2011年8月9日火曜日

目の向け先を「会社」から「仕事」へ切り替える

古い記事になるのだが、大橋悦夫さんの「WorkStyle Watch」で、元吉本興業の木村雅雄氏が吉本の東京事務所を立ち上げた時の話が紹介されていた。

引用すると

日経新聞・朝刊(2004.08.07)で、元吉本興業の木村雅雄氏(現在の肩書はフリープロデューサー)が、やす・きよのマネージャをはずされ「新設の東京事務所長」を命じられた時のことを以下のように語っている。

    吉本興業が東京に初めて進出するという重要な使命を帯びたといえば、聞こえはよいのですが、いざ東京に行ってみると赤坂の雑居ビルの小さな一部屋があてがわれ、入社2年目の部下が1人だけ。「何や、左遷やったんか」。そう思うのに時間はかかりませんでした。
    しかし腐らなかった。私が目を向けていたのは仕事自体であり、会社ではありませんでした。「仕事を通して自己実現しよう」。そう考えた私は必死に働きました。

    「東京に行ったかて成功せえへん。あくまで笑いの本場、関西にこだわるからこそ吉本なんや」。周囲のさめた目も私には気になりませんでした。

当時のやす・きよのマネージャーといえば、飛ぶ鳥も落とす勢いだったであろうが、一転、成功の目処もたたない「東京」へ放り出された氏の思いを忸怩たるものがあったとは思うが、ここで『目を向けるのは「仕事」であって「会社」ではない』、とステージを変えることができたあたりが氏の凄さだろう。

「会社」に目を向けている限り、最終的にはその時点の上層部や主流派に、自分の進む方向の手綱を握られているには間違いないことであり、それを自分の手に取り戻すには、「仕事」に目を向けるしかない。

干されたかな、とか、ひょっとして左遷、という思いがしてきたら、こうした精神の転換をやったほうがいいかもしれない。

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