2012年12月24日月曜日

職場のペーパーレス化の失敗と電子新聞の失敗の共通項はあるか

J-CASTニュースのビジネス&メディアウオッチの「紙の呪縛から解放されることが必要だ 電子新聞ザ・デイリー廃刊から学ぶ教訓」で鳴り物入りで始まったルパート・マードックのザ・デイリーが失敗した理由が論評されているのだが、それによると、少なくとも
 
①タブレット端末だけを掲載メディアとする電子版は商売として成立しない
②デジタル刊行物は紙の呪縛から解放されねばならない
③三番目の焦点はビジネスモデル
 
ということがいえるとのことであったのだが、個人的に興味を惹かれたのは②のところ
 
電子出版にしろ電子新聞にしろ、強固に紙メディアが存在するものは、どうしても紙の出版形態に引っ張られ、配信形態にしろ、販売方式にしろそれに引っ張られることが多いのは事実。というのも、1章ごと切り売りしている電子書籍というはあまりお目にかかったことはないし、新聞にしても朝刊、夕刊という形で配信される紙の新聞を模したものが中心で、紙の新聞の形態であるものが随時更新されるという形はないのではなかろうか。
 
で、横道にいくと、ビジネス現場における「書類」というやつにも同じ事がいえて、いくら職場内でグループウェアが使われるようになっても、有り様は、紙の書類の電子版を、そのまま掲示する、あるいは、紙の書類を電子的に展開したものを見せる、という使われ方がほとんどのような気がしている。「紙」と「電子媒体」を比べてみると、書類としての一覧性は「紙」に軍配が上がるし、昨今のセキュリティ強化のおかげで、PCやタブレットの持ち込み制限、特に私的なものの制限がきついままの職場はまだまだ多いのが、「紙」が職場から増えこそすれ、減ることのない原因であるのかもしれない。
 
職場における「紙」の減量は、いかに仕事の進め方から「紙の呪縛」を少なくしていくか、という概念的な問題にかかっているような気がする。オフィスの紙の減量には手紙が「メール」に変わった時以上に、概念的に「紙の呪縛」から脱するかをもう少し掘り下げて考える必要があるのかもしれないですね。

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