「当初仮説」による問題解決手法(「マッキンゼー式世界最強の仕事術」より)

2012年6月2日土曜日

仕事術

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「マッキンゼー式世界最強の仕事術」においてマッキンゼーの問題解決の特徴の一つとして提示されているのが「当初仮説」(P32)
 
本書によれば、「当初仮説」とは「行動する前に問題の解決策を考えること」で「スケッチ描きとはいえ、問題から解決へと導いてくれるルート図」で「この仮説が正確なら、問題解決とは、事実の分析によって地図の細部を埋めていく作業になるというもの。
 
そして当初仮説の立て方は
①問題を、その構成要素、キー・ドライバーに分解する
②それぞれの構成要素、キー・ドライバーについて、実施可能な提案を考える
③次のステップで大項目に挙げた提案の一つ一つを、もっと細かな問題点に分ける
ということ
 
そして、この「仮説」を考えるにあたっては、事実、しかも膨大な事実(山のような新聞記事、雑誌。内部のリサーチ文書など)の分析や「すべてを網羅」した上での「仮説」ということになるらしい。
 
こうしたやり方は一見すると、かなり頭でっかちの手法のように思え、現場から離れた「現場主義」の対極にあるように見える。
ただ、ここで我が身に振り返って考えたいのが、よく言われる「現場主義」による手法が本当に現場の条件や課題を網羅しており、色眼鏡なしに立てられた解決手法になっているかどうか、というところだろう。えてして、「現場」という美名のもとに、現地の一部分を、自分のフィルターで捉えた解決手法になってしまうことはよくあるし、ひどいときには、現場に行きながら、現場の状況ではなく、自分の思いに都合のよいものだけをすくいあげた「現場の分析」が横行することさえある。
 
理屈倒れと、独りよがりの現場主義の間の、現場の事実を捉えた解決手法の提示のためには、より多くの現場の事実の収集と精密な分析っていうのが必須なのかもしれない。
 
仮説の模索は、かなり地味で辛気臭いものだから、ともすると感覚的な仮説提示を行って、それを現地で実践だ、と持ち出していきがちなのだが、ここは自戒すべきことなのかもしれない。
 

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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