2005年9月25日日曜日

塩野七生「ローマ人の物語 17 悪名高き皇帝たち[一](新潮文庫)

初代皇帝 アウグスティヌス没後のローマ皇帝(5代皇帝 ネロまで)のシリーズの文庫本第17巻。

あちら(ヨーロッパ、アメリカ)では評判悪い皇帝達らしいが、先入観ないこちら(私みたいな輩)は構わず読み進めよう。

この巻は、陰気な2代皇帝 ティべリウスのお話。

無用な戦争は避ける勇気もあり、食糧政策や国家運営も十分にこなし、私生活では浮気もせず、派手なギャンブルもしない品行方正な親父の不人気物語。
(あちらでは隠居後の島で、美少年達と酒池肉林なんて話があるらしいですが・・・どうもガセ)

出来の良い息子の早死という気の毒なことや、義父の威厳を笠にきたような女房の気位の高さとか同情すべきこととか、あるんだけど、いまいち感情移入できないのは、「・・・なんか・・・暗い。・・・うざい・・・」という感じを抱くからかな。
(弁護すれば、義理の息子の即位を条件に皇帝になれた、ってことらしい。人格歪むのも尤もかも・・・)

実際、治安や生活面では、先代の皇帝の時以上に楽になっているんだし、不満のもとが「暗いから」ってのは、ちょっと、勘弁してよ~、というのは理解できないでもない。

だからといって、実権もったまま、孤島で帝国をリモートコントロールって発想に直結するってのは、人気取れない証拠。自業自得と思うけど・・・・

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