2006年2月7日火曜日

赤いウィンナー

小泉武夫さんの「不味い!」を読んでいると、幕の内弁当のところで、こんな風に書かれている。


この(幕の内)弁当の本来のおかずは、卵焼き、カマボコ、シイタケ、鶏煮付、魚の照焼き、栗の実のふくめ煮である。とすると、俺の買った幕の内弁当のおかずにかなり似ている。魚の照焼きの代わりに焼いた塩鮭を置き換えれば昔の幕の内のおかずは大体揃っている。問題は余計なものがあることで、それはウィンナーソーセージとパン粉をからめて揚げたフライとハンバーグである。

 ( 中 略 )

食紅で染められたような真っ赤なウィンナーソーセージは噛むとモソリモソリとしていて、とてつもなく大不味。


赤いウィンナー、ボロクソである。
たしかに赤いウィンナーは、上等なものじゃないけれど、私としては「魚肉ソーセージ」と並んで愛着があって、単純に旨い、不味いでは語れない。


鎌倉ハムのPRではないが「お弁当といえば、赤いウィンナー」なのである。

しかも、普通のお弁当ではなく、遠足とか運動会とか、大イベントの時のお弁当のメインイベンターが「赤いウインナー」だったのは私だけではないのでは・・・という思いにかられるのである。

その「赤いウィンナー」も単純に背に切れ目が入っているのではなく、タコさんであったり、カニさんであったのも、きっと、私だけではないはず。

おまけに、この炒めてる油が上等なものではなくて、ちょっと脂ぎっているのが、このウィンナーの必須条件。

ところが、である。

この「赤いウィンナー」の凋落は著しいものがある。もはや、誰も、ごく当たり前のものとしてお弁当に入っていても、喜ぶ人は少ないのである。


うちの子供たちも幼稚園あたりまでは、お弁当に入っていると、ごく単純に喜んでいたはずなのだが、いつの間にか、当たり前のように喜ばなくなってしまった「赤いウィンナー」の流転に同情してしまうのである。

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