2011年9月27日火曜日

マクドナルドの定年制復活に思う「ナレッジマネジメント」

J-CAST NEWS の「日本マクドナルドが定年制を復活 「成果主義」思惑はずれ若手育たず」によると
 
   日本マクドナルドは2012年1月から、60歳定年制を復活する。同社は年功序列の人事・賃金制度の廃止など、成果主義の人事体系を目指しており、その一環として06年に定年制を廃止していた。
   いったん定年制を廃止したものの、復活するケースは非常にめずらしいという。
 
  定年制の復活について、同社は「若手社員を伸ばしていく企業文化を根づかせていくため、年功序列を廃止するなど、実力主義への意識を高めようとしたなかで、定年制を廃止すべきと考えたが、時期尚早だった」と説明する。
   定年制の廃止は、ベテラン社員の経験やノウハウ、スキルが活かされるメリットがある。しかし同社によると、経験豊かなベテラン社員が自身の成果をあげることを優先してしまい、若手社員の育成が疎かになってしまったという。ベテラン社員のもつノウハウなどの若手社員への伝承がうまく進まなかったと反省している。
 
とのこと.
 
マニュアル至上主義の感のある同社で、こうした理由での定年制復活は妙に興味深い出来事。
 
ただ、社員の方からすると、マニュアルが最重視されて、若手育成が成果主義の下での評価がさほどではないのであれば、好き好んで力をいれないよな、というのはまあ、人の常というものだろう。
 
これが定年制の復活ということで、社員の一定期間の在職は確保されることになるのだろうが、若手育成に対する評価をきちんと上位にもってこないと、そのへんのモチベーションは働かないのではなかろうか。
 
確かに、昔は、物を教えてくれる先輩とか、部下に気をつかってサポートしてくれる上司とかが、ノンオフィシャルな意味でも尊敬され、いわば「おせっかい」が歓迎された時代ではあったが、現代の職場環境は、成果主義、個人主義の浸透によって、とても、「おせっかい」を歓迎する雰囲気ではないし、むしろそんな暇があったら自分の成績を上げろよ、と言われんばかりの風情すらある。
 
もし、こうした若手育成、ベテランのノウハウや技術の移転ということをまじめに考えるなら、そうした育成をしている間や手間の部分で、どうしても個人の成績の面ではロスになるのは間違いないのだから、そこを補う明確な評価というか報償のシステムを考えるべきなのだろう。いかに社員とはいえ、人の持っているノウハウは安く使おうというのか考えないほうがいいですよねー、と辺境にある身としては思ってしまうのである。

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