2005年9月25日日曜日

塩野七生「ローマ人の物語」 19 悪名高き皇帝たち[三](新潮文庫)

カリグラが暗殺されて、歴史家皇帝クラウディウスが即位。「歴史家皇帝」といえば聞こえはよいが、スポーツもできず、格好も悪い男が、勉強に逃げ込んだという構図かな。本人も皇帝になるなんて露ほども思っていなかった様子。

派手な出演者の後は、地味な芸達者が締めるのは通例で、このクラウディウスも、そんなタイプ。いい味だしていたらしい。しかし、風采があがらないと、ファンはつかない・カリグラの財政や外交の失敗を帳消しにして帝国を再び安定させたのに、ほとんど尊敬されなかったらしい。

しかし、この人の奥さんは、そろいもそろってヒドイね~。メッサリーナってのは浮気し放題だし、アグリッピーナってのは息子を皇帝にするために毒殺までするんだから。

もっとも、クラウディウスが政治に異常に熱心だったのは、奥さんに馬鹿にされ続けたことも一因だったようだから、家庭にい辛くて残業に励む、一時期のワーカーホリックの一人だったのかも。

あと、この人、解放奴隷の使用人を秘書として重用したらしい。この奴隷たちに慇懃にあしらわれて怒った元老院議員がたくさんいたそうな。ローマ時代の柳沢吉保ってとこかな(水戸黄門はいないけど)

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