2011年7月8日金曜日

あらかわ菜美 「「ワタシ時間」をつくる時間簿のすすめ」(講談社)

もともとは主婦のための時間の有効活用の方策の提案本として書かれているものだが、サラリーマンにも応用できるものは多いと思う。
というのが、筆者が「主婦の時間は特殊」といっているのが

①主婦の1日は「ながら時間」で構成されている ②主婦は年中無休 ③時間に制限はないが、時間に拘束されることも多い ④やることが日替わりメニュー ⑤季節ごとの行事に左右される ⑥天候に左右される ⑦細切れ仕事が多く、すき間時間ができる ⑧途中割り込みに邪魔される ⑨家族構成・家族の性格・家庭環境に左右される

といったことなのだが、「クライアント」とか「上司」、「自分の会社」とかに言葉を置き換えれば、サラリーマンとの共通していることがいかに多いか。サラリーマンの方々にはわかるだろう。
しかも、この本の提案の主要は、いわゆるタイムテーブルを使って、自分の時間の使い方、自分の時間の泥棒のされ方、といったことを正確に把握すること、そして、それを形に落とし込んだ「時間簿」を使って、より自分の夢ややりたいことを押し込める時間を、どう作っていくかということにあることをみれば、いわゆる時間管理についての手法を唱えるビジネス本と同列に本書は読むべきなのだろう。

そうした目で見た場合、不定型な仕事が多くて、子供とかご近所とか、サラリーマンよりは時間を拘束してくるものが多い主婦の時間の作り方が提案されている本書は、時間の大切さを謳う時間管理の方というよりは、時間をいかに作っていくかというTipsをまとめた本といっていいかもしれない

構成は、次のとおり

1「時間簿」ってなあに?

お金は家計簿、時間は「時間簿」/主婦ってなんて大変なんだろう/主婦のためのタウン誌づくり/時間は公平に与えられていますか?/「主婦の時間」を目で見える形に/「時間簿」をつけるとわかること


2 時間使いの上手な人、下手な人

「主婦の時間」は特殊なものです/データから見た「世代別時間の悩み」/下手にもいろいろあります/時間使いの上手な人とは/チャートで診断、あなたの「時間の使い方」タイプは?

3「時間簿」活用のすすめ

時間は使わなくても減っていく/こんなにある「時間簿」のメリット/たった1日分でも「自分」がわかるー時間簿のつけ方/「時間簿」のチェックポイント/少し突っ込んでみましょう/「1週間の時間簿」を」つくる

4 実践!「時間簿」を使っていきいきらくらく

「ワタシ時間」の作り方1ー時間帯ごとに徹底解剖/「ワタシ時間」のつくり方2ー行動パターンを変える/他人の「時間簿」をのぞいてみましょう「タイプ別時間簿」とアドバイス/子育てや家事だけでは充実感がない/子育てをしながら勉強時間をつくる方法/子どものリズム、機嫌にあわせる/「時間簿」で理想的な生活パターンを発見/人生設計にもつながっていく/シニアと「時間簿」/介護に携わる方こそ「時間簿」を

5「ワタシ時間」をつくる50のヒント

1日をダラダラ流されないで過ごすヒント/時間を徹底的にムダにしないためのヒント/掃除・片付けの時間を短縮するヒント/「家族時間」を」つくるヒント/主婦が無理なく仕事をするためのヒント

急いで、ノウハウを、という人は、4章、5章あたりを重点的に読んでもいいかもしれない。

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