まつもとあつし 「スマート読書入門」(技術評論社)

2012年6月14日木曜日

ブックレビュー 電子書籍

t f B! P L
hontoやBookWalker、パブリ、日経BPなどなど電子書籍の数は一頃よりは増えてきているのだが、いまだ巨人Amazon Kindleの参入はなく、なんとなく生煮えの状態が続く電子書籍、あるいは電子媒体による読書について、気鋭のITライターであるまつもときよし氏の手による、電子書籍入門本。

入門本と言っても、「自炊「のあたりはきちんとふれてあるし、さらには、電子媒体による読書(この本で「スマート読書」といっているので、以下同じ表現にするが)の場合の読書メモの作り方、さらには 現代IT版輪読会、読書会ともいえるソーシャルリーディングまで、かなり欲張った内容になっている。

構成は

第1章 読書だってデジタルでいこう
第2章 「閉じた」読書で終わっていてはもったいない
第3章 快適なデジタル読書のために環境を整えよう
第4章 フロー情報をさばいてストック情報につなげよう
第5章 読書メモをマスターして「読んで終わり」から卒業しよう
第6章 新しい読書のカタチ「ソーシャルリーディング」に乗り出そう
終 章 進化する本との出会いを楽しもう

となっていて、まずは読書端末の紹介から読書におけるデジタルサービスの利用方法、、Scansnapを使った自炊の仕方といったところを第1章~第3章あたりでさっくりとふれて、第3章からはいわばデジタル版読書術といった風合い。

すでに「自炊」の世界に踏み込んでいる人にとっては、ちょっと食い足りないかもしればいが、「はてなブックマーク」の使い方やブクログ、Twitterいよる読書情報の共有なども広範にふれてあるので、おさらいのつもりで読んでもいいだろう。

しかし、爆発的に普及するといわれて久しいが、本当にゆっくりとしか進まない日本の電子書籍の世界。アメリカなぞでは、すでに紙の本より電子書籍のほうが購入数も上回ったというのにねーと思うのは私だけか(なんて書くと、識者からアメリカの本というものは高級なものかペーパーバックしかなくて、そもそも出版事情が云々の講釈されるんだよな、毎度毎度)。言霊の世界では、電子の文字に霊性が降臨しないのだろうか・・・

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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