2011年10月1日土曜日

対岸の「ちょっと憂鬱な予言ー紙の出版の未来はこうなる」

kindleの新製品のリリースのため、というわけではないだろうが、TechCrunchの「ちょっと憂鬱な予言ー紙の出版の未来はこうなる」では、紙の出版の未来としてこんなマップが描かれている。
 
2013 - eブックの売上が古本を含む他の書籍の売上を超える。eマガジンが離陸する。
2014 - 出版社がeブックリーダーの試用に補助金を投じる。新聞社、雑誌社は独自ハードウェアによる読者囲い込みを図るも失敗する。
2015 - 街角の小さな書店が消える。中規模書店はスペースを生かしてコーヒーとWi-Fi接続を売る。 稀覯書専門店のみニッチで生き延びる。
2016 - Conde Nast社の雑誌を代表とするライフスタイル雑誌がタブレット版のみになる。
2018 - Barnes & Nobleの最後の書店がインターネット・カフェに転業する。
2019 - B&NとAmazonの出版事業部が他のすべての出版を圧倒する。
2019 - 出版社の大淘汰時代始まる。小規模出版社の少数は生き延びる。ペンギンやランダムハウスのような巨大出版社は傘下のマイナ-ブランドをeブック専門のベンチャーとして分離する。出版社独自のタブレットが消える。
2020 - 中学生から大学生までほぼ全員がeリーダーを持つようになる。紙の教科書はは徐々に消え去る。
2023 - eペーパーが実用化し、eリーダーは紙数枚分の薄さになる。
2025 - 多くの途上国でもeブックへの転換が完了する。紙の本は良くて骨董品、悪ければ邪魔なゴミとなる。稀覯書収集の趣味は存続する。少数の出版社が頑固な愛好者のために紙の本の出版を続けるものの、全般的には出版は完全にデジタル化する。
 
これがiPadもNookも、ましてやKindle Fireの発表もない、本当の夢物語の話ならよいのだが、おそらくはこのマップに近い形で、eブックの普及は推移するのだろう、なくとも日本を除いた各国では。日本を除いた国の書店や出版社の皆さん、ご愁傷様。
 
しかし、古き文化の残る日本においては、けして、こううまくいかないのだろう、と実は電子書籍推進派である私は、暗澹たる気持ちで予測したりしてしまうのである。
 
電子書籍を読むデバイスがあまり進化していない時(iPad以前といってもいいだろう)に電子書籍の普及云々といっても詮無いことであることは承知しているのだが、様々なデバイスがそろい始めた今の、この時に、電子書籍の「囲い込み」どころか、新しく発売されるSony Readerbに提供されるコンテンツがかなりお寒い状況であることを考えると、この国の出版業界は、書籍の電子化というものは、まるで悪魔か仏敵の仕業のごとく扱っているように思えてならない。
 
たしかに、一人の作家を教祖様のようにして編集者、出版社が一団となっている状況や、曖昧なままになっている電子書籍にした場合の著作権や、コンテンツの保護の問題はあることはあるのだが、それはそれとして、日本では電子書籍は流行らない、ということを金科玉条のようにして新しいサービスの提供は非常になおざりにされているように思えてならない(もっとも、現在の制度を維持したまま電子書籍が導入されて、紙をデジタルにしただけってなサービスが提供されるよりはましかもしれないが)
まあ、英語と違って、囲いこまれた言語である「日本語」の環境は、ちょっとやそっとじゃ侵食されないと、たかをくくっているのかもそれないが、今に地崩れ的な状況変化が起こされるのではなかろうか。これが黒船たちによって、なかば強制的におこされないことを祈らんばかりである。
 
どうやら、電子書籍推進派は、自炊をまだまだやらないといけないようですね・・・
 

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