2017年3月13日月曜日

News Week 「イギリスで進む「脱」民営化」で思う「顧客」の変化と民営化の理念の風化

News Weekで「イギリスで進む「脱」民営化」という記事がでていて、サッチャー時代に一世を風靡し、日本でもいまだに影響力の強い「民営化」について批判的な内容。 この記事の筆者は電気サービスとか年金とか、公営から民営に移管されたサービスを比較し、最後に
どうやら公営企業は、民間企業に改善を促すような新基準を打ち立てる役割を果たしているようなのだ(たとえば公営のNESTの「脅威」に対抗するために、民間企業の年金ファンドは手数料を下げるようになってきた)。 さらに公営企業は、民間よりしっかりと顧客ニーズに対応できる(民間企業では株主と経営者の利益が最優先だ)。そして公営企業は、大量の顧客を獲得し、効率的な経営ができる。 僕は民営化に対して賛成、反対の確固たる自説があるわけではない。でも僕(自由市場でいろいろな情報を手にしている一消費者だ)の最近の行動を見てみれば、おのずと見えてくる。僕が「消費行動という投票」によって、民営化に反対票を突きつけているということが。
といったことで締めくくっている。 サッチャー首相以来のイギリスの民営化といえば、鉄道からエネルギー産業、年金システムまで、ほぼありとあらゆるものを民営化の対象とし、国営や公営は非効率の極みであるような扱いがされていたもの。

この影響は、日本にも強く及んで、いまだに行政改革といえば「民営化」「民間委託」がいの一番にでるぐらい。 その民営化の本国というところでの「批判」なのだが、記事を見て思ったのが、「民営化」のシステムがどうこうというのではなく、民間企業ではあるが、サービスの基本、「顧客は誰」というところがおろそかになっているのが原因では、と思った次第。

 もともと、国営や公営の欠点といわれるのが、いわゆる「お役所仕事」で顧客たる国民や県民をみていない、ということであったのだが、どうやら、物事が安定化すると「顧客」を見失ってしまうのは、国営だろうが、公営だろうが、民営だろうが関係なくて、要は「惰性」によるシステム疲労を来しているかどうかということであったのかもしれない。 

となると、運営主体をどうこうすれば物事は解決するんじゃなくて、いかに「顧客」をブレさせないシステムを維持するかっていうのが大事であって、それは、競合状態を常に確保しておく、つまりは「独占」をいかに排除するかっていうことにつきるのかもしれないですね。

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