2011年12月24日土曜日

鶴見良行 「東南アジアを知る」 読後感

小山龍介さんのHACK本で、そのアウトプットの仕方がよく紹介されているので、興味を惹かれて呼んだのだが、いわゆる文化人類学の研究ノートというよりは、アウトプットの仕方や、表現、思考をするにあたっての立ち位置の取り方、とかのHACK本の走りという形で読んだ。

1944年に亡くなった研究者だから、いわゆるWindows以前のPC環境で、情報の扱い方などは、当然、技術的な面では時代を感じるのだが、手法やスタンスは学ぶべき点が多い。

例えば、文字史料へ頼り切る学会の手法を批判し、彼が主要なテーマとしていた「東南アジア認識」の手法を語っている

①現物、現場にたずさわること
②歩くこと
③田舎の重要性、辺境の重要性

といったところは、われわれがビジネスに携わる上でのスタンスに読み替えてもよく、とりわけ③の「辺境」「田舎」の再認識ということでは、中心(今の流行と読み替えてもいいだろう)から離れることによって、今までの既定の枠の中から離れる手法が示唆されていると思うのは、私の錯覚か・・・

まとまったレビューは別のところでやるとして、小山龍介氏の思考の原型をたぐっていったような気がする一冊であった。

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