構成は
まえがき 心霊列島・沖縄
第1章 私のデージ怖~い体験
こうして僕は引っ越した/生き霊/魂を落とした人/女の子/カジョーラー/那覇の迷宮空間・三越裏
第2章 沖縄にいると、なにか見えてくる
見えないものが見える人/ユタ/ヒヌカン/トイレの神様/線香/キジムナーとケンムン
第3章 ウートゥートゥー異次元空間
口難口事にご用心/家相/海/御嶽/墓の中
第4章 激戦地・沖縄の怖~い戦跡スポット
豊見城海軍司令部壕/米兵の幽霊/新都心/南部戦跡・糸数壕
第5章 よく出る心霊スポット
瀬長島/齋場御嶽/大山貝塚/七つ島/久高島/識名坂
あとがきにかえて
まだまだある噂の心霊スポット
という形となっていて、筆者や筆者の周辺の人たちの経験談や聞き取りなどで、沖縄の不思議・怪奇な話やスポットの紹介なのだが、筆者自身が「霊的なものは全く感じない」といっているだけあって自身の目撃談とかはなく、目撃談的なものも非常に冷静な抑えた形で記されているので、そのあたりは心霊際物的な著述ではないことは請け合ってもいい。ただ、もともと自然信仰的なものが色濃く残っている上に、薩摩の支配から太平洋戦争、アメリカ支配、そして日本への復帰後の激変ともいえる開発などが重なり合ってきているのだから、様々な話があったとしてもおかしくはない地域ではある。
とりわけ、ちょっと背筋が寒くなるのは、筆者の実体験である、移住後の離婚等私生活での問題が発生してきていたあたりの回想談である。何かに憑かれて末吉宮に参詣するところとか、女の子の姿を見る、本書のかなり前半のところ。比べると後半にいきとりあげる範囲が沖縄全域や周辺諸島部に広がるにつれ、少し茫漠としてくる気配があるのは残念か。
まあ、実話の怪奇本ではないから、南国の観光地という側面だけではなく、様々な歴史と感情の上に立脚する「沖縄」「琉球」という土地の開設本として読めばよいのかもしれないですね。
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