2005年12月11日日曜日

下川裕治 「バンコク下町暮らし」(徳間文庫)

筆者がバンコクに語学留学した時の暮らしのあれこれ。
とはいっても、今回の留学は一人きりでのバンコク滞在ではなく、奥さんと二人の娘さんを同行した家族連れの留学だから、暮らしぶりも、今までの貧乏旅行とは違ってくる。

生活するところも、バックッパッカー愛用の安宿というわけにはいかないし、一日中、家の中に閉じ込めておくわけにはいかないし、子供のことだから病気もする。暮らしも多面的に、その地と濃く関わったものにならざるをえない。

この娘さんたちが通うことになる幼稚園のエピソードの数々が、この本を読んでの収穫の一つ。

例えば、2歳以上しか預からないとなっているのに、一人で通園してくるのは可愛そうだからと1歳の妹も入園できたり、

通園してくる時間は7時半から9時半まで、園児によってさまざまだったり、

パジャマのままでも通園できたり

結構、自由というかいい加減なのだ。

それと、もう一つが、タイの子供たちの暮らしにも、日本が色濃く入っていること。
それは「アニメ」。
タイの若い人の中には「キャンディキャンディ」を見て育った人も多いらしいし(このアニメを知っている人は、日本では結構年配かもしれないが)、ドラゴンボールが大人気だったり
(そういえば、台湾のホテルでTVを見ていたら、日本語のアニソンが流れて驚いたことがあったなー)

日本のアニメは偉大だなー、と感心しきり。そういえば、世界に通用する日本の文化は、カブキ、スモウ、そしてアニメだ、といった話もあったような。

普通、旅行記や滞在記といえば、貧乏旅行であったり求道的な旅行であったり若気の至り的なものが多いのだが、この本は、普通の日本人一家が、普通にバンコクで、普通に暮らした、ちょっとほっとするバンコク滞在記である。

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