2012年10月20日土曜日

ぽんぽこ もののけ江戸語り ちょんまげ シリーズ 読後感

「ちょんまげ、ちょうだい」
「ちょんまげ、ばさら」
「ちょんまげ、くろにくる」
の三冊の構成でなる「ちょんまげシリーズ」。主人公は、徳川家康の影身者であった相馬二郎三郎の孫の相馬小次郎とそのお供の狸妖怪のぽんぽこ。
徳川家が日本に覇権を唱えるに当たって陰の立役者であった、相馬一族も、徳川も5代目となった太平の世では、なすこともない浪人暮らし。さりとて口を糊する道は探さざるをえず、ってな調子で始まるのが、第1巻の「ちょんまげ ちょうだい」。で、この巻では2巻目以降の主要登場人物でもある、丸橋弥生や柳生廉也といったサブ主人公のお披露目といったところ。あらすじは、江戸の町で、柳生に関わりを持つ武家のちょんまげを落としてまわる一風変わった事件の犯人を捜すっていうのだが、2巻、3巻に比べると、まあ穏当な筋立て。
で、1巻でおおかたの登場人物を登場させた上で、江戸に戦国時代の亡霊が出るってなことから始まる2巻、3巻は、まあファンの方の批判をおそれず言うと、いやまあ、ここまで豪華キャストで、しかもてんこ盛りの、あれよあれよの展開をやるのかってな感じ。
普通ならネタバレすれすれにレビューをやるんだが、このシリーズは、それをやるとネタバレそのものになるんでやらないことにする。しかし、四国の戦国武将が突然荒武者になった理由とか、北陸の有名武将の性別疑惑とか、まあ、際物的なネタを惜しげもなくだすな、とちょっと感心した次第。
なんとも、まとまりのないレビューなのだが、このシリーズの読後感そのものといっていい。なにはともあれ、後には何にも残らないかもしれないが、このシリーズで1日愉しめる、お気楽エンターテインメントであることは確かである。

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