2010年5月8日土曜日

日本に電子書籍を普及する黒船はこないものか

あすなろブログで、松尾康弘さんが

「日米の理由で片付けられるのか(書籍と電子書籍)」
(http://blog.pasonatech.co.jp/matsuo/13271.html)

と題して、日本の出版業界の(お偉方)の頭の固さを嘆くとともに、最近の中古本業界の動きなどから、若い層に限らず読書する媒体に拘らない層が増えているんだ、と力説されているが、まさに同感。よくぞ言ってくれました、というのが実感である。

このブログで引用されて??がつけられている「電子書籍:「元年」出版界に危機感 東京電機大出版局長・植村八潮さんに聞く」という記事は、私も連休中に読んだのだが、「はぁ~~??」、といった感想。
電子書籍に対するこんな認識で、今後の電子を含む書籍媒体をリードされてはたまんないなーとも思う。

中古本は「本を所有する」という形態の応用のような側面があるから、電子書籍が一挙に普及する要素とはいいづらいところはあるかもしれないが、レンタルコミックが流行っていることは、「漫画を読む」ことはするが、マンガ本を所有することに拘らない層の増大を示していると思うし、iPhoneの大流行によって、スマートフォンで青空文庫を読んでる層やScanSnapで本をスキャンしてPCやスマートフォンで読んでいる層は増加していると思っている。

ということは、いわゆる「読書」をする層っていうのは、そんなに増えているとも思えないから、電子本に抵抗がない、あるいは電子本の方が好ましいってな層は確実に増加をしているのでなかろうか。おまけに、物心がついた時から携帯やPCで、なにかを「読む」ことが当然であった層の割合は着実に増えていくのだから、「電子」に抵抗のない層は増えこそすれ、減りはしないように思う。

個人的なことで恐縮だが、一昨日、名古屋に出張中、理想書店から期間限定で無料で入手した林信行さんの「iPhoneとツィッターはなぜ成功したのか」を移動中にiPod touchで読んだのだが、非常に具合がいい。この時は、出張からの帰りの道中で読みきってしまったので、今度はScanSnapで読み込んだ文庫本のデータをMetiltranで最適化した(スキャンした元本はちゃんと購入したものです、年の為)いわゆる「自炊」の電子で、車中の残り時間をうっちゃったのだが、電子書籍のマーケットが増えれば、この移動中でも、本を探したり、あるいは買ったりといったことが可能になるわけで、これは、不況だ、読者数が減ってる、といった不景気な話しか聞かない出版業界の販路を拡大することにもなりはしないか、と思うのだがどうだろうか。

まあ、少なくとも、既存の出版業界の方々(これには街の書店とかも入るのかな。iTunesが出たときは街のレコード店も反対派の一翼を担った印象があるからな)には、電子書籍を出そうという人たちの邪魔だけはしないでね、とお願いをしておきましょう。水が通る道さえついていれば、途中を人為的に堰きとめたりとといった悪ささえしなければ、水の勢いに任せて流域の幅はどんどん広がるものですからね。

0 件のコメント:

コメントを投稿