江戸のお武家の暮らしから吉原まで、江戸常識満載である。
時代小説や時代劇好きの人は、全編通じて楽しく読めると思う。ただし、あまり続けて一度に読むと薬味だけを続けて食べているような感じに襲われるので、少しずつ、楽しむのがオススメ
ちょっと、中を紹介すると
三百石以上の旗本の門には門番所がついていて門番がいるが、二百石になると門はあるが門番はいない。門に並んだ通用口の片扉に鎖がつけてあって、その先に徳利がぶらさがっている。これに石でもいれて釣り合いをとり、押せば扉が開くし、入ってしまえば自然に閉まるようになっていた。徳利が門番をしていたわけで「徳利門番」といった(門構えで格式がきまる)
元来、仇討は親族のうち、目上の者の敵に対して行うもので、子の仇を父が、あるいは弟の仇を兄が討つことは許されない。
また敵の動静を探るために、敵の家の下僕として住み込んで、すきを見て討つ、などは許されない。いったん主取りをした家来が主人を討つということは、たとえ「仇討ち」であってもその前に「主殺し」という大罪がつく(友人の仇討はでしゃばり)
ちょっと以外だったのは
江戸の湯屋はたびたびの禁令にもかかわらず入れ込み(混浴)が多かった。江戸の女性は勇敢なもので、かなりの身代の町屋の娘も下級武士の娘も、毎日見かける男の身体にはさして興味も示さず入浴した(混浴も平気な江戸の娘)、という話
(ただ、杉浦日向子さんの本では、若い娘が湯屋に入るときは回りをおっかさんやら近所のカミさんで固めてあって、近くの男が目をやったりちょっとでも変なそぶりをしようとすると冷水を浴びせられたり、とんでもない目にあったそうだから、江戸の娘は平気だったというよりも別の形でガード措置がされていた、ということか。)
そのほかに、江戸っ子の条件には職人であって、日傭取りであることがあって、宵越しの銭はもちたくても持てない貧乏人であることを意味したから、堅い商人は、江戸っ子と呼ばれることを大変嫌がった(江戸っ子は自慢にならない)
などなど面白い話がかなり詰まったオススメの江戸情報本です。
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