2011年8月1日月曜日

府県の独立構想に感じる違和感

日本経済新聞のWeb版で
 
 
 府県と政令市の二重行政解消による地域活性化を目指す「都構想」を提唱する3府県2政令市が31日、名古屋市内で推進策を探る会合を開いた。橋下徹大阪府知事と大村秀章愛知県知事は、関西や中京地域がアジア地域間の経済競争で生き残るため、将来は国からの「独立」を目指すべきだとの考えを示した。
 橋下氏は「アジアの大都市に勝つため、まず『大阪都』を実現した上で、韓国の国内総生産にもう少しで追い付く、(人口)2200万人の『関西州』の単位で独立していくべきだ」と述べた。
 大村氏も「国に要請しないとものが動かないようなことをやっていては、日本はたそがれる」と指摘。「投資減税で企業を誘致するため、愛知県と名古屋市で独立していくのが目標」とした。
 河村たかし名古屋市長は地方への権限や税財源の移譲が停滞しているとして、改革加速に向け自治体の首長が国会議員を兼職できる仕組みの実現を求めた。大村氏は「知事が県内の大都市の市長を兼ねることで、広域行政を進める手もある」と提案した。
 会合では、(1)自治体の課税自主権の強化(2)首都機能のバックアップの役割が果たせるよう、大都市圏の広域行政の強化(3)(政令市)区長の公選制導入―を盛り込んだ宣言を採択した。
 このほか篠田昭新潟市長も出席。泉田裕彦新潟県知事は、豪雨災害への対応のため欠席した。〔共同〕
 
といった記事をみつけた。
 
こうした「地方の独立論」の話を聞くと、先日から読んでいる「新・沖縄読本」で知った、沖縄の独立運動が連想される。
 
沖縄に詳しい人にとっては既知の事実」なのだろうが、最近、「テンペスト」を読んだのを契機に、ちょろちょろと沖縄関連の本を読み始めている。で、地方、特に本州の府県などからは、ときおり、関西のGNPはヨーロッパのどこどこに匹敵するとか中国地方だけで考えてもGDP世界何位といった論調を時折目にするのだが、どうも、沖縄とかの「民族」というものに関わりかねない独立論に比べ、なんとなくそこが浅い感じがしてならない。
もちろん、本州の各地域の独立論を主張される方々は、防衛やら貿易といった国家の力そのものが露わにになるものを抜きにして「独立」を語っているわけではないし、むしろ、国からの権限の奪取といった側面の象徴として「独立論」が語られるのはわかっているのだが、なんとなく「独立」という言葉の中にある威勢の良さで、ムードとして全てが解決されるような印象があるのがなんとも居心地が悪いのである。
 
首相の進退など、なんとも切れ味の悪い政治情勢が続く中、地方として中央にどうコミットし、実質的に中央を変えていく手段の検証と、変えることの出来る手法の検討が、かけ声だけでいつも潰れてしまう「地方分権」「地方主権」を実現しようと思うなら、必要のように思うのだがいかがだろうか。
 

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