2011年4月25日月曜日

奥野宣之 「情報は一冊のノートにまとめなさい」(NaNaブックス)

ノート術のはしりとして超有名になった奥野宣之氏のデビュー作。この本で紹介されているノートは、B6の小さなノートに全てを記録しようということで、一頃は、この本で紹介されていた百円ノートを持った人がビジネス現場に溢れていたように思える。時代は変わって、スマートフォンがかなり普及し、Evernoteが一般に流布するような時代になって、一頃のような百円ノートのブームは落ち着いたように思えるが、この本で筆者が訴えていたエッセンスは今でも普遍のように思える。

私なりに抽出すると

・情報はとにかく、何でも一つところにまとめる(この場合はB6ノートだ)
・安価なシステムにすること(高価なシステムは長続きしない)
・分類せずにひたすら日付順に、どこでも記述すること
・検索する仕組みはつくっておくこと(本書では日付と
タグと題名をテキストファイルにまとめる形だ)
・メモは捨てない
・ペンは何でもいい(あるいは、どこにでもペンを置いておく)

といったことだろうか。


そして、こうして、全ての思いつきや日々の記録を一つのところにまとめ、時に見返して反芻し、関連する項目をまとめたりして発酵させることで、知的生産活動を活発化させようということであるように思う。本書中にも「基本的には、量が質を作っている」という言葉があるが、すべてをメモしたり記録することによって発酵する「量」をつくることが大事なのだろう。

ただ、こうしてつくりあげたメモ帳群は、本書では「物」として保管していくように提案されているが、ドキュメントスキャナが普及してきた現在では、切り離してデジタル化しておいた方が良いかもしれない。確か、同じくノート術の達人である美船栄一郎氏も今はデジタル化して保管している(iPadで)のようにされているはずだ(「物」として保存するかどうかは別として。。思い出みたいなものもあるからね)

最近では、デジタル的なメモツールも数多く出ているし、ノート術の本もたくさんあるが、「ノート術」の基本書として押さえておきたい一冊である。

最後に「目次」を引用しておこう。これを見れば、本書で著者が言いたかったことが一覧できるはずだ。(詳細なノウハウは本書を読んでね)

一冊にまとめるほうが、結局うまくいく

第1章 複雑なのは続かない、使えない

 これだけのことが一冊でできる
 一冊だけでいいから「シンプル」
 シンプルだから「続けられる」
 低コストだから「いくらでもメモ」
 文庫本サイズで「携帯できる」
 一元化するから「必ずある」
 探しやすいから「活用できる」
 続けるうちに「データベース」ができる
 自分だけの「かけがえのなおノート」に

第2章 情報を一元化する技術

 何でもここに書く
 時系列を守る
 日付ラベルは六桁で
 暗記は「ローマ字母音抜き」
 「とりあえず貼る」効用
 探書リスト
 ペンはなくすのが前提
 家のなかでも使おう
 A4書類の貼り付け方
 膨張への対策
 ページでポケットを作る
 これだけは欲しい文房具
 最小労力で「代替わり」

第3章 予定と記録を一元化する「時間管理術」

 スケジュールシートを自作する
 自作シートのメリット
 スケジュールも一元化を
 「行動記録」から過去データがわかる
 年中行事の記録がすぐ調べられる
 日記も一元化する
 不安も記録すればカウンセリングになる

第4章 ネタになる断片メモの「保存法」

 IDやパスワードを管理
 タグで一覧を呼び出す
 資料の保存は「無分類+検索」
 アルバムも要らなくなる
 ハガキ・手紙の保存とスクラップ
 読書ノートも一元化
 ネタ帳にする
 メモからネタまで育てる
 断片情報をあとから引っ張り出す
 ジョッタの活用
 風呂のなかでメモ
 すばやく正確にメモするテクニック

第5章 メモを宝に変える「アイデア術」

 アイデアとは何だろう
 インプットとアウトプットのあいだ
 いい材料がなくてもいい
 宝くじの当て方
 レスポンス人間に
 ゴミの中にはお宝が
 紙ベースでじたばたする
 発酵を経てこそのアイデア

第6章 分類せず一発検索する

 情報をたぐり寄せる「ひも」
 索引をデジタル化する
 テキストファイルは軽量・軽快
 テキストエディタを手に入れよう
 索引ファイルの作り方
 ヒットするタグとキーワードのコツ
 検索してみよう

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