2011年7月3日日曜日

あらかわ奈美 「出しっぱなし整理術」(PHP)

普通、整理術、収納術といえば、部屋に散乱しているモノをいかに分類し、しまい込むか、ついでに収納のためのグッズの紹介ってのが定番なのだが、本書は、「しまわない」「出しっぱなし」を謳う整理術の本だ。といっても乱雑なままで"出しっぱなし"を推奨しているわけではなく
・「よく使う物」と「使わない物」を分類すること
・「よく使う物」は目に入るところ、つかうのに便利な場所に居場所をつくること
・物の置き場所の固定観念を捨てること
といった風に、「モノを整理する」という概念を問い直す本といっていい。

2003年の出版なので、紙類の整理には、デジタル系の整理法が提案されていないあたりは、ガジェット好きの私としては少し不満の残るところだが、PCならまだしもスマートフォンやドキュメントスキャナーやNASを使った整理法は、取っつきにくいと感じている人も多いだろうから、こうした、アナログ的な整理法のほうが、むしろ一般にはなじみやすいかもしれない。本書の提案しているものの中には、若干「見た目」を犠牲にするものもあるので、そこらあたりを工夫すれば、さらに面白いかもしれない。

ただ、惜しむらくは、「捨てる」ということにはほとんど言及されていない。整理術の別の側面である「整理しなければならないモノをいかに減らすか」といった点は、別の本を読んで補強しておいた方がよいだろう。

目次は、以下のとおり。



序章

一生懸命片付けることは、実は大きなムダだった!/散らかり物が教えてくれた最良の整理法/公開!「出しっぱなし」の基本ルール

第1章 オフィスでの出しっぱなし

仕事のできる人のデスクはすっきりしている/大量の書類や思料は「大型の封筒」で仕事ごとに分類/「カラーファイル」で仕事の優先順位を明確にする/新聞、雑誌の切り抜きは「パンチレスファイル」にはさむ/なくしたくない小さなメモの整理は「壁」を活用/今日中に必ず!というメモは「鏡」に貼る/思いつきや電話のメモは「カレンダー」に記入/増え続ける名刺は日付を記入してランダム・ファイリング/ダイレクトメールは「一時預かり袋」に入れて移動中に目を通す/整理しきれない書類は「迷い袋」に/カバン、ポケット、財布の中身は定期的に総ざらえ/整理には「スキマ時間」を有効に使う

第2章 家の中での出しっぱなし

よく使う物は出しっぱなしが一番/家にもたくさんある紙類は「ミニハンガー」に吊す/毎食使う箸やカトラリーは食卓に出しっぱなし/ちょこちょこ使うコップは食器棚にしまうべからず/違うカテゴリーの物を同じ場所に出しっぱなし/どのカテゴリーにも属さないごちゃつく雑貨は「ウォールポケット」に/家族みんなで見る手紙、ハガキは「状差し」に入れてリビングに/下着や靴下は、畳まずにカゴに入れたままにする/ぬれた傘は「タオルハンガー」で玄関ドアに吊す

第3章 時間がないときこそ、出しっぱなし

5分でできる散らかしっぱなしの部屋の片付け

"居心地の良い部屋"ってどんな部屋?/出しっぱなしにすると、ほんの5分あれば片付く/ダイニングテーブルの上のごちゃごちゃ/イスやソファーの背に掛けられた衣類/リビングに散らかった家族みんなの物/あちこちに散らかった本や雑誌類

10分でできる収納場所のない部屋の片付け

使いやすさを優先するには、立体的に考える/「園芸用トレリス・ラティス」で空間を利用する/家具の側面を徹底的に利用する/イスがひとつあればごちゃつきスペースが一気に片付く/家具の脚の下、家具の上のデッドスペースが生きた場所に

15分でできる来客時のとっさの片付け

急な来客でも困らないために/まずは玄関を片付ける/リビングのテーブル、棚、カウンターのごちゃごちゃ/ハンガーに無造作に重ね掛けした衣類/取り込んだままの洗濯物の山/お客様の座る場所/汚れた座布団・ソファー/シンクに山積みになった汚れた食器/洗面所のボトル類のごちゃごちゃ

第4章 こんなメリットもある出しっぱなし

出しっぱなしでダイエット&美容効果

気になることは、しっかり見える場所に/ヘルスメーターの置き場所を変えるだけでやせられる/青竹踏みは電話代のそばに置く/大きな鏡を玄関に置くだけで3歳若返る/子どもと向き合い場所に鏡を置いたら

出しっぱなしでうまくいく子どものしつけ

散らかし放題の子どもに学ぶ"物"とのつきあい方/テーブルの上に図鑑、辞書、アルバムを出しっぱなし/子どもの才能を伸ばすには、好きな物を出しっぱなしに/歯ブラシを机に出しっぱなしにしたら虫歯ゼロ/最終的には整理・整頓が上手になる

0 件のコメント:

コメントを投稿