2011年7月6日水曜日

原尻淳一 「アイデアを形にして伝える技術」(講談社現在新書)

HACKシリーズで売り出しのマーケティング・プランナーの原尻氏による知的生産の技術を語る本。実践で数々のプロジェクトをこなしているプランナーの手によるものなので、インプット、アウトプット両面にわたって、より具体的な手法が提案されている。例えばインタビューの項目では、直接インタビューする必要性のみならず、フォーマルなインタビューとインフォーマルのインタビューの違いやコツとかメモやノートの取り方まで言及されているなど、理念だけなく、細かな実施上の留意点にまで及んでいるのが本書の特徴か。

個人的に、興味深かったのは、オウトプットにまだまだ不慣れなせいか、情報を集める技術論のあたり。読書の3段階ー「目次読書」「フラグを立てる」「熟読」といった読書法や、ウェブ上に本棚をつくるといった発想やブログを読書ノートにする提案など、おおこれは!と頷かされるものが多かった。

目次は次のとおりなので、興味ある方型は「目次読書」をしていただいてからご購入の検討を

はじめに

アイデアが溢れてくる仕組みをつくる/鶴見良行先生のデータベースに衝撃/中村尚司先生の「3つのヒント」/本書の構成

第1部 インプットの技術

第1章 「現場の情報」力

なぜ現場の情報が必要か/はじめに本をたくさん読んではいけない/「参与観察」で思い込みをなくす/直接ターゲット(当事者)に」話を聴く習慣/インタビューのコツ/メモとノートの取り方/「仮説を生み出す技術」/自ら情報触媒になる



第2章 情報を集める技術、読む技術

一次情報と二次情報/本を読むのは3段階で/連想検索で一気に情報収集/ウェブ上に書棚をつくる/世界中の講義やプレゼンをストックする/日本語検索+英語検索+画像検索/本の著書にアプローチする/統計データと論文情報/ツィッターで「アイデア・ブレーン」をフォロー

第3章 データベース構築とアイデア発想

「知的生産の技術」の基本思想/知的生産の基本概念/クラウドサービスを活用する/ブログは「読書カード」がわり/Evernoteにあらゆるデータを集約/DropBoxでチームの情報共有/Facebookをどう活用するか?/出会いとアイデア/アイデア発想の基礎概念/アウトプットへの準備がアイデア力を高める

第2部 アウトプットの技術

第4章 型の活用

ドラッカーの執筆術が教えてくれたこと/まず「型」の理解から/企画書の基本構造/レポートの基本構造/マンダラートを活用してツリー構造をつくる/3つの編集技術/データベースの活用とリライト

第5章 わかりやすく自分らしい文書術

書くための基本3原則/自分らしい表現のための「ルールづくり」

第6章 企画書を書く

「名作ファイル」をつくる/企画書の基礎項目/原尻版<企画書の基本項目>/ビジュアルを使えば効果は倍になる/カレーレシピで説得力トレーニング/自分らしさを演出する企画書を々つくるか

第7章 伝わるプレゼンテーション

プレゼンは「知的エンタテインメント」をめざすつもりで/事前準備でおさえる3要素(目的・ターゲット・制限時間)/スライドは「トップラインで紙芝居をつくる」/「緊張」を緩和する3つのテクニック/ビジュアル・コミュニケーションの威力/共感を呼ぶ「つかみ」とは/わたしのロールモデルの探し方/おわりに 個人がパワーを持つ時代

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