手塚治虫「紙の砦」を読んだ

2016年7月11日月曜日

ブックレビュー

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 手塚治虫師の太平洋戦争終戦前後の私小説的な短編集。

師のこの当時の回想録的な噺の数々は、単純な戦争批判や日本人批判に陷ることはないが、ふいに出現するエピソードにぎょっとさせられるのが、名手の技というものか。


収録は

「がちゃぼい一代記」

「紙の砦」

「すきっ腹のブルース」

「トキワ荘物語」

「という手紙がきた」

「動物つれづれ草」

「どついたれ」


となっていて、主流としては、戦時中も漫画を書き続けている筆者の姿の投影である「大寒哲郎」の戦中、戦後の噺が主。

今回、ぎょっと腹をえぐられるのは、哲郎が工場動員中に知り合った、宝塚音楽学校在学中の女性が空襲によって顔を焼かれ、オペラ歌手の夢を絶たれるあたりは、人死がでないだけに、なんともいえぬやりきれなさが漂う。

間接的な手法を使い、しかも小品で、戦争の酷さを表現するあたり、流石というしかない。神は細部に宿る、といったことが頭に浮かぶのだが、用法として合っているかどうかは定かではないな。


時折、Kindleでセールをやっているので、見つけたらすぐに読まなくてもコレクションしておいてよい小品集です。

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日本の人口最少県の住人。なりわいは行政書士。読書好き、ガジェット好きの昭和人です。

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