストールウィザードが開始
MySQLのデータベースなどはMovable Typeで作成したものを使用
サーバー名はlocalhosまたはとサーバー名のもの両方でトライ
ドメインはグローバルと内部(192.168.*.*のもの)両方でトライ
最後の確認場面まではいくが、完了の文字が下のウィンドウに表示された後は
画面が白くなったままで動作しなくなった
駄目だ・・・・・

2005年10月2日日曜日

帰ってきました

神戸から帰ってきました。みんな結構へとへとです。定番の水族館、異人館、南京町、ロープーウェイといったところを巡っただけですが、面白かったですよ。移動には、ループバスを使ったのですが、結構快適。神戸観光にはお奨めです。

神戸に家族旅行(6)-私の土産はキーボード

旅行に出かける前に、PCのキーボードの足を壊してしまったので、ドスパラでドスパラオリジナルのキーボードを買いました。メカニカル方式で、2980円。
ドスパラ店内で、奥さんと娘は、通常の家電量販店と違う雰囲気に引き気味。
息子は、マイペースで近くのPCでスパイダーソリティア。

神戸に家族旅行(5)-お昼は南京町

お昼は、南京町のお店で。歩きつかれたところで、テキトーに近くの店に入ったので店名失念。
私:汁そば+点心のセット
奥さん:焼きそば+点心のセット
娘:炒飯+点心のセット
息子:五目汁そばの単品


みんな満足。
食事後、歩きながら買い食い。ドラゴンフルーツ、マンゴー、えびせん など

神戸に家族旅行(4)-異人館あたり

今日の午前は、神戸観光の定番「異人館」あたりを散策しました。結構日差しが強く暑かった・・・。
奥さんと娘は、ガラス細工や小さな置物にいたるところで引っかかっている。
息子は、退屈でしょうがない様子


まわったのは、「うろこの館」「旧中国領事館」「風見鶏の館」「英国館」「ベンの館」など
キャンペーン期間なのか、小学生の息子には、壜のお菓子のつかみ取りサービスあり。
萌黄の館は、半分パス(アンティークドールがいっぱい飾られている部屋がたたため。アンティークドールは、私も娘も非常に苦手)
息子は「ベンの館」の動物の剥製が一番のお気に入りだった様子。

神戸に家族旅行(3)-日曜日の朝食

古くからあるらしい、「にしむら珈琲店」で朝食
セットメニューの、サラダセットとフルーツセット。両方700円

                 =お得なサラダセット=


                 =お得なフルーツセット=

2005年10月1日土曜日

神戸に家族旅行(2)-夜は鉄板焼き

夜は、三ノ宮の「ふじ」という鉄板焼きのお店で食事。鉄板に焼くというより、厨房でつくったものを鉄板の上に皿ごとのせて食する。(鉄板は保温用?)
              =カラっぽになった皿=

神戸牛のステーキ、塩タン。地鶏のもも焼きとつくね。野菜いため。豚そば飯など。4人でしめて1万円弱(お得感、非常にあり。お奨め)
ホテルについてシャワーを浴びたら、10時過ぎには寝てしまった。健全・・・


神戸に家族旅行(1)-須磨海浜水族園

10月1日の目的地は須磨の水族館。須磨の駅からバスで5分ほど
(駅前のバス乗り場の近くの店で入園券付き市バス乗車券を売ってなので当然、購入。こういう割引ものには非常に弱いのです。でも一人あたり260円お得)
水族館は、昔ながらの感じがするオーソドックスなもので落ち着きます。
奥さんと息子は、イルカショーがお気に入り。
娘は、イルカショーはくだらないといって私と別行動。
サカサクラゲがカワイイとか言っている。(正直、感覚わからん)

                                         == 娘のお気に入りのサカサクラゲ ==

「アマゾン館」というところにいた「ヤドクガエル」は、うちにある食玩のフィギュアとそっくり(あ、逆だ。フィギュアが実物そっくりなんだ)。
海洋堂さん、あらためてエライ、拍手!!!。
家族は、「うちのと一緒だ~」と大はしゃぎ(知らん人が聞いたら、ヤドクガエル飼育していると誤解するぞ、おい)