2012年12月29日土曜日

仲山進也「今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則」

副題に「ジャイアントキリングの流儀」とあるように、人気マンガの「ジャイキリ」の各場面を使いながら、組織作りについて論じているのが本書。

著者は楽天大学の学長さんで、まあ、楽天のマネジメントなどの本筋をよく知っている人と考えていいだろう。


構成は


はじめに
今いるメンバーで
まわりの期待を超える(ジャイアントキリングを起こせる)チームをつくるには


第1章 新チーム始動 ステージ1 フォーミング
「何でも思い通りにいって何が楽しいよ。
俺が楽しいのは、俺の頭の中よりスゲーことが起こった時だよ」


第2章 巻き起こる風 ステージ2 ストーミング
「どうせ家建てんならじっくりいい家作んなきゃ」


第3章 チームワークの誕生 ステージ3 ノーミン
「組織として差が出るのは、個々がどれだけ役割以上のことができるかだよ」


第4章 生き物みたいなチーム ステージ4 トランスフォーミング
「勝ちたがってんなら、その想いをケンカしてでもすり合わせすりゃいい。
そうすりゃ相手の考えがわかる。
それが次々広がって、チームっていうひとつの生き物になる」


おわりに
ケーススタディ in 「ジャイアントキリング」


ということになっていて、人が集まっただけの集団(グループ)を戦える「チーム」にどう作り上げていくか、というか変化させていくか、というところを「ジャイキリ」のマンガのシーンを随所に使いながら語られる。


乱暴に要点と思われるところだけを抜き出すと

①最初の頃は、きれいにうまくまとめる(フォーミング)しようとしない。とことんぶつかって混乱に陥ること
②混乱の中から、それぞれが目的やら自分の売りをつかむこと
③ぶつかりあう中で、互いに相手のことを肌感覚でつかみ、いわば「あうん」の呼吸を得ること


そうすると、しゃかりきでなく、遊んでいるように見えて、のびのびと、期待以上の成果が出るもんですよ、という具合か。


非常によくわかる主張なのだが、マンガという、イメージで語られるものに依っているせいか、主張自体もイメージとしてはとらえられるのだが、手法などがすぐにはすとんと落ちてこなかったのは、私の読み込みが浅いせいかも。このあたり、ふわふわと読まず、読み返す作業が必要であるようだ。

今のところ、前半の、フォーミング(まとめ上げ)しようとするな、ストーミング(混乱)が大事、というあたりが、期限に迫られた仕事をしていると、目先の益や効果に惹かれて、即効性をつい追及してしまいがちな我が身には、ちと痛い。



今のところは、さっくりと一読した段階なので、ポイント、ポイントを抽出しながら、自分なりにチームづくりについて考えてみようと思わせるあたりが本書の評価すべきところか。

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