2011年12月29日木曜日

原尻淳一 「PLANNNING HACKS!」 (東洋経済新報社)

「PLANNNING HACKS 2.0」が刊行されたところなのだが、そちらは注文したもののまだ届かないので、第1作をレビュー。若書きのせいか、かなりシャープに尖っている雰囲気がばちばち伝わるHACK本なのだが、HACK本はこれぐらいの電撃感があるほうが刺激があっていい。

最近様々な場面で見る「HACK」という言葉を流行らせた元の一つといっていいのが本書

目次は

Chapter1 企画システム・ハック 変数の代入式
Chapter2 アイデア発想ハック 量と質
Chapter3 プランニング・ハック 失敗と本質
Chapter4 プロジェクト・ハック コミュニケーションとモチベーション
Chapter5 プレゼン・ハック 離見と保険
Chapter6 実践編 コンセプト・ハック 文脈と応用

となっていて、まずプランニングで必要なことを総覧しようとしているのは間違いない。

だが、本書の良さは、よくあるプランニングの紹介本によくあるようなきれいなテクニックや横文字の技術論をとやかく論評するのではなく、ちょっと泥臭くプランニングについて論ずるところだろう。

少々の要約はあるが、例えば

P78
発想のヒントは現場にある
真実とは何か。それは自分の眼でみて確信したこと
発展途上国の現地で暮らしてみると貧しさを実感できない。そもそも何をもって貧しいとするのか。
自分でやってみる。そこでの納得感と違和感を大事にする


P80
量質転化=継続は力なり
現場を何百回も踏めば、何か本質的なものが見えてくる
・飲料のマーケティングでコンビニを100店舗回って、飲料の棚をひたすら観察する
・週に最低5回は書店を回って、いろいろな本の目次を見る

P150
鶴見良行「東南アジアを知る」
一つだけ、キーパーソンつまりリーダーの資格をあげると、その人物は他の参加者たちよりも五倍も十倍も対象にトチ狂って、自分が面白くなっていなければなりません。キーパーソンは、自分は面白くなくて、どうして会員をひっぱっていけるでしょうか

といったあたり、「企画」というものにかける「気迫」を感じて、このあたりなんとも好ましい。
この歳になって、いわゆるシンクタンクやイベント屋とつきあった経験もそれなりに増えてくると、個人としての熱意とか気迫といったものが、通常の企画より力をもつってなことを感じることは多
く、やはり人間、ヤル気だよな、てなことを思ってしまうのである。

テクニック論はさておき、企画、プランニングというものにちょっとかけてみようかな、という人は必見の一冊といっていい。

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