「鮪の山かけ」を食す

2016年5月14日土曜日

うちごはん

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幼いころはさほど食したことがなかったのだが、長じてからさかんに食するようになったものというのがある。

当然、子どもには口にあわないものが成長して美味しくいただけるようになるものというのあるのは間違いないのだが、この「鮪」というやつは身体の成長というよりは、時代の変遷によって食することが多くなった食材であるような気がして、以前は普段着は鯖、鰯、鯵。よそいきの時に鯛、鮃、鮎といったところであったような気がする。

こうして食卓や居酒屋で日常茶飯のように見かけるようになったのは、漁獲技術の進歩と遠洋漁業の隆盛であろうから、まさに日本の経済成長と歩を同じくしているといってよいし、世界が、魚の「生食」に目覚めていなかった時でもあった。これからも「鮪」が食卓に登り続けるかどうかは、日本の経済の力の度合いと、日本食の普及の度合いと外国での愛好の度合いに関係しているようで、このあたり、日本食のグローバル化を歓迎しつつも、自分の口に入らなくなるのはなんとも寂しい。

といいつつも、本日の「鮪の山かけ」はこんな風。残念ながら、今日の山芋はすりおろすと黒くなる性質のものであったらしく、まあ見た目は、山出しのなんとやらの風情で、なんとも垢抜けない。で、こうした垢抜けない奴は、少々手荒に味合うのがコツで、ワサビを多めにいれて醤油をかけ、グルグルと掻き回して、熱い御飯の上にかけて、ザクザクとかき込むのがよろしい。

こういうざっけけないのが、食せる世の中が、これからも続いて欲しいものですな。


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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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