2017年2月26日日曜日

「移住振興策」の重点は「住んでもらうこと」か「働きつつ住んでもらうこと」か

 縁あって、移住促進の番組収録に出ることになって、発言も求められるので、「移住振興策」が重点をおくものについて考えてみた。

東京都など一部の都道府県、市町村を除いて、今、移住定住の振興に多くのお金と人を費やしているのは周知のことなのだが、どこの対策も金太郎飴的になっているのは、重点を置くのが「住んでもらうこと」に特化しすぎているのではないか、ということ。「住んでもらうこと」に最重点をおくから、「自然」自慢の競争や、「子育て支援」の充実競争に陥ってしまって、どこもここも同じような施策競争になってしまっているのでは、と思う次第である。

施策競争は当然、財源や支援額競争に陥るから、果のないチキンレースとなっていくのは容易に想像できることで、そういう競争をやっていては、もともと人口も財政も豊かな都会に近い自治体に勝てるわけがない。さらには「住んでもらう」対象がかなり茫漠として、芸術家志望から農林水産業希望者まで多様な人の要望に答えないといけなくなるので、ますます施策の幅が茫漠としてくる。

で、ここで提案なのだが、「働きつつ住んでもらう」しかも、都会地でやっていたことをそのまま移植して住んでもらうということを重視して、「ネットワーカー」に的を絞ったことをやってみてはどうかな、ということである。企業誘致や農林業の後継者・新規参入施策はそれはそれで地元振興にとっては重要だからやるとして、ネット会議の環境を含んだコワーキングスペースの整備などなど、ネットワーカーが働きやすい環境の整備にお金を回してみてはどうかな、と思う。

「WORK SHIFT」の世界はそう簡単には実現しなさそうだが、ゆっくりとその方向で動いているのは間違いないように思うので、人口施策もその辺へすり寄っていってみるのもよいのではないかな。

2017年2月23日木曜日

「リモートワークの働きすぎ」の原因は、時間外労働が減らない原因とひょっとして同じ?

 Lifehackerで『「リモートワークのデメリット」から見える「本当の課題」』という記事が出ていて、最後のあたりは「リモートワークをすると「仕事と生活への満足度」は上がる」といったところで締めくくられているのだが、今回、当方で注目したいのは「リモートワークでも長時間働く人が出てきた」というところで「働く場所を選ぶ事ができる男性の17.3%が週に55時間以上働いている」とし、

リクルート研究所の研究員さんによると、その原因は

「早く成果を出さないとサボっていると思われる」と感じて、働きすぎる人がいるだろうなと思います

といったところのようだが、ひょっとして、根本は「周囲の人が残業しているので、帰り辛い」という、時間外勤務が減らない要因と同じ「人目があるから」といったことに帰着してしまうのかも。

もともと、欧米に比較して時間外労働が多く、しかもいろんな政府広報があっても減らないのは、もちろん「忙しいことは良いこと」という日本人特有の職人意識もあるのだろうが、人目を気にするという性向が大きく影響しているように思っていて、それが几帳面に「リモートワーク」の場合も反映されているといえるのではないだろうか。

リモートワークにおける仕事の成果を図るものさしが明確でないということもあるのだろうが、こいつは通常のデスクワークでも同じことで、成果主義の導入で評価基準の設定や明確化は以前よりかなり進んできていると思うのだが、さて働き方が欧米のように長期休暇をとったり云々となったかというと、多くの職場では、まだまだのような気がする。

それと同じことが「リモートワーク」でも起きていて、今までのデスクワーク中心の働き方とは形態が違っているが、多くのところで、「日本型の働き方」の影響を受けている状態なのであろう。

意外と日本型リモートワークの一番の利点は「通勤地獄の緩和」といったところにとどまるのかもしれないですね

2017年2月16日木曜日

米子市西福原 ”今を粋ろ” の「中辛つけ麺」を食した

大雪で突然に有名になった鳥取県の西の方、米子。本日は陽気が良くなって気温も上ったのであるが、やはり夜になるとちょっと肌寒い。こんな時は、熱いものがよいよね、と富士見町の「今を粋ろ」に入店。

この店は吹田市のオープンした店の二号店と食べログにあるのだが、なぜ吹田の次が米子という疑問を解けぬままに、券売機で「中辛つけ麺」を購入。

カウンター席に座り、カウンターに券を置くと、ジョッキに入った水がリザーブされる。けっこう豪気でありますな。今回は「にんにく」をトッピング、少し辛めにしてもらう。この店は。もやし、野菜、にんにく、背脂が無料で「増し」できるのだが、なにせもとの量がかなり多いので。不用意な「増し」は要注意なのである。

さて、やってきました。

どうでありましょうか。見るからに量もたっぷり。ここの麺は平打ち麺。実は当方がはじめて外でラーメンを食したのが、富山県など北陸のチェーン店「八番ラーメン」で、そこのラーメンが「平打ち麺」。なので、平打ち麺はソウルフード的な扱いであるのだ。

つけ麺のつけ汁は、あとからくる辛さで、じわじわと汗が出てくるのが結構気持ちが良い。

モヤシの「増し」はしなかったのでありますが、満腹になりました。

プロジェクトがうまくいってない時、必要なのは人の数なのか才能なのか、見極めないといけない

 プロジェクトの企画が行き詰まったりする時、テコ入れが当然必要なのだか、その時に必要なのは人員数なのか、あるいは、それに携わっている人の才能が足りないのかよく見極める必要がある。


よくある対応は、しゃにむに人員を増やして力任せにプロジェクトを進行させるという対応なのだが、得てして、兵力ばかりが増えて、指揮官不在のまま迷走していくというのがありがちなパターン。


特にプロジェクトが開始直後の時は、コンセプトが曖昧なままスタートし、そのコンセプトそのものが練れていないという状態が多いので、その際に必要なのかプロジェクトを進めるマンパワーではなく、コンセプトの方向性の点検と不具合なところを修正、あるいは使えそうにないものはあっさりと新しいアイデアに切り替えるという「才能」であることが多いような気がする。


もっとも「人数」はお金にまかせて集めることは可能であるが、「才能」のほうは、おいそれとは調達できないから、さてどうするか、てなことになるんだが、少なくとも、必要なのは「人数」か「才能」かを見極めることによって、ムダな資本投入を避けることができると思うのである。

2017年2月14日火曜日

IBMの「在宅勤務廃止」は地方部の崩壊をもたらすのではないか

 NewslnによるとIBMが在宅勤務の廃止を決め、社員に通告を始めたそうで(IBM:自宅勤務制度の廃止を従業員に通告)、その理由は

私たちは自宅勤務の問題に関して長時間に渡って議論を積み重ねてきました。その結果、チームは一緒になり、肩と肩を寄せ合いながら働くことがベストだという結論に達しました。IBMが西海岸のMicrosoftのような企業と競争を続けていくためには、チームが一丸となって働くことが唯一の処方箋であると考えています

ということであるらしい。

早速にイケダハヤトさんらが批判を始めているのであるが、アメリカのIT企業が在宅廃止を始めたということは、以前Yahoo Americaのメリッサ・マイヤーが在宅廃止を打ち出したように、結構な反響を生むのではないだろうか。当然、国土の広さが桁違いであるから、在宅を廃止すれば社員の居所の移動も半端ないであろうが、ひところ一世を風靡した、モバイル勤務、ノマド勤務も陰りを見せ、「WORK SHIFT」の世界は遠くなっているのか、と思わざるをえない。

で、これが地域経営にどう影響するかといえば、都市集中の加速化を招くことは間違いないであろう。社員を集中させるとすれば、交通の便、また相手先企業との連絡の便のよいところに勤務地を移していくのが企業論理であろうし、現実にIBMの場合も「従業員をテキサス州オースティン、カリフォルニア州サンフランシスコ、ニューヨーク州ニューヨーク、マサチューセッツ州ケンブリッジ、ジョージア州アトランタ、ノースカロライナ州ローリーの6カ所の戦略的な拠点に集約」するというもので、日本に置き換えると、おそらくは東京中心になるのが予測できるのである。

で、そのはては人口減少の傾向の中で、地方部から人の姿が消え、都心部にすし詰めになって暮らすという、あまりウキウキしない結論であるような気がしていて、国家的にも好ましいことではないよ言うな気がする。おまけに、地方部、辺境部の人が極度に少なくなって、一体、国土は誰が守るの?、日本はシンガポールのような都市国家に変貌させて、地方部は他国の支配に任せるということなの?と不謹慎にも思ってしまう次第である。

そろそろ企業論理だけでなく、国家論理から地方部への人口移転を真面目に考えるときではないでしょうかね。

2017年2月10日金曜日

大雪被害に思うテレワークの重要性

 山陰地区で大雪被害が相次いでいるのだが、こうした山間部を中心とした地方部で交通途絶が起きると日常生活の不便さはもとより、様々な公的サービスが機能不全に陥いるのでは、という不安にいつもかられる。

これは、こうした自然災害だけではなくて、例えば感染症の流行が起きる場合も同様。

で、ここで提案であるのだが、この際、こうした地方部においては、民間企業だけではなく、公的セクターもテレワークあるいはモバイルワークの導入を大々的にやってはどうか、ということである。

テレワークの重要性や必要性は都会地などでは通勤ラッシュの緩和を中心に言われるんであるが、地方部においても、交通途絶や外出がままならない事態に公的サービスの継続を図るには、テレワークによる公的サービス・ネットワークの構築が有効ではないかと思うんである。

特に、公的セクターの場合、首長を中心としたヒエラルキー的な組織形態が主流であるせいか、どうしても一極集中型の業務処理が中心になりがちなもの。

地方部における定住(つまり広い面積の国土に薄く住むということだよね)を進めるためにも、広い地域において効率的な行政を行うことが必須となるのだが、その基礎がテレワークになるんじゃないか、と思う次第なんである。

2017年2月4日土曜日

「大学の学費無償化」のための教育国債ってのは・・・

Yomiurli Online(http://sp.yomiuri.co.jp/politics/20170203-OYT1T50001.html)によると
自民党は、大学などの高等教育の授業料を無償化した場合の財源として、使い道を教育政策に限定する「教育国債」発行の検討に着手する方針を決めた。
 高等教育の無償化は、安倍首相が検討に前向きな姿勢を示している。1月20日の施政方針演説では「憲法が普通教育の無償化を定め、義務教育制度がスタートした。高等教育も全ての国民に真に開かれたものでなければならない」と述べた。
ということなのだそうだが、これって返済の停滞とかで問題も出てきている貸与型の奨学金制度の姿をかえ、しかも返済を全国民に広げたものじゃないの、という疑問を覚えた。
もちろん、義務教育と高等教育の境界が曖昧になってきていて、大学全入時代もすごそこに来ているのかもしれないのだが、その経費を安易に「国債」として後世の世代の負担にもっていくというのはどうかな、と思う次第。

もともと奨学金自体、就職難などの影響で返済が困難になっている個人が増えたために、給付型やあるいは、地方や故郷へのUターンや地元就職を条件にした無償化などの動きが強まっていて、その方向には異論はないのだが、それを均質にしかも「国債」という全国民負担の形で行うことで、都会(東京都)と地方のアンバランス、東京集中の問題を助長するだけのような気がするんである(ここらは東京在住の人には異論があるよな、多分)。

日本全体の人口減少が言われる中、個人的には都会への集中、いわゆるスマート・シティ化をめざすんではなく、地方、田舎への偏在というかバラけた居住をすすめるべきで、ITの整備と合わせれば、そのほうが国土全体の有効活用と地域の力ひいては国力の担保にもつながると思っているので、ここは一律な国債による対応ではなく、地方への紐付き財源の提供と進むべきでないか、と妄想するんであるがいかがか。