安藤美冬「未熟でも未完成でも"今の自分"で突き進む」

2014年6月21日土曜日

ブックレビュー

t f B! P L
元気なお嬢さんと自己啓発の記録と宣言本という感じかな。
著者はノマドワーカーの旗手として一躍有名になった安藤美冬氏

構成は
Chapter1. 一歩外へ踏み出す
Chapter2.自分の可能性を広げる
Chapter3.自分メデイアの編集長になる
Chapter4.人との出会いが自分をつくる
Chapter5.自分らしく働く

表題や世間の評判に影響されてリモートワークの技術論を求めてはいけない本。むしろ、新しいプレゼンスに頑張っている女性のPR本のなかにリモートワークのヒントがいくつかある、と考えた方がいい。批判などはあれこれあれど、自分をブランド化するためにはどうしたらいいか、何を取り上げ、何を切り捨てるかといったところをぎりぎり考えて行動に移した、と本人曰くなので、まあ他人がどうこう言うこともないだろう。

また、彼女が大学の講師になった、ということでノマドを捨てたのかといった批判もあるようだが、大学という閉鎖的な世界に少しばかり関わった経験からいうと教授クラス、せめても准教授クラスでないと身分保障からいっても通常の会社員や公務員よりも不安定なことは間違いない。多摩大学という大学運営の面ではアグレッシブなところに勤めるということを評価すべきだろう。

個人的に面白いなと思ったのはまず、「一人合宿」。

情報を適度にシャットアウトとして日常をリセットする。

例えば近郊のホテルに「籠る」という作業。

お薦めは仕事帰りの金曜夜から日曜までの2泊3日携帯の電源をオフにして、積ん読していた本を持ち込んでゆっくりと読書したり、ノートとペンを持って現状の振り返りやこれからやりたいことを書き出し、頭の中を整理する(P78)

ということらしいのだが、時間と周辺環境さえ許せばこうしたリセットができれば有り難いもの。

ただ、家庭があると、まあ、なかなかいろいろ、あれこれあるよね。

もう一つは「自分メディアの編集者」という心持ち。

組織の中で働いて、チーフ的なポジションになってくるとなかなか出来ないものだが、組織人であっても成果に責任を持ち自らの研鑽を怠らない、「優秀な傭兵」的な感覚は忘れたくないものではある。

まとまりがつかなくなったが、彼女の意気盛んなところに思いをいたして、まずまずの自己主張本、自己啓発本と評して、この項は終わりとしよう。

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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