2013年6月8日土曜日

謎解きの味は薄いが、さくさくした味わいのミステリー 近藤史恵「モップ」ミステリーシリーズ

最近、軽めのミステリーに凝っている、うちの奥さんが読んでいるのを横目にみて放置しておいたのだが、歴史小説の重さにちょっと飽いて、読み始めたのが、近藤史恵の「天使はモップを持って」(文春文庫)、「モップの精は深夜に現れる」(文春文庫)の2冊。
主人公はフリーランスの掃除人のキリコという女性なのだが、10代でお洒落で、今風の女の子、という設定にしたのが、このシリーズの斬新さ。

主な展開は、旦那となる「ぼく」こと梶本大介がキリコと出くわし、彼の勤める会社やビル内の事件を解決するのが、第1作目の「天使はモップを持って」(文春文庫)。大介と結婚後、再び時間契約のような形で清掃業務を始め、その業務先で事件を解決していくのが第2作目の「モップの精は深夜に現れる」(文春文庫)。

どことなく気になるのは、キリコが、掃除も料理もできる、ハウスキーピングの達人といったところが、シリーズ最初の頃は斬新なキャラ設定と思わせていたものが、なんとなく鼻についてくること。特に第1作目の事件が軽いタッチなのに対し、2作目の事件は、人間関係がドヨッとしてきて重くなるにつれ、キリコの存在が浮世離れしてきている感がある。

なにはともあれ、ミステリーというのは無聊の時の暇つぶしがもと。小難しいことをいわず、休日の昼下がりや、夕食をすまして面白いTVもない手持ち無沙汰の時、手にとってみてどうだろう。第1作はKindle本も出ているので、深夜のショッピングも可能である。

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