2011年3月25日金曜日

三枝 匡 「V字回復の経営」(日経ビジネス人文庫)

出張と飲み会が続いていて更新が滞っていたが、出張中に読んだ本がこれ。

アスター工業という架空の会社を舞台にした会社再建ドラマ。ただ、作者の実際のコンサルタント経験の中の実話をもとにしているらしいので、結構、迫力のある話に仕上がっている。

こうした話は、なんとなく感情移入してしまって、経営改革を自分がやっているようにように思えて、気分が高揚してくるから不思議。
本当は、こうした話の随所にでてくる様々なエピソードを自分の中に取り込んで、咀嚼していかないといけないのだが、なかなかできないのが世の常、というか私の常ではある。



でもまあ、少しでも自分の血肉にするため、本書中の「(経営改革の)成功の要因とステップ」を引用

1 改革コンセプトへのこだわり
2 存在価値のない事業を捨てる覚悟
3 戦略的思考と経営手法の創意工夫
4 実行者による計画づくり
5 実行フォローへの厳密な落とし込み
6 経営トップの後押し
7 時間軸の明示
8 オープンでわかりやすい説明
9 気骨の人事
10  しっかり叱る
11  ハンズオンによる実行

それぞれに意味深い言葉だが、詳しくは本書を読んでほしい。

最後に、最近、本社を離れてプロジェクト的な仕事をしていると

P359

米国のような金まみれのインセンティブ方式が、会社の長期の繁栄にとって有効だという証拠はない。しかしそれにしても日本企業では、リスクをとった者への報酬が不当に低いことが多すぎる。・・・ことが終わってしまったらまたぞろ年功による平等論が出てきて、人事的にも金銭的にも報われなかったという話を聞いたりすると、当事者でなくとも胸くそが悪くなる。進んでリスクをとった社員にそこまで甘えるのか。・・・

ってなところに微妙に共感してしまうのが悲しい。

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