2005年12月8日木曜日

今井千香子「アジアのミラクルパンチーインドネシア絶叫、爆笑生活」(徳間文庫)

インドネシア人の旦那さんと結婚した今井千香子さんが、旦那さんの実家のインドネシアで暮らしているときのインドネシアの滞在記(「アジアのミラクルパンチーインドネシア絶叫、爆笑生活」(徳間文庫))である。
東南アジアの滞在記や旅行記といえば、タイやベトナム、フィリピンなどがメインだから、インドネシアの滞在記は珍しい部類に属すると思う。しかもイスラム圏である。思いもつかいないことがあるんだろうなー、と思いながら読み進める。

勇気というか、すごいな、というのが第一印象。なにせ、彼女、インドネシアのことはほとんど知らないようなのである。そこを、エイヤッと住んでしまうところが、やっぱりエライ。
空港の出入り口を出る瞬間、インドネシアの暑い気候に初めてふれ
「これは、空気ではない。熱くて、甘くて、色も形もないカタマリが、伊kkyに口の中に入り込んだのだ。」というあたり、熱帯の国に初パンチをくらう筆者の姿が見える
ところが、一旦住み始めると・・・元気なのである。冷蔵庫などの電化製品がないことはいうに及ばず、電話も満足につながらない、トイレに紙もない、といったさまざまな面で極端に日本と違う環境に、マッチしてしまうのである。そして、現地の生水や食べ物を到着その日から口にし、下痢に悩みながらも、溶け込んでいってしまうのである。
学生バンドのタカリに憤慨したり、いろんな手続きについてまわるマイナイ(賄賂)の風習に悩んだり、順風満帆というわけではないのだが、家の立て替えなどをへて、現地の人になっていくのが爽快である。
コンピュータのレンタルと使い方を教える教室プラス日本語と英語を教える教室を開くが採算がとらず閉鎖したり、日本人ヴだというだけでお金持ちと思われ、借金の依頼が絶え間なかったり
そして出産である。子供は生めば生むほど悪いものがでて元気になるというおばさんがいれば、陣痛がおきているときに、腹いっぱいくえとか、生まれたら生まれたで、赤ちゃんは「サンピン」という布でぐるぐる巻きされたり、魔物から守るために、午後6時になると抱っこされてショウガに似た香辛料を齧って汁いっぱいの口でペロペロなめられたり、まあ、いろんな風習があるものである。
結局、その後、インドネシアを離れ、再び日本で暮らすことになるようだが、彼女が言う言葉「インドネシアはかき混ぜて粉まで飲んで、ようやくおおいしくなるんだよ」という言葉がインドネシアへの愛情を表しているのだろう。
タイやベトナムなどの東南アジアの話に、ちょっと飽きたらお奨めの本である。

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